カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ71
いざというときの勝負服にお困りの方必見!
ユニクロのアイテムで完成させる女性ウケ抜群の夏スタイル
2020.06.24
「デート夏の陣」と言うと大げさすぎますが、大切なパートナーとのお出かけは男性にとってはかなり頭を悩ませるもの。猛暑の中での待ち合わせ場所から、レストランや劇場選びまで検索しまくり攻略法を見つけられても、肝心要の着ていく服が決まらないという方は多いのでは?
今回、そうしたお悩みをユニクロをメインにしたコーディネートで解決してみます。もちろん、スタイリングのネタ元は海外セレブのスナップからなので、ユニクロを着ているとは誰にも気づかないうえに、上品な雰囲気が漂うといういいことずくめです。
こちらは、ミラノの有名なレストランの前でスナップさせてもらったカップル。ご本人の口からは、自分たちがセレブリティーだなんてことは一切出ていませんが、この普通っぽい着こなしながら香水のように立ち上る品の良さは、ピッティなどでよく見かけるにわかファッショブローガーとは全く違うもの。
今回は、このジェントルマンの着こなしをお手本にして解説していきます。
ポイントは、紺ジャケット×白デニムという組み合わせ。真夏といえどもレストランやパーティーなどに出かけるときはやはりジャケットは欠かせません。少し前まで日本では、真夏にジャケットを着るのは我慢比べといった感じでしたが、いまでは清涼感があり肌触りのいい機能素材を使ったジャケットがかなり出回るようになり状況は一変。真夏に「いざ出陣!」というときの良き相棒と言えるほどに進化しています。
細かく見ると、紺ジャケットはダブルブレストで金ボタン。ボタンはあえて閉めないでラフな感じを出し、下に着た質の良さそうな濃紺のTシャツをさりげなくアピールしています。
Tシャツの裾は、デニムにイン。ここは、好みが分かれるところですが、外に出すとカジュアル感が出てコーディネートがまとまりにくくなります。特にTシャツの裾が長いと、だらしなく見えてしまうのでご注意ください。ちなみにイタリアではおなかの出ている人もジャケットを着るときは、Tシャツの裾はインしている方が多いようです。
こちらのダンディーな御仁も紺ジャケット☓白デニム。インナーをギンガムチェックのB.D.シャツにすることでトラッドな王道スタイルにまとめています。
先に出た若い方もこの方も、インナーはネイビやブルーといったジャケットと同系色をチョイスしています。ここはとても重要です!
ついついデートとかだとインパクトのあるものを選びがちですが、それは逆効果。プリントのTシャツや派手な色めのシャツを持ってくるとチャラチャラした感じが出てしまいますし、コーディネートが決まらない原因になります。
今回は、ユニクロのジャケットとデニムで若いジェントルマンのコーディネートを再現。ダブルの金ボタンジャケットはさすがにハードルが高いので、シングルの紺ジャケットにチェンジしています。
ジャケットはライトウェイトジャケットというもので、シアサッカーと呼ばれる夏の定番生地を使っています。この生地は、もともと凹凸があリ清涼感があるのが特徴でしたが、ユニクロは更にコットン×ポリエステルにし、ドライタッチで軽くしつつ、化繊にありがちなチープな感じに見せないという超高度なグレードアップをしています。
ジャケット¥3,990、デニム¥3,990/ともにユニクロ(ユニクロ 0120-170-296)
高級なエジプトコットンを使ったTシャツ¥24,000/バンドリ(バンドリ青山本店 http://vandori.jp/)
スエード素材の靴¥66,000/パラブーツ(パラブーツ青山 03-5766-6688)
ユニクロのジャケットのボタンを金色のメタルボタンに付け替えるとまた違った見え方になるというリメイク例。ブレザー用メタルボタンと検索すればいろいろ見つかるはずです。自分(または家族の誰か)で付け替えるか、お直し屋に出すかはご自身の懐具合と相談を。
ボタンを付け替えるとガラっと雰囲気が変わって見えませんか!? コーディネートが引き締まり少し華やいだ感じに見えると思うのですが……、いかがでしょうか。かしこまったビジネス用ジャケット風ではなく、ちょっとラグジュアリーな感じがしますね。
ユニクロのジャケットは、こうしたひと手間を加えると洋服のプロでもびっくりするほどグレードアップするので、ぜひお試しあれ!
ユニクロの白デニムは、なんと高級デニムに使われているセルビッチ(ほつれ止めをした生地端)付きの生地を使っています。裾を折り返すと生地端の赤いステッチが見えてきます。
最後に、勝負デートのときの足元は、スニーカーにしないできちっと革靴を合わせましょう。そうすると、パートナーのあなたを見る目が変わってくるはずです(たぶん)。
今でこそTシャツやスニーカーで入店を断られるレストランやバーは少なくなってきましたが、きちんと感をどこかに残しておくのが、令和のマナーではないかと個人的には考えております。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi