スーツ

スーツの表情はベストで変わる。
着こなしのポイントやマナーを解説

2020.08.13

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ベストを着用するだけで、スーツの表情はがらりと変わります。カジュアルシーンからフォーマルシーンまで、幅広い楽しみ方ができるベストは紳士に必須のアイテムだといえるでしょう。ただし、間違った着こなし方ではベストの魅力を引き出すことができません。3ピーススタイルでワンランク上のおしゃれを楽しむために、ベストを着こなすポイントやマナーを熟知することが大切です。

今回は、ベストの歴史や種類、着用のメリットなどを紹介したうえで、スーツに合わせるときの着こなしのポイントについて詳しく解説します。

ベストの歴史・発祥

ベストはシャツとジャケットの間に着用する中衣で、ジャケット、パンツと共に3ピーススーツを構成するアイテムの一つです。3ピーススーツでは、これら3点のアイテムが同じ生地である共布(ともぎれ)から作られており、18世紀のラウンジスーツが発祥といわれています。3ピーススーツは、現在の主流である2ピーススーツが考案される前から存在する、スーツの正統的なスタイルなのです。

「ベスト」という名称は1666年に英国で生まれたといわれています。当時の英国王チャールズ2世が1666年10月7日に「衣服改革宣言」を発布し、ベスト(vest)という名称を発表してその着用を貴族に義務づけました。

宣言の発令前、貴族はおのおのが好きなように豪華な衣装を身にまとっていました。しかし、国の財政に余裕がなくなったことをきっかけに倹約の方針が打ち出され、服装の統一が命じられたのです。

当時のベストにはまだ袖があり、着丈も上にはおるコートと同じ程度で膝までの長さでした。ベストの原形は、15~17世紀頃のヨーロッパで主流だった「ダブレット」という男性用上着だといわれています。もともとダブレットには袖や襟がついていましたが、これが徐々に短くなっていき、現在の袖がないベストへと発展しました。

ベストとジレの違い

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シャツとジャケットの間に着る中衣には、ベストやジレ、ウエストコートなど、さまざまな呼び名があるため、混乱することもあるでしょう。基本的に、呼び名の違いは国による言語の違いであり、意味する衣服に大きな違いはありません。すなわち、フランスではジレ、アメリカではベスト、英国ではウエストコート、イタリアではパンチオットといったように使い分けられているのです。

ただし、ベストとジレで多少ニュアンスが異なるのも事実です。ベストはアウターウェアとしての意味合いが強く、比較的装飾性の高いものを指すことがあります。一方、ジレはインナーウェアの意味合いが強く、ジャケットに隠れる背面のデザインにこだわっていないものを指すことが多いのです。前面に高級感のある生地を使い、背面には普通の生地をつかった胴着もジレに該当します。

ちなみに、日本では袖のない胴着がかつてチョッキと呼ばれていました。チョッキという言葉の語源は、「直着」や外来語の「ジャケット」がなまったものなど諸説ありますが、現在ではベストという呼び名が一般的になっています。

ベストの種類

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ベストの種類は、シングルかダブルか、襟付きか襟なしかによって4つに分類することができます。ここからは、それぞれの仕立ての特徴について紹介します。

襟なしシングルベスト

ベストのシングルとダブルは、ジャケットと同じようにフロントボタンが1列か2列かで分けられます。フロントボタンが1列のシングルベストのなかでも、襟がないタイプは最もオーソドックスなデザインです。

セットアップに襟なしシングルベストを合わせるコーディネートは、スーツの着こなしの原点ともいえるスタイルです。癖のないデザインなので、着こなしに自信がない人や若い世代も挑戦しやすいでしょう。ベストを着ることでシャツが部分的に隠れ、Vゾーンの表情が引き締まる効果が得られます。クラシックな雰囲気のなかに現代風のデザインを取り入れたいなら、Vゾーンが深めで前裾が鋭角にカットされているものがおすすめです。

