調べ・見立て(見立て)
男性のスキンケアへの意識は高いが、やっている内容は不十分。
編集長の「見立て」。#26
2019.12.24
今回の調査でも、いまどきビジネスパーソンの意識の高さがわかります。アエラスタイルマガジンの「調べ」で以前アンケートした「着こなしへの気配りはビジネスにプラスだと思いますか?」の問いでは、96%が「はい」と答えました。そのときにも、意識の高さに驚かされましたが、今回の「きれいな肌はビジネスで好印象を与えると思いますか?」の問いに対しても、「かなり思う」「まあ思う」と回答したビジネスパーソンが96%に上ったのです。
ビジネスにおいて、第一印象でネガティブな印象をもたれないようにするために、「清潔感」は欠かせません。その意味では、スキンケアに気を使うことも仕事のうちと言っても、過言ではないでしょう。
一方で、スキンケアの内容については、十分ではない人がほとんど。「毎日しているスキンケア」は洗顔が76%、化粧水は14%、乳液は5%にとどまっています。「毎日しているスキンケアはない」と回答した5%のビジネスパーソンに至っては、言語道断。スキンケアを習慣にしている人と、していない人とでは、長い年月を経ると大きな差がつくのです。
最も多いお悩みは、「乾燥・肌荒れ」。これは、冬シーズンの調査であったのも関係があるでしょう。続いて多いのが、「しみ・くすみ・くま」の悩みです。男性は、日頃のUVケアも怠りがち。ましてや、何もケアをせずにゴルフやマラソン三昧のビジネスパーソンとなると、年を重ねて、しみやくすみに悩むのは当然の結果です。
そして、「乾燥・肌荒れ」と「しみ・くすみ・くま」のいずれも、「洗顔」だけでは解決しません。そういった意味では、毎日しているスキンケアの質問で、少数回答にとどまった「化粧水」や「乳液」を使ったケアを、男性も習慣にする必要があるでしょう。どういった製品がいいのか、どういう使い方で行うのか。最近では、ファッションビルなどに男女問わず使えそうな新しいタイプの化粧品をそろえたストアが増えています。そういったお店で相談してみるのが、いちばんの早道です。
もうひとつ、注意するべきことがあります。ビジネスパーソンは、せっかく習慣にしたスキンケアの習慣が、出張で途切れがち。普段使っているものを小さなボトルなどに移して、旅先でもしっかりとケアを行ってください。
プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE
WEB編集長 兼 エグゼクティブエディター
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に編集長として「アエラスタイルマガジン」を創刊。ファッションやライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツを制作している。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。2019年4月にヤマモトカンパニーを設立し、現職に就任。執筆書籍に、「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」がある。