腕時計
バーゼルワールド2019 リポート
ビクトリノックス・スイスアーミー
2019.08.07
![バーゼルワールド2019 リポート<br>ビクトリノックス・スイスアーミー](http://p.potaufeu.asahi.com/0909-p/picture/17363394/98d89bebd1a4ce8ebf63428783b886b3.jpg)
1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。
ヘビーデューティーな「イノックス」にカーボンケースが新登場
創業130周年を記念して2014年に発表された「イノックス(I.N.O.X.)」は、130種類もの耐久テストをクリアしたヘビーデューティーな個性で、たちまちビクトリノックス・スイスアーミーの代表的なコレクションとなった。ケースサイドを大胆に盛り上げたリュウズガードに、六角形にカットされた独特の大型ベゼル。いかにも堅牢で強靱(きょうじん)なスタイルと、ネジ込み式リュウズで200m防水の実用性にもかかわらず、リーズナブルな価格が人気の理由といえるだろう。
翌15年には、ハイテク繊維のテクノーラを編み込んだパラシュートのコードを「パラコード」としてストラップに採用。ステンレススチールの8倍を誇る強度で、織りをほどけば緊急時のロープ(1本90㎝×2本)にも利用できる。3列の編み込みと迷彩風のドット模様が話題となり、いまでは「イノックス」に欠かせないコンビネーションとなっている。
コレクションのバリエーションも年々拡大。昨年は自動巻きムーブメントと、チタンケースのモデルを追加したが、今年はカーボン製ケースが新登場した。カーボンコンポジット(炭素複合素材)を素材としており、強度が高く軽量で腐食などに強いというだけでなく、独特の風合いがデザイン的な個性となっている。イエローの蛍光色が鮮烈なパラコードと組み合わせた世界1200本の限定モデルも発表されたが、ここではレギュラーの「イノックス・カーボン」を紹介する。ネイビーのダイヤルに、淡い蛍光色のアワーマーカーが幻想的な雰囲気。通常よりも発光力の強い蓄光式蛍光が塗布されているという。おなじみのドット柄のパラコードも、ダイヤルと同じカラーリングで統一。時計を守るPVC製のバンパーと、取り替え用の天然ラバーストラップを付属した専用ボックスもうれしい配慮ではないだろうか。
この「イノックス・カーボン」に、セリタ社の自動巻きムーブメントを搭載したモデルもラインアップされた。ケースデザインは同じだが、アワーマーカーはアラビア数字ではなく、シャープな印象のバーインデックス。小さなピラミッド状の鋲(びょう)が林立するスイス伝統のギョーシェ彫りをイメージした細かな模様が、ダイヤルだけでなく天然ラバーベルトにも施されている。マットブラックのカーボンケースとダイヤルが精悍(せいかん)なイメージ。赤い針先がチチチチと正確に秒を刻み、ホワイトのバーインデックスの上を通過する動きが印象的だ。
![400_Victorinox_WAT_241860_S1](http://p.potaufeu.asahi.com/c2c4-p/picture/17363395/28ef793c466eedcaa9da20b2625877e7.jpg)
![400_Victorinox_WAT_241866_1_SAK_S1](http://p.potaufeu.asahi.com/ea0d-p/picture/17363396/2a31cf8f0027a26bfdf9962d5de942da.jpg)
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問/ビクトリノックス・ジャパン 03-3796-0951
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。
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