なお、シングルベストのフロントボタンは6つがスタンダードですが、4つや5つのものもあります。また、腰ポケットはフラップが付いている場合と付いていない場合がありますが、よりフォーマルなのはフラップがないほうです。フラップは雨やホコリがポケットに入るのを防ぐための仕立てであり、主に外出用のカジュアルな衣服に付けられるものです。

襟付きシングルベスト

襟付きのベストは「ラペルドベスト」や「ラバルドベスト」と呼ばれています。襟なしベストよりもフォーマル度が高く、ジャケットと合わせることで英国調のクラシックな装いになります。襟なしベストよりもファッション性が高いため、上級者向けのデザインだといえるでしょう。

襟の種類はノッチドラペルが基本ですが、襟先が上を向いたピークドラペルや、丸みのあるショールカラーが採用されたものも存在します。ピークドラペルやショールカラーはタキシードのジャケットにも使われている襟で、エレガントさを演出したいときにはうってつけの仕立てです。襟が付いていることでVゾーンに立体感が出るため、男性的なたくましさを強調したい人は襟付きシングルベストを試してみるといいでしょう。

襟なしダブルベスト

襟なしダブルベストは格調高いデザインですが、襟付きよりはくだけた雰囲気が漂っており、シックなこなれ感を演出することができるアイテムです。着丈がシングルよりも短くなっているため、スタイルをすっきりとさせ、脚を長く見せる効果があります。

なお、はおったジャケットのフロントボタンを留めるとベストのボタン部分が見えなくなります。せっかくダブルベストを着用するなら、ジャケットのボタンを外してエレガントにアピールするといいでしょう。

スーツの着こなしに新鮮さやこだわりを求めている人には、襟なしダブルベストの着用をおすすめします。

襟付きダブルベスト

襟付きダブルベストは4種類の中で最も重厚感のあるスタイルです。ピークドラペル付きのダブルベストは、胸元のとがった襟先によって立体感が強調され、威厳が漂う着こなしとなります。ショールカラー付きのダブルベストなら、柔らかく落ち着いた雰囲気が演出できるでしょう。フロントボタンの数は、ピークドラペルなら8つ、ショールカラーなら6つが一般的です。

ちなみに、ダブルベストは裾が直線的にカットされており、着丈を長めに仕立てないとベルトやシャツが裾から見えてしまうので注意してください。

スーツでベストを着るメリット・着用シーン

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スーツスタイルにベストを合わせると、どのようなメリットを得られるのでしょうか。また、適切な着用シーンについても押さえておきたいところです。ここでは、スーツでベストを着るメリットと着用シーンについて紹介します。

伝統のマナーが重んじられる

ダブレットを起源とするベストにはもともと袖があり、下に着ているシャツを隠す目的で着用されていました。かつてシャツは下着として使われており、人目にさらすのはマナー違反と考えられていたためです。ベストの着用はおしゃれというよりもエチケットであり、下着をさらさないというマナーを守るための紳士のたしなみでした。ちなみに、シャツの裾が必要以上に長いのは、前後の裾をボタンで留めて下半身を覆っていたころの名残です。

シャツの下に着るインナーが誕生して以来、シャツが下着とみなされることはなくなりました。2ピーススーツが主流になったことで、世間が男性のシャツ姿に慣れたということもあるでしょう。しかし、シャツを見せすぎるのは現在でもマナー上問題があり、ジャケット着用のドレスコードを設定するレストランなども多くあります。また、ビジネスシーンでもジャケットを脱ぐことが失礼に当たる場面があるでしょう。

シャツの上にベストを着用していれば、ジャケットを脱いだり、ボタンを開けたりしたときも品格が保てます。歴史的な経緯を踏まえ、ベスト着用という伝統的なマナーを重んじることで、スーツの着こなしにもクラシカルな風格が漂うようになります。

寒暖の調節が容易に

ジャケットの下にベストを着用すると、当然ですがジャケットだけの場合よりも暖かくなります。

冬になるとジャケットの下にセーターなどを着こむ人がいますが、本来スーツはぴったりと体に合うように仕立てられるものです。特に、肩や腕まわりは生地がだぶついているとだらしなく見えるので厳密にサイズが合わせられています。このジャケットの下にセーターを着ると、シルエットが膨らんで見えるうえに、腕がうまく動かせなくなるでしょう。ジャケットの下に着るのであれば、袖がなく腕の可動を制限しないベストを選ぶのが理にかなっています。

