調べ・見立て

小物の使い分けで、ビジネススキルもアップする!?
編集長の「見立て」。#31

2020.05.15

写真・図版 山本 晃弘

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今回の「調べ」では、ビジネスシーンでどれくらい小物を使い分けているかを調査しました。腕時計、眼鏡、バッグ。最初に結論を言うとすれば、いずれも「使い分ける」のが正解です。では、どのように使い分けたらいいのか。それについて、解説していきたいと思います。

小物にはそれぞれ、果たすべき役割があります。時計であれば時刻を確認するために、眼鏡であれば適正な視力を確保するために、バッグであれば荷物を運ぶためにといった具合です。ただ、ビジネスシーンで使っている以上、果たすべき役割がそれだけではないのは言うまでもありません。スーツが、暑さ寒さをしのぐだけのために着られるのではないのと同様です。ビジネスシーンでは、取引先の相手、上司、同僚などから見られているのを忘れてはいけません。小物を上手に使い分けて、自分自身の印象をコントロールしていきましょう。

まずは、腕時計。高額アイテムであるにもかかわらず、76%ものビジネスパーソンが使い分けているのに驚かされました。「スーツの印象によって31%」「会う人によって10%」「業務内容によって17%」といったあたりの回答者は、どれくらい「かしこまった」シーンかで腕時計を使い分けているということでしょう。一般的に、メタルブレスレットよりも革ベルトの腕時計のほうが「かしこまった」印象を与えます。文字盤のデザインで言えば、クロノグラフなどの機能を搭載したものよりも、シンプルな3針が「かしこまった」腕時計となります。3針に黒レザーベルトの腕時計であれば、冠婚葬祭などのフォーマルなシーンでも着用可能。一方で、クロノグラフのメタルブレスレットはスポーツウォッチと呼ばれるジャンルの腕時計と考えてください。

腕時計を「気分によって使い分けている」と答えた18%のビジネスパーソンも、正解です。男性にとって、腕時計はビジネスシーンで使える数少ないアクセサリー。いい腕時計を着用して気持ちを高揚させたり、眺めることで落ち着きを取り戻したりといった効果も期待できるでしょう。もう一点、夏シーズンにはメタルブレスレットをおすすめします。温度と湿度が高い日本の気候では、レザーベルトに汗ジミが生じる場合もあるからです。前述したようにメタルブレスレットにはスポーティーな印象があるので、ビジネスでの使用を想定している場合には、少なくとも文字盤のデザインはシンプルな3針を選ぶといいでしょう。

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次に、眼鏡。顔に着用する小物であるのを考えると、印象を大きく左右するアイテムであると言っていいでしょう。変身するときに眼鏡を活用することでも、それがよくわかります。

真面目な印象のメタルフレームに対して、セルフレームのほうがおしゃれであると人気を集めた時期が長く続きました。確かに、四角いボストンや丸みを帯びたウェリントンといったクラシックな形のセルフレーム眼鏡は、スーツ姿を引き立ててくれます。ただ、最近では繊細なデザインのメタルフレームや、セルとメタルを組み合わせたコンビネーションフレームも提案されているので、どちらがおしゃれとは一概には言えません。「業務内容によって使い分けている」と答えた20%のビジネスパーソンのなかには、パソコン仕事の多い日と外回りの多い日でレンズの度数を変えている人もいます。同じような考え方で、デスクワークの多い日は、長くかけても疲れない軽いメタルフレームの眼鏡にするのもいいでしょう。

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バッグは、70%のビジネスパーソンが使い分けているといるのがわかりました。ここ最近、一気にビジネスバックとして定着したリュックサック。これは、ストレッチ素材のスーツが一般化したり、スーツの着用さえもマストではなくなったりしたビジネスウエアの変化に対応したものです。とはいえ、重要な提案でクライアントのトップに会うときに、カジュアルに見えるのは避けたいもの。「会う人によって使い分けている」と回答した5%のビジネスパーソンや「業務内容によって使い分けている」と回答した人は、そんな気遣いをしているのだと推察されます。もちろん、シンプルな理由として、荷物が多い日と少ない日でバッグを使い分けている場合もあるでしょう。

ただ、「朝の忙しい時間に、バッグに入っている荷物を入れ替えるのが面倒で」というリアルな声も寄せられます。そんなときの解決策を、最後にアドバイスしましょう。小型のポーチをバッグインバッグとして活用する方法です。財布、定期、社員証、名刺入れ、手帳、ペンといった、荷物が多い日も少ない日も必ず持ち歩くアイテムだけをポーチに入れておき、朝出かける際には、その日のスーツや業務内容や荷物の量にふさわしいバッグに、それをサッと入れ替えるやり方をおすすめします。

腕時計、眼鏡、バッグといった小物の使い分けは、自分自身の印象をアップさせることはもちろん、時間の有効活用にまでつながっていきます。もっともっと、工夫してみてください。

プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE
WEB編集長 兼 エグゼクティブエディター

「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に編集長として「アエラスタイルマガジン」を創刊。ファッションやライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツを制作している。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。2019年4月にヤマモトカンパニーを設立し、現職に就任。執筆書籍に、「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」がある。

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