接待と手土産
すべて実食! 自慢の手土産。#32
「雲月」の小松こんぶ・梅びしお・じゃこ
2019.08.19
毎日の食卓のごはんを、高級料亭の味に変える瓶詰トリオ
残暑が続いて夏バテ気味。どうしても食欲が落ちてくるこの時期に、大切な顧客や目上の人、味にうるさいグルメな人にテッパンの手土産が、「雲月」の「小松こんぶ・梅びしお・じゃこ詰合せ」だ。筆者はこのどれかひとつでも冷蔵庫にあれば、うれしくてたまらない。しかもこの3点セットがそろえば、いつものごはんが一瞬にして高級料亭の味に変わるのだ。
「雲月」は京都にある高級料亭で、なかなかハードルの高い店。その京の味の“おもたせ”専門店にあたるのが、東京の「雲月 南青山」だ。表参道の駅から10分ほどのモダンなビルの1階にあり、小さいながらもとても雰囲気がある。
本店で振る舞われる懐石料理の最後の御飯物。その締めの一品のために生まれたのが「小松こんぶ」。細切りにした真昆布を山椒の実と一緒に炊き上げたもので、塩分が控えめで優しい味わいだ。食べることの大切さを追求する「雲月」らしく、添加物などは極力使わず、産地や生産者も必ず確認するなど、素材ひとつひとつにこだわり抜いている。
小松こんぶに負けず劣らずのお気に入りが「梅びしお」。最初はよくある練り梅と思っていたが、口に入れるとまったく異なる食べ物だった。雲月の梅びしおは、選び抜かれた和歌山県産の南高梅に昆布のうま味を加えて練り上げ、熟成させたもの。梅の酸味をしっかりと残しつつ、昆布のうま味でまろやかさが増し、なんとも言えない上品な味わいなのだ。温かいごはんに載せても、小松こんぶと一緒にお茶漬けの供にしても、そして意外かもしれないが、卵かけごはんに合わせても驚くほどおいしい。山椒の風味の利いた上品なちりめんじゃこの「じゃこ」も加えれば、幸せをもたらす最強の三銃士となる。
一瞬で幸せな食卓に変身させてくれる、雲月の3点セット。実は手土産通の間では、既にかなりの有名品。誰もが一度食べたら、このおいしさを共有したくて手土産に選ぶのだろう。自宅用には袋入りもあるが、手土産には上品な桐箱入りがおすすめだ。ぜひこの幸せをみんなにも体験してほしい。
雲月 南青山
東京都港区南青山3-4-4
営業時間/10:30〜18:30
定休日/無休
価格/小松こんぶ・梅びしお・じゃこ詰め合わせ4212円 ※価格は税込み
問/03-3470-8830
Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Keiko Katanozaka
Edit & Text:Mayo Morino