週末の過ごし方
おいしさ香り立つ、アスパラガスとからすみのパスタ
[長尾智子 料理の歳時記]
2019.07.03
食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。
初夏の食材 「グリーンアスパラガス」
紀元前にはすでに栽培の記録があるほど古くから食べられてきた緑黄色野菜。日本へは18世紀末に伝えられたが、本格的な栽培が始まったのは明治初期、北海道で始まった。土をかけて日に当たらないように育てられたのがホワイトアスパラガス。栄養価ではグリーンアスパラガスに軍配が上がる。うま味の成分は、名前の由来にもなったアスパラギン酸で、筋肉疲労時にたまった乳酸をエネルギーに変える働きがある。日持ちしないので、なるべく早めに調理すること。穂先が開いておらず、太いものがよい。
「単純で香りのいいパスタです。アスパラガスは、ピーラーで皮をむく要領で薄くスライスし、パスタをゆでている鍋に加えて軽く火を通せば、パスタになじんで、色もきれいな仕上がりになります。ボッタルガはイタリアのからすみのこと。粉末で売られているもので十分ですが、あれば塊を直前にすりおろすのが理想的です。今回、仕上げにオリーブオイルを回しかけるだけですが、ほかにパルミジャーノ・レッジャーノやペコリーノ(イタリア産の羊のチーズ)をすりおろしてかけたり、半熟ゆで卵を載せて黒こしょうを挽きかけたり、仕上げのアレンジも楽しめます」
材料(2人分)
グリーンアスパラガス 中くらいの太さ 5〜6本
パスタ(フェデリーニ) 160~180g
ボッタルガ(粉末) 約大さじ3
塩 約大さじ1
オリーブ油 小さじ1+大さじ1
<作り方>
1 鍋に、できれば3リットルくらいのお湯を沸かす。パスタは重さを量っておく。グリーンアスパラガスの根元の固い部分を切り落とす。まな板に横向きに載せ、ピーラーで穂先から根元まで細くリボン状にスライスしていく。ピーラーで切りにくくなったら包丁で薄切りにする。
2 1の鍋に大さじ1ほどの塩を加えてパスタをゆでる。パスタのゆで上がりの1分前に1のアスパラガスを加え、火を少し強める。トングで一気にボウルに引き上げ、小さじ1のオリーブ油をまぶす。
3 パスタを器に盛り分け、からすみをたっぷり振りかけて大さじ1のオリーブ油をまわしかける。
「料理の歳時記まとめ」はこちら(https://asm.asahi.com/knowledge/12080242)
プロフィル
長尾智子(ながお・ともこ)
フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
Photograph : Masanori Akao
Food Coorditate : Tomoko Nagao
Edit : Mika Kitamura