調べ・見立て(見立て)
編集長の「見立て」。
暑中見舞いとお中元、夏のいまどきマナーを考えてみた!
2019.08.20
残暑お見舞い申し上げます。8月も後半に差し掛かりましたが、まだまだ暑い日が続いています。読者の皆さんも、夏バテなどされませんようにお気を付けください。
と、あいさつをさせていただきましたが、アエラスタイルマガジンWEBのアンケートによると、「暑中見舞いを送る」と回答した人は23%にとどまっています。確かに、朝顔などの涼しげな絵が入った暑中見舞いハガキが届くことはすっかりなくなりました。友人や知人のSNSには、この時季、あちらこちらの花火大会の写真がアップされています。いまどきは、それを暑中見舞いの代わりと思って見ながら、ご機嫌うかがいのメッセージを送ったりするのがいいのかもしれません。
ビジネスの相手には、どのように夏のあいさつをしたらいいでしょうか? メールを送るとき、文頭に「お暑うございます」とひと言を添える。これがスマートなやり方だと思います。あるいは、請求書などのビジネス書類を送る際に、一筆箋で時節のあいさつを書くのもいいでしょう。受け取った封書を開いたときに請求書1枚だけがペラっと入っていると、ちょっとだけ寂しい気持ちになるのは、私が古いタイプだからでしょうか。夏に限らず、ひと言添えられた一筆箋が入っていると、仕事中にほっこりと気が安らぐもの。それが、万年筆でサラリと書かれていたりすると、「スマートな方だなぁ」と感心することもあります。
お中元の習慣も、昔ほどではなくなりました。ただ、アンケートによると「贈る33%」と「お中元をくれた人には贈る12%」を加えると、45%と予想外に高い割合となっています。
「贈る」か「贈らない」も気にはなりますが、ビジネスマンがそれ以上に気を付けなければならないのは、職場に届いたお中元をどのように取り扱うかということ。仮に部長宛てに届いたとしても、あるいはひとりの担当者に届いたとしても、その部署に届いたお中元と考えるのがマナーです。「おいしそうな夏のフルーツ、重そうなのに、部長が独り占めして自宅に持ち帰った……」などといったうわさ話で、一気に人望を失う場合もあります。
仕事の手を止めて、部署のメンバー全員でおやつタイムを設けてみるのもいいでしょう。外回りが多い部署でメンバーがなかなかそろわない場合には、どうしたらいいでしょうか。以前に所属していた職場では、いただいたお中元に番号を振って、クジ引きをして持ち帰る習慣がありました。
暑い夏、気持ちを和やかに保って、健やかに過ごせますように。
プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE
WEB編集長 兼 エグゼクティブエディター
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に編集長として「アエラスタイルマガジン」を創刊。ファッションやライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツを制作している。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。2019年4月にヤマモトカンパニーを設立し、現職に就任。執筆書籍に、「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」がある。