また、夏場の暑いときもベストがあれば寒暖調節に便利です。クールビズが浸透した現在では、ビジネスマンがシャツ姿で活動していることは珍しくありません。しかし、シャツ姿がマナー違反だと感じる人も存在するので、ベストをはおって品格を保っておくのが無難です。また、シャツだと寒い一方、ジャケットでは暑すぎるという場面では、ベストを着用すれば適度に温度調節ができます。季節の変わり目や室内外の温度差が激しいときなどに備えて、温度調節に便利なベストを用意しておくのが賢明です。

スタイリッシュでおしゃれな見た目に

ベストを取り入れたコーディネートには、おしゃれでスタイリッシュな見た目が演出できるという利点があります。ベストを着用することで大きく変わるのはVゾーンの印象です。シャツとネクタイで構成されるVゾーンにベストが加わると立体感が生まれ、この構築的な見た目が男性的な力強さを醸し出します。ベストで挟んだネクタイを少し浮かせれば立体感はさらに増すでしょう。上半身をたくましく見せたい人や、威厳を持ってスーツを着こなしたいという人はベストを積極的に取り入れてください。

なお、濃い色のベストにはウエストを引き締めて見せる効果があり、スーツと同系色のベストには縦のラインを強調してシルエットをスマートに見せる効果があります。こうした効果を利用することで、3ピーススタイルはおしゃれにランクアップすることができます。ときにはセットアップと色柄の違うオッドベストを取り入れ、普段とは一味違うおしゃれを演出してみるのも効果的です。

着用するときはシーンを見極めて

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ベストは装飾性と実用性を兼ね備えた便利なアイテムですが、場面によっては着用がふさわしくないこともあるので注意が必要です。

まず、営業などで初対面の人や自分よりも年上の人と会うときは、ベストの着用は避けるのが無難です。ベストによって威厳を漂わせることができますが、人によっては「偉そうだ」と感じる場合があります。3ピーススーツは映画やドラマで上司役の俳優がよく着ている衣装でもあり、位の高いイメージが世間に刷り込まれている部分もあるでしょう。営業に出る際などは、相手に合わせてベストを着るべきか否かを判断してください。

一方、内勤の場合はベストの着用がおすすめです。ジャケットを脱いでもベストがあれば品格が保たれ、シャツのたるみでだらしない印象を与える心配もありません。

冠婚葬祭などのフォーマルシーンについても、ベストを着用したほうが礼儀正しく見られるでしょう。礼儀という面だけではなく、ベストの着用はドレスアップすることでもあるので、結婚式などの祝いの場に華やかさを添えることになります。また、二次会などの場面でジャケットを脱いでも、ベストを着ていればコーディネートがカジュアルになりすぎず、品格を保つことができます。襟付きダブルベストなどを着用すれば、個性を前面に押し出したおしゃれが楽しめるでしょう。また、オッドベストもシルバーやホワイトであれば問題ありません。

ただし、葬儀に参列する場合は注意が必要です。スリーピースの喪服は格式が高く、喪主よりも格が上になってしまうことがあります。自身が喪主であれば問題ありませんが、参列する側なら3ピースは避けるのが無難です。

一歩間違えたらダサい? スーツでベストを纏うときのポイント

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ベストはスーツスタイルをランクアップさせてくれるアイテムですが、着こなしを間違えるとおしゃれには見えません。ベストとスーツを合わせるときのポイントを押さえて、スタイリッシュなコーディネートを目指しましょう。ここでは、スーツでベストを纏うときのポイントを紹介していきます。

ベストはジャストサイズが鉄則

ベストはジャケットの下に着るものであり、体にぴったりとフィットしていることが大切です。サイズが大きすぎると生地がだぶついてだらしない見た目になり、小さすぎると着丈のバランスがおかしくなります。袖口についても、肩まわりのサイズにフィットしていないとベストの背面が浮き上がる恐れがあるでしょう。ジャケットやパンツと同じように、ベストもジャストサイズが鉄則です。時間や手間を惜しまず、自分の体に合ったサイズのものを選ぶようにしてください。

