旅と暮らし
タイの隠れ家的リゾートを満喫するなら
『デュシット D2 アオナン クラビ』に注目
2019.07.19
多くの日本人が訪問している国・地域で、第5位に入る「タイ」(日本政府観光局の2016年資料より)。ビジネスでのつながりが深いが、観光客にも人気が高い。首都バンコクでアジアンテイストを満喫したり、アユタヤで世界遺産を巡ったり、プーケット島のバカンスでのんびり過ごしたり、楽しみ方はさまざま。そんななか、注目を集めている場所が「クラビ」だ。
「クラビ」は、プーケット島からパンガー湾を挟んで東側に位置する。バンコクからの国内便で空路1時間30分程度。切り立った石灰岩の断崖や熱帯ジャングルに囲まれた複雑な地形は、「タイの秘境ビーチ」とも称される。クラビは日本ではプーケットほど有名なリゾートではないが、ハイシーズンになると欧米からのリゾート客が多く訪れるという。
そんなリゾート慣れした欧米人からも注目されているホテルが、昨年オープンした「デュシット D2 アオナン クラビ」だ。その名からわかるとおり、タイを代表する高級ホテルグループ「デュシット インターナショナル」が運営している。「デュシット インターナショナル」らしいラグジュアリーな雰囲気は残しつつ、リゾートらしいカジュアルさも併せ持つ。
場所は、ビーチがありナイトライフも充実しているアオナン地区。便利でクラビ国際空港からは約25キロ。車で30分強で到着する。小高い丘がまるごとホテルになっており、ロビーでチェックインしたあとは、バギーで宿泊棟まで案内してもらう。もちろん、階段やエレベーターでも移動は可能だ。
客室数は173室で、海側、山側、そしてプールのいずれかに面している。今回、宿泊した部屋は、目の前に雄大な崖がそびえる山側。チェックイン時に支配人であるサッシャ・クンツェ氏が、「どの部屋からも眺望に自信をもっている」と語っていたが、その理由に納得する迫力である。
部屋は、タイの伝統とモダンデザインがうまく融合。白を基調とした明るい印象で、ウッドやストーンといたネイティブマティリアルが効果的に使用されている。部屋の種類は、「D’ライトルーム 」「シービュー D’ライトルーム 」「D’ラックスルーム」「ファミリースイート」「D’スイート」の4つ。
「D’ライトルーム 」「D’ラックスルーム」は、クラビ観光をメインにしながら、ホテルでは疲れを癒やしたいカップルなどが気軽に利用できる。「ファミリースイート」はキングサイズベッドと子ども用二段ベッドが備わっており、子ども連れの家族にオススメ。「D’スイート」は最上階に位置しており、ベッドルームのほかにリビングルームも備えている。
ホテルの施設を活用すれば、雨期のリゾートも十分に楽しめる
今回訪れたのは5月で、タイでは雨期に当たる。「雨期のリゾートなんて……」と思うかもしれないが、日本の梅雨のように一日中雨が降っているわけではない。一定時間に、強い雨がザーッと降るので、それ以外の時間ならビーチや観光を十分に楽しめる。
雨が降っている時間帯は、24時間利用可能なフィットネスジムや子どもが喜ぶキッズルーム、スパといった、ホテル内の充実した施設を利用したい。キッズルームに子どもを預けて、ジムワークやスパなどに足を運べるのはありがたい。
なかでもオススメは、タイ式マッサージが受けられる「CHAONANG SPA(チャオナンスパ)」だ。タイ式マッサージといえば、指圧やストレッチという少しハードな動きを想像するかもしれない。それは、タイ“古式”マッサージといわれるもので、アロマオイルを使ったリラクゼーションマッサージもある。
最近、日本でもメンズ向けのオイルマッサージは密かな人気。未経験だった筆者もこれを機に試してみたが、絶妙の圧で凝りをほぐされリンパを流される感覚は、もみやたたきといったマッサージとはひと味違い、気づけば夢の中だった。
リゾートならではのアクティビティも気軽に体験できる
クラビを訪れたら、いくつかのアクティビティを体験したい。ロビーにはツアーカウンターがあり、やりたいことを相談すると、カヤッキング、ロッククライミング、フィッシングなど、さまざまなメニューを提案してくれる。
なかでも強くオススメされたのは、スピードボートで4つの島々を巡るホッピングツアーだ。実際に参加したところ、青い空に透明な海、白いビーチといった、いわゆるリゾートの素晴らしさに加えて、迫力ある奇岩や断崖絶壁も楽しめるのは、クラビという秘境ならでの体験だった。
タイ舞踊やライブを楽しみながらタイ料理を堪能!
アクティビティでおなかがすいたら、旅の楽しみである食事だ。『デュシット D2 アオナン クラビ』の館内レストラン『ラカン タイ ビストロ&バー』は、クラビ地区でも旅行サイトにおける評価が高いレストラン。タイ料理やタイ料理をベースにした多国籍料理が味わえる。アラカルトメニューは写真付きなので、どういった料理なのか想像がつきやすいのも便利だ。
いろいろなタイ料理をまんべんなく味わいたいなら、ディナーのコースメニューもいいだろう。日によって異なるが、筆者が宿泊したときには、トムヤムクンやマッサマンビーフカレー、チキンとカシューナッツの炒め物、ご当地野菜と卵の炒め物など、エスニックな料理が振る舞われた。
『ラカン タイ ビストロ&バー』の評価が高いのは、食事がおいしいといった理由だけではない。人気の理由のひとつは、毎夜行われているショーだ。タイの伝統的な舞踏やシンガーによるライブが行われており、リクエストがあれば応えてもらえるという。この日は、筆者が日本人ということもあり、「涙そうそう」や「昴」を歌ってくれた。ちなみに、この2曲はタイで有名な日本の曲。意外なところではアニメ「一休さん」のオープニング曲などもよく知られている。
新しいホテルだからこそ、
常識にとらわれずにゲストの想像を超えていく
「『D』には、Delight(大喜びさせる・大いに楽しませる)の意味もある」。支配人のサッシャ・クンツェ氏は、『デュシット D2 アオナン』という名についてそう語った。オープンして1年程度の新しいホテルだけに、ルールにとらわれず、新しいことにチャレンジしつづけたいと意気込みを語る。いわく「常にゲストの想像や期待を超えていきたい」とのことだ。
今後、日本でも注目度が上がりそうなリゾート地「クラビ」。その注目度に合わせて、『デュシット D2 アオナン』の名前を聞く機会も増えるかもしれない。まだまだ、日本人が少ない今だからこそ、先取りしておきたいホテルだ。
Text:Tukasa Sasabayashi