旅と暮らし

こんがりホクホク、さんまのアンチョビ焼き
[長尾智子 料理の歳時記]

2020.01.30

写真・図版

食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。

寒い時期においしい素材「さんま」

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古くは「サイラ(佐伊羅魚)」「サマナ(狭真魚)」「サンマ(青串魚)」などと読み書きされており、明治の文豪・夏目漱石は『我輩は猫である』の中で「三馬」と記している。「秋刀魚」と表記されはじめたのは、明治後期から大正にかけてと言われている。秋によく獲れること、細長い柳葉形に輝くシルエットが刀を連想させることから名付けられた。最近、温暖化による影響か、旬が少し遅れて、2020年は12月になってから漁獲量が増えた。塩焼きが好まれるが、手頃な値段で栄養価が高いので、さまざまな方法で食べて楽しみたい。血液の流れをよくするエイコサペンタエン酸(EPA)、体内の悪玉コレスとレールを減らし、脳細胞を活性化させるドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含む。目が澄んでいて、触ったときに肉質が締まっていて、体の表面がキラキラ光っているものが鮮度のよい証拠。

「できるだけこんがりとさんまを焼きます。塩気はアンチョビ、オリーブ油を多めに使い、揚げ焼きのように香ばしく。じゃがいもは、粉ふきいものように水気を飛ばしたところに、オリーブ油で香り付けします」

<材料2人分>
さんま 2尾
アンチョビ・フィレ 4枚
じゃがいも(男爵) 大きめ2個
オリーブ油 約大さじ3
塩、こしょう 各少々
レモン 1/3個
薄力粉 大さじ2

<作り方>
 さんまは頭を切り落とし、腹に切り込みを入れて内臓をはずす。流水で洗って水気を拭き取る。軽く塩を振ってすり込み、薄力粉をしっかりとまぶしつける。アンチョビは1枚を2〜3等分する。
 じゃがいもの皮をむいてひと口大に切り、水にさっとさらして鍋に入れ、かぶるくらいの水を注ぎ、中火にかける。煮立ったらやや火を弱めてやわらかくなるまでゆでる。少し角が取れるくらいに火が通ったら、残っている水を少し残して捨て、中火で水気を飛ばす。塩少々とオリーブ油大さじ1を振って全体を混ぜ、ふたをして保温しておく。
 フライパンにオリーブ油大さじ1を温め、余分な粉を落としてさんまを並べ入れる。下の面がしっかり焼けたら上下を返し、残りのオリーブ油をまわしかけてさらに焼く(オリーブ油が足りなければ適宜足す)。アンチョビを加えて、こんがりと全体に茶色くなるまでしっかり焼く。器に2とともに盛り、じゃがいもにこしょうを挽きかけて、切り分けたレモンを添える。 

写真・図版
カリッと焼き上げるためには、粉をしっかり全体にまぶしつけること。余分な粉をはたいてからフライパンへ。

「料理の歳時記まとめ」はこちら

プロフィル
長尾智子(ながお・ともこ)
フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
vegemania.com

Photograph : Masanori Akao
Food Coorditate : Tomoko Nagao
Edit : Mika Kitamura

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