Vゾーンの見え方にこだわって

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ベストの魅力は男性らしいたくましさや力強さを演出できることにありますが、この点に大きな効果をもたらしてくれるのがVゾーンの立体感です。Vゾーンは襟付きベストのほうが立体的に見えます。また、Vゾーンが浅いタイプであればネクタイも浮かせやすく、より立体的に見せられるでしょう。そのため、線が細い人や体格に自信がない人には襟付きのVゾーンが浅いベストをおすすめします。反対に、がっしりした体格の人は襟なしのVゾーンが深いベストを選ぶことでバランスが取れるでしょう。

ベストの下に着るシャツの襟は、ベストの上に乗らないようにするのが基本です。シャツの襟がはみ出ると見た目が悪くなるため、ベストの下に襟先が収まるようなシャツを選びましょう。おすすめの襟型がワイドスプレッドカラーで、襟の開く角度がレギュラーカラーよりも広く、襟台も高めなのでベストと相性のいい仕立てです。

一般的に、シャツは襟の角度が広いほど襟先がベストの下に収まりやすくなりますが、襟がほぼ水平に開いているホリゾンタルカラーは襟羽根が短く収まりにくいのでおすすめできません。ベストに合わせるシャツは襟の角度と襟羽根の長さに着目して選んでください。

また、シャツの襟の裏側には芯地のカラーステイが入っていますが、何かの拍子に外れることがあります。カラーステイがないと襟先が遊びやすくなるため、襟の裏側に入っているかどうかを確認しておきましょう。なお、ベストのVゾーンが深すぎると、シャツの襟型にかかわらず襟先がベストの下に収まりにくい場合があります。

結婚式やパーティーなど、華やかな席に参加するときもベストの着用はおすすめです。しかし、ダークスーツの3ピースだと全体の雰囲気が暗くなりがちです。このとき、華やかな柄のネクタイを取り入れてVゾーンを明るくすると、祝いの席にふさわしいコーディネートになるでしょう。ベストの着用によってスタイリッシュにデザインされたVゾーンが、ネクタイの華やかな柄でエレガントに引き立つスタイルです。

カジュアルなシーンでは、ベストさえ着ていればネクタイを外しても上品な雰囲気が保たれます。スマートでありながら、リラックスした大人の空気感を演出することができるでしょう。ノーネクタイでもVゾーンをスタイリッシュに見せたいときは、ベストを取り入れるのが大人の着こなし術です。

ベストの裾からベルトやシャツが見えないように

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ベストを着用するうえで特に重要なポイントは、ベストの裾からベルトやシャツが見えないようにすることです。ベルトやシャツがベストの裾からはみ出していると間の抜けた印象を与えてしまうため、ベストの着丈はベルトがちょうど隠れる程度の長さを心がけましょう。

ベルトがはみ出さないか気になるという人は、サスペンダーを活用するのもひとつの手段です。サスペンダーは英国では「ブレイシーズ(braces)」と呼ばれており、クラシックな英国調スタイルには欠かせないアイテムです。ちなみに、サスペンダー(suspenders)は主にアメリカで使われている言葉で、英国でサスペンダーというとガーターベルトを指す場合があります。反対に、アメリカでブレイシーズというと歯列矯正用の器具を指す場合があるため、言葉の使い分けに注意が必要です。

ベストの下にベルトを収めるとどうしても表面に凸凹ができてしまい、パンツへとつながるベストの流れるようなラインが損なわれてしまいます。一方、存在が目立たないサスペンダーであれば流線形のシルエットが保たれ、ベストスタイルを最も美しく見せることができるのです。さらに、肩から腰にかかるバンドでパンツをつるサスペンダーには、シャツを押さえつけて生地のたるみを防ぐ効果があります。ワンランク上の着こなしを目指すのであれば、サスペンダーという選択肢も視野に入れておくべきでしょう。

