調べ・見立て(見立て)
携帯電話2台持ち時代の、スマートなマナーとは。
編集長の「見立て」。#30
2020.04.16
![携帯電話2台持ち時代の、スマートなマナーとは。<br>編集長の「見立て」。#30](http://p.potaufeu.asahi.com/1ce5-p/picture/20917958/1b43d775287f717670774f61a5b6d674.jpg)
携帯電話を2台持ちしている人が増えました。アエラスタイルマガジンのアンケート調査によると、「スマートフォンを2台以上」が33%、「スマートフォンとフィーチャーフォンを合わせて2台以上」が16%、「フィーチャーフォンを2台以上」が1%となっています。この数字を合計すると、ビジネスマンの50%が2台持ちしているのです。
多くの場合、ビジネス用の携帯電話と、プライベート用の携帯電話を使い分けているであろうことは、容易に想像がつきます。こうした傾向はスマートフォンがこれほど定着する以前からありましたが、昨今では内線電話の代わりにスマートフォンを支給する会社も多く、2台持ちの傾向に拍車を掛けました。
こうなってくると、携帯電話のマナーが改めて気になってきます。ビジネスミーティングの際中に、スマートフォンをどう取り扱えばいいのかという問題です。個人や業界によってマナーに関するいろいろな意見があり、時と場合によっても異なってくるのですが、ここでは基本的マナーを考えていきましょう。
まずは、社内でのミーティングの場合。最近では、ノートにメモを取る代わりに、持ち込んだPCに議事録を打ち込んでいくビジネスマンが増えました。そういった現状を鑑みると、ビジネス用のスマートフォンをミーティングの卓上に置いておくのも許容の範囲内でしょう。例えば、議題に上った案件に関するデータを調べたり、同僚にクライアントの連絡先を伝えたり。そういった場面でスマートフォンを使ってさっと調べるのは、むしろ推奨されるべきことです。あるいは、会議室の使用許可が1時間と決まっているときに、終了5分前にアラームを設定しておくといった活用をしているビジネスマンもいます。そして、こうした場面でも、プライベート用の携帯電話は会議室に持ち込まない。あるいは、持ち込んだとしてもポケットやバッグにしまっておくのが基本です。
クライアントとのミーティングの場合は、どうでしょうか。プライベート用の携帯電話はもちろんですが、ビジネス用の携帯電話もポケットやバッグにしまっておくのが基本マナー。ビジネス用の携帯電話であっても、卓上に置いたスマートフォンにチラチラと目を配っているのは、相手にとって感じのいい所作ではありません。例えば、取引の話し合いのなかでオフィスに連絡して見積もり金額を確認する必要が出てきたといった場合には、「電話で確認させていただいてよろしいでしょうか?」と相手に断り、会議室からいったん外に出て携帯電話を使いましょう。
![1050_ITL-1DX4654](http://p.potaufeu.asahi.com/59c6-p/picture/20917959/e621bc24fbe0cce442cb92f4f193247b.jpg)
じつは、もうひとつ気になっていることがあります。文字どおり携帯電話をどのように携帯するかという問題です。通勤や移動中に、手に持つのか、ポケットに入れるのか、バッグに入れるのか。スマートフォンを見ながら歩く「ながら歩き」が危険であるのは、一般的な認識になっています。「見ながら」でないとしても、手に持って移動する携帯方法は推奨されるマナーではありません。では、ポケットに入れるのはどうでしょう。これまでも私は、「スーツのポケットは物入れではない」と申し上げてきました。理由は、物を入れるとスーツのシルエットを崩したり、縫製部分に負荷をかけたりするからです。入れていいのは、ジャケットの胸ポケットに入れるチーフと、パンツのポケットに入れるハンカチのみ。これが、スーツの着こなしマナーの基本であると発信してきたのです。ある程度の大きさや重さのあるスマートフォンを、ましてや、ビジネス用とプライベート用の2台のスマートフォンをポケットに収納することには抵抗感を覚えます。となると、バッグに入れるのが正解でしょうか。それはそれで、着信に気が付かず大事な要件の連絡を取り損ねるリスクを伴います。
というわけで、「スマート」な携帯電話の携帯方法について、いまだに正解を見つけられないでいます。あなたの考える携帯マナーについて、ぜひともご意見をお寄せくださいませ。
プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE
WEB編集長 兼 エグゼクティブエディター
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に編集長として「アエラスタイルマガジン」を創刊。ファッションやライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツを制作している。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。2019年4月にヤマモトカンパニーを設立し、現職に就任。執筆書籍に、「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」がある。
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