接待と手土産
すべて実食! 自慢の手土産。#27
「清左衛門」の贅沢茶漬・杉箱
2019.06.03
大切な会食を成功に導く「御馳走のあとのごちそう」
相手との関係を深めるための大切な会食。その成功の極意のひとつは、帰る際に贈る手土産だ。終わりよければすべてよし。相手との距離をグッと縮める、接待のテッパン手土産が「清左衛門」の「贅沢茶漬・杉箱」だ。これほど安心感のある手土産はなかなかない。相手が接待慣れしていればしているほど贈りたくなる筆者のとっておきなのだ。
煮豆や佃煮、惣菜など、清左衛門で扱う商品は、いずれも素材にとことんこだわった無添加の純正食品。いち押しの「贅沢茶漬」の素材ももちろん一級品ばかり、安心と本物の味の両輪だ。例えば、穴子は長崎から、1匹85グラム程度のサイズで、状態のいいものだけをセレクト。ちりめんはほぼ宮崎産。気品があって、よく乾燥して弾力がある。昆布は天然物の道南産一等真昆布。ゴボウやショウガは有機野菜のみ。
山椒は丹波篠山の朝倉山椒を、収穫の直後に出荷してもらい、スタッフ総出で塩漬けする。醤油は、国産の大豆や小麦、天日塩を原料に伝統の醸造を守る丸島醤油の「伝承三十石杉樽仕込み」。国産大豆でしっかり仕込んだ醤油は、どっしりと力強く、茶漬けや佃煮などの味の要になっている。
そんな厳選素材を用いた自慢の佃煮は、甘さを排除した通好みの辛口で醤油味。穴子、ちりめん、昆布、ゴボウの佃煮が、整然と美しく吉野杉の箱に折り詰めされ、ふたを開けたとたん醤油と山椒の香気が広がる。建築用の端材を利用して作る杉箱は、美しく香りもいい。きれいに拭きあげたふたには、一枚一枚丁寧に焼き印が押され、古典的な風情が漂う。
味、ルックスともにスキのない完璧な茶漬けだが、筆者がこれほどまでにほれ込んでいる理由がもうひとつある。杉箱のふたを開けると「御馳走のあとのごちそう」という粋な崩し文字が目に飛び込んで来る。ごちそうを食べたあとの締めの茶漬けがまたごちそうという、なんともシャレの利いたメッセージではないか。
そして会食のあと、家に帰ってからも続くごちそうの余韻。熱々の白いごはんに、山椒の効いた辛口の穴子とちりめん山椒を載せ、湯気で柔らかくなったところをまずはひと口。昆布やゴボウを追加してお茶を注げばこれまた絶品なのだ。このごちそうこそが相手との距離をグッと縮め、これからのビジネスを成功へと導いてくれる。
清左衛門 甲子園本店
兵庫県西宮市甲子園五番町15-16
営業時間/9:00~18:00
定休日/日曜日
価格/1号(120g)2916円、2号(210g)4212円など6種類 ※価格は税込み
問/0798-49-8898
http://www.seizaemon.com/
※通信販売あり
Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Keiko Katanozaka
Edit & Text:Mayo Morino