アンボタンマナーには忠実に

ジャケットと同じように、ベストにもアンボタンマナーがあります。アンボタンマナーとは「フロントボタンの一番下は留めない」というルールのことです。ベストのボタンをすべて留めると、スタイリッシュなシルエットが崩れたり、前裾にしわが寄ったりすることがあるので、一番下のボタンはあくまでも飾りだと考えて留めないようにしましょう。

ダブルベストについても一番下のボタンを留める必要はありません。ただし、前裾がスクエアにカットされているダブルベストでは、ボタンをすべて留めたほうがスマートに見えるケースがあります。シングルベストのように一番下は外すものと決まっているわけではないので、ベストのデザインに合わせて調節してください。

ベストを着用しているときは、ジャケットのアンボタンマナーが多少変わってきます。ベストが見えている状態なら、ジャケットのボタンは留めても留めなくても構いません。だらしないと思われる心配はないので、ボタンの扱いは自分の好みで決めるといいでしょう。欧米でも、ジャケットのボタンを留めるとベストのスタイリッシュな雰囲気が損なわれると考えられており、ボタンを留めない人のほうが多いようです。

ちなみに、オーダーメイドのベストではボタンの色柄を自分で選べることが少なくありません。ネイビーの3ピーススーツであれば、木目調やブラウン系のボタンがおしゃれなアクセントになるのでおすすめです。なるべく幅広いシーンで使えるように、派手な色柄のボタンは避けるのが賢明でしょう。

3ピースで楽しむスーツのおすすめブランド5選

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紳士の風格が漂うスタイリッシュな3ピーススーツを販売しているブランドは数多くあります。ここからは、おしゃれな3ピーススーツが入手できるおすすめのブランドを厳選して5つ紹介していきます。

バーニーズ ニューヨーク

「バーニーズ ニューヨーク」の始まりは、1923年にバーニー・プレスマンがマンハッタンで開業したメンズウェアのディスカウントストアです。1960年代になると、創業者の息子であるフレッド・プレスマンが主導して「ジバンシィ」や「ピエール・カルダン」といった高級ブランドを紹介しはじめ、世界でも有数のスペシャリティストアへと飛躍しました。そして、1976年にはアメリカで初めて「ジョルジオ アルマーニ」を導入し、ニューヨークにおけるファッションの発信源としての地位を確立したのです。「バーニーズ ニューヨーク」はその後も勢力を拡大しつづけ、1990年には日本最大規模のスペシャリティストアを新宿にオープンしました。

「バーニーズ ニューヨーク」では、ウェアやアクセサリーだけではなく、ステーショナリーやテーブルウェアまで幅広いアイテムを取り扱っています。商品はすべて「バーニーズテイスト」にこだわってセレクトされており、店舗は品ぞろえの豊富さに加えて独特の洗練された雰囲気も楽しめる空間となっています。

オリジナルコレクション「MADISON」と「MANHATTAN」の3ピーススーツは洗練されたシャープなシルエットが特徴で、ほどよくトレンド感が取り入れられた人気のアイテムです。

麻布テーラー

オーダースーツの分野では必ず名前が挙がるといっても過言ではない、知名度の高いブランドが「麻布テーラー」です。1999年に店舗展開がスタートした「麻布テーラー」は、1918年に大阪で開業した「平野屋羅紗店」を前身としており、100年以上の長い歴史を持っています。高級オーダースーツ専門店として事業を開始しましたが、現在ではリーズナブルなアイテムもそろえて幅広い価格帯で展開しています。2005年には、コストパフォーマンスに特化したオーダースーツを提供して人気を集めている姉妹ブランド「テーラーフィールズ」の事業展開も始まりました。

「麻布テーラー」の特徴は、国内の工場ですべての衣料の生産を行っており、国産に強いこだわりがあるということです。オーダースーツではサンプルの試着と採寸を通して体に合ったスーツが仕立てられるパターンオーダーを採用しており、既製品を購入するような気軽さでオーダーメイドのスーツを手に入れることができます。国内外のサプライヤーと連携して仕入れる生地は3000種類以上のバリエーションがあり、スーツのモデルはクラシコイタリア、コンチネンタル、ジェットクルーズの3パターンから選択可能です。「麻布テーラー」のオーダースーツは3ピースでも発注できるため、利用してみてはいかがでしょうか。

