週末の過ごし方

食通が注目する“最旬ガストロノミー”はマニラにあり!
刺激と自然があふれる、フィリピン最新事情vol.1

2020.04.17

食通が注目する“最旬ガストロノミー”はマニラにあり!<br>刺激と自然があふれる、フィリピン最新事情vol.1

近年、アジア通が注目するネクストディスティネーションとして名が挙がっているのが、フィリピンのマニラだ。現在の経済成長率は驚異の6%台前半、平均年齢は約23歳(ちなみに日本は約46歳、中国は約37歳)。この数字からわかるように、これから確実に成長を遂げる“伸び代のある国”。その首都であるマニラは、いま激動の中にある話題のシティなのだ。さまざまなカルチャーやライフスタイルが絶え間なく進化を遂げるなか、話題を呼んでいるのがフードシーン。特に世界の食通がここを目がけてマニラを訪れるというレストランがある。それが2019年版「アジアのベストレストラン50」でもランクインを果たしている実力派「トーヨー・イータリー」だ。

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    感度の高い地元の人間に加えて、欧米人の姿も目立つ。

フーディ垂涎(すいぜん)の“モダン・フィリピーノ”に舌鼓

店舗の場所は、マカティ地区のモダンな商業施設「カリヴィン・プラザ」内。インテリアはもちろん、ライティングまですべて洗練されていて、まるでヨーロッパ都市部の最先端スポットのようだ。シェフを務めるのは、ジョーディ・ナバラ氏。イギリスの伝説的レストラン「The Fat Duck」でキャリアをスタートさせ、香港の三つ星カントニーズ(広東料理店)「Bo Innovation」を経て、母国にて独立を果たす。公用語を英語とするフィリピン人は、海外で働く際に言葉の壁がないのが強み。同じように国外で実力をつけた若い世代が戻り、次々と才能を花開かせているという。トーヨー・イータリーはその代表例なのだ。

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それぞれの料理に、洗練と温かみの両方が感じられる。
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その魅力を堪能するためには、ぜひコースをオーダーしたい。ひと皿ずつがオリジナリティーにあふれ、クリエーティビティーに富んでいる。コンテンポラリーなプレゼンテーションに目を奪われていると、スタッフから素材と調理法、さらにコンセプトの説明が始まる。これが至極楽しいのだ。たとえばシグネチャーディッシュのひとつは、シェフが幼少のころによく歌った「バハイクボ」という童謡にインスピレーションを受けたもの。18種類もの野菜が歌詞に登場する歌で、土のように盛られたゴマとナスのパウダーを掘り起こすと、それらすべての野菜が現れるという仕掛け。見て、聞いて、味わうと、この店の人気ぶりに納得がいく。うま味、酸味、甘み、辛みがすべて一体化し、旬でありながら温かみのある“モダン・フィリピーノ”に仕上がっているのだ。予想と期待をはるかに超えた豊かなコンセプトとクオリティーの高い味わい。マニラのイメージを一新させる食経験となるだろう。

元ネオン街から変貌した、トレンドエリアでバーホッピング

マニラのフードシーンの別の側面を垣間見えるのが、中心地の「ポブラシオン」エリア。昔は歓楽街として栄えた地域が、いまや若者が集まるヒップなエリアへと変貌(へんぼう)を遂げている。クラフトビールやクラフトジンを豊富にそろえるダイナーや、ビーントゥバーのチョコレートを提供するカフェ、ミクソロジーカクテルで楽しませてくれるバーまで、夜な夜な若者でにぎわう様子は圧巻。たとえばディナーを終えたあと、街をそぞろ歩き、バーをホッピングしてみてはどうだろう。街全体に独特の勢いやうねりがあり、活気に満ちた若き街のエネルギーをチャージすることができる。

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55%のダークチョコレートを使ったカクテルなど、こだわりの一杯が楽しめる。

開発が進むベイエリアで、若き街のエネルギーをチャージする

さまざまなホテルが建築ラッシュを迎えるマニラで、いまビジネスパーソンが泊まるべきは「コンラッド・マニラ」だろう。大規模開発が進むベイエリアにあり、ハイエンドなブティックや巨大ショッピングモール、さらにコンベンションセンターにも隣接しているので、観光、ビジネスともに便利な環境。

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    シックで落ち着ける内装。
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    アメニティはシャンハイタンのシリーズが。

何より素晴らしいのが、マニラ湾を望む開放的な眺望。ホテル内の「Cラウンジ」からは真西の方向に海が広がり、その中央に夕日が沈むという抜群のロケーション。夕暮れ前になると欧米のビジネスパーソンが少しずつ姿を見せはじめ、アペリティフを楽しんでいる。壮大なサンセットを眺めながら語らう様子は、どこか希望に満ちているようだ。マニラに滞在すると、未来や可能性を肌で感じる。発展途上国ならではの躍動感が、人々に、そして街全体に満ちているのだ。アジアにおけるネクストシティで若きエネルギーをチャージする。それがいま、旅通がマニラを目指す、最大にして最上の理由なのかもしれない。

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「コンラッド・マニラ」のラウンジからは夕景のグラデーションが楽しめる。

Vol.2では、完全予約制の邸宅レストランなど、さらに広がる新たなフード事情を深掘りする。

vol.2 に続く>>

トーヨー・イータリー The Alley at Karrivin Plaza, 2316 Chino Roces Ave, Makati, 1231 Metro Manila
コンラッド・マニラ Seaside Boulevard, Coral Way, Pasay, 1300 Metro Manila

取材協力/フィリンピン観光局

Text:Maho Honjo

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