旅と暮らし
必要なサービスを自分で選択、エアアジアで旅巧者になる
2019.06.13
LCCの「安かろう悪かろう」は思い込み!?
エアアジアのチケット価格がお手頃な理由とは
先日、タイのリゾート地を訪れる機会があった。場所は、世界中からバカンス客が訪れるプーケットとプーケットからパンガー湾を挟んだ場所にあるクラビ。いずれも日本からの直行便はなく、バンコクで国内線への乗り換えが必要だ。利用した航空会社は、「エアアジアX」。「エアアジア」の中長距離路線を運行する関連会社である。
「エアアジア」はいわゆるLCC(Low Cost Carrier)で、日本では格安航空会社とも称される。格安という語感から「安全性やサービスがおざなりになっている」といった印象を持ち、敬遠している人が多いかもしれない。しかし、それは大きな誤解である。
LCCが安いのは、不必要なコストを削減しているからだ。例えば、エアアジアが保有する機材は、エアバス社のA320とA330だけ。部品や整備、操縦訓練なども2機種分となり無駄が省かれる。
LCCのことを日本では、格安航空会社と説明されるが、安全やサービスに関わりのない部分において、徹底的にコスト削減を行うことで「格安」ではなく「適正」な価格のチケットを販売していると言ってもいいだろう。
「Fly-Thru」なら国際線から国内線への乗り換えがスムーズ
エアアジアXを選んだ理由は、価格だけではない。ほかの理由のひとつに、国内・国際線のいずれにも対応するシームレスな乗り継ぎサービス「Fly-Thru(フライスルー)」がある。うれしいのは、受託手荷物が最終到達地までそのまま運ばれることだ。異なるエアラインの場合、国際線から国内線に乗り換えるときに、手荷物の預け直しが発生する。ロストバケットの危険性も高まるし、なにより面倒だ。
ほかにも、「Fly-Thru」ならドンムアン国際空港では専用エリアで入国審査を受けられるので、長蛇の列に並ぶことがなかった。また、通常のLCCであれば発生するドンムアン国際空港での空港税約2500円もかからないといったメリットがある。
Fly-Thru以外では、必要なサービスを自分で選択できることも選んだ理由だ。通常運賃に含まれるのは7kgまでの機内持ち込み手荷物のみ。受託手荷物や食事といったサービスは有料。食事は必要ないという人や荷物が少ないバックパッカーは、お得な通常運賃で搭乗すればいい。
食事を楽しんだり、受託手荷物があったりするなら、予約時に事前購入できる「バリューパック」がオススメ。重量20kgの受託手荷物、機内食1食、標準座席の指定がセットになっており、バラバラで購入するよりお得だ。
静かで雰囲気がいい「クワイエットゾーン」で落ち着いた空の旅
エアアジアには複数の座席エリアがあるが、利用したのは、最も一般的なスタンダードシート。深夜の長距離高速バスに比べれば格段に楽である。
静かに過ごしたい人は、ノイズを最小限に抑えた「クワイエットゾーン」を選ぶといい。このエリアは、10歳未満の子どもや乳児連れは利用できない。また、ビジネスクラスにあたる「プレミアムフラットベッド」も準備されており、優雅な空の旅が楽しめる。
食事は、バリエーションが豊富。路線によって異なるが、成田~バンコク路線では、6種類から選ぶことができた。
日本政府観光局のデータでは、タイは日本人の渡航先第5位と非常に高い人気を誇る。ビジネスでも5000社を超える日系企業が進出しており、出張で訪れた人も多いだろう。そういった意味でも、成田、関空、名古屋、新千歳、福岡の各空港から毎日、複数の直行便があり、タイでの国内線乗り換えもスムーズなエアアジアは使い勝手がいい。もし、食わず嫌いでLCC未経験なら、ぜひ一度、エアアジアを利用してみてほしい。
Text:Tukasa Sasabayashi