五大陸

「五大陸」は株式会社オンワード樫山が1992年に設立した男性向けのスーツブランドです。五大陸というブランド名は、英国、フランス、イタリア、アメリカという4つのファッション大国の長所を日本の繊細さでまとめあげた「日本発世界服」を目指すというコンセプトを表現しています。シャープなエッジや立体感のあるシルエット、縫い目の細さ、美しいシェイプ、体になじむ着用感といった要素を追求した完成度の高いスーツを「ジャパニーズ・ジェントルマン・スタンダード」と銘打って展開しています。

そして、スーツの生地には最高の素材を使うのが「五大陸」の信条です。日本の尾州やイタリアのビエラ、英国のハダースフィールドなど、世界中の産地から優れた素材を取り寄せてスーツを仕立て上げています。「パーソナルフィッティングメイド」と呼ばれるパターンオーダーでは、3ピース用のベストを仕立てることも可能です。

2017年に始まった新ブランド「ノーム ゴタイリク」からは、日本の伝統的な美意識と1940年代から1960年代までの紳士服地をかけ合わせた、和装のような優美さをまとったスーツを世に送り出しています。

ザ ショップ ティーケー

ワールドグループが展開する「ザ ショップ ティーケー」は、著名なデザイナーの菊池武夫氏が1984年に立ち上げた「タケオキクチ」の系列ブランドです。主にショッピングセンターなどで店舗を構えており、メンズだけでなくレディースやキッズのアイテムも販売しています。

「タケオキクチ」が色気と遊び心のある大人の男性をターゲットにしているのに対して、「ザ ショップ ティーケー」では「こだわりと遊び心で、心地よい毎日を。」というコンセプトのもとに、ファミリー層を主なターゲットとして商品を展開しています。価格帯についても比較的リーズナブルなのが特徴です。

「ザ ショップ ティーケー」の「シャドーストライプ3ピーススーツ」は、結婚式やセレモニーなどのフォーマルシーンにも対応できるスーツです。ポリエステル素材なので機能性が高く、家で洗濯することもできる優れものとなっています。

ニューヨーカー

ダイドーリミテッドグループが展開する「ニューヨーカー」は、ハイクオリティーでベーシック、かつトレンドを取り入れたスタイルを提案しているファッションブランドです。国際的なビジネスシーンでも着用できるアメリカントラッドなスーツを日本のビジネスマンに提供するというアイデアのもと、1964年に設立されました。

「ニューヨーカー」では、オリジナルのチェック柄である「ニューヨーカーハウスタータン」をシンボルとして掲げています。これは、ネイビーとホワイトを基調とし、ブラック、バーガンディー、ブルーを加えた5色で構成されるタータンチェックです。スコットランドの政府行政機関である「スコットランド・タータン登記所」にも「NEWYORKER」の名称で登録されており、ブランドのアイデンティーとなっています。

「ニューヨーカー」のパターンオーダーは選べる生地やモデル、ディテールのバリエーションが豊富で、自分なりのこだわりを細部まで詰め込むことができます。襟付きのベストやサスペンダーボタンの取り付けといったオプションも用意されているため、3ピーススーツを仕立てるにはうってつけのブランドです。

まとめ

ベストには襟付きや襟なし、シングルやダブルといった種類があり、求める雰囲気によって選ぶべきタイプは変わってきます。威厳を漂わせたいときは襟付きのダブル、スーツスタイルをスマートに格上げしたいときは襟なしのシングルといったように、ニーズに応じて使い分けることが大切です。

長い歴史があるベストを着ることは伝統的なマナーを重んじることを意味し、その姿勢から自然と風格がにじみ出るものです。今回紹介したマナーやブランドを参考に、ベストを取り入れて自分なりのクラシカルなスタイルを目指すといいでしょう。

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