カジュアルウェア
原宿「Pigsty」
古着はやっぱり面白い 第2回
2020.09.14
原宿のキャットストリート沿いの地下にある「Pigsty(ピグスティ)渋谷神宮前店」は、2011年にオープンした。その本店は大阪のアメリカ村でも屈指のビンテージショップとして知られており、東京進出は業界内外で話題となった。同店の最大の特徴は、本店の創業以来、国内での委託買取などを一切行わず、20年以上にわたって商品のアメリカ仕入れを貫いていること。アメリカ現地にスタッフが常駐しており、コンディションを見極めて質の高いアイテムをバイイングしているのだ。
「月に2〜3回はアメリカから入荷があるため、常にフレッシュな商品に入れ替わっています。ビンテージは、30〜50年代のワークやミリタリー系のアイテムを多くラインアップしており、現地で見つかりにくくなったとはいえ、希少なお宝が入荷することもあります。一方、90年代のストリートテイストなアイテムにも力を入れています。気軽に買える価格でほかの人とかぶらないため、若い年代の人たちから人気です」
ストックが豊富なので、選択肢が多く、自分に合ったサイズのアイテムを見つけやすいのも魅力。まさにアメリカの空気をそのまま運んで来たような店内を物色していれば、ついつい時間を忘れてしまうことだろう。
50年代製と思われる別珍(ベッチン)のスカジャン。両胸とバックにはトラ、袖には龍の刺繍がほどこされており、リバーシブルになっている。「王道的な刺繍のデザインが秀逸なうえに、タグも残っているコンディションの良さで、しかも合わせやすい小ぶりなサイズ。なかなか出てこない逸品です」と山田さん。
現行モデルも人気のチャンピオンの名品スウェットシャツ、リバースウィーブ。こちらは90〜00年代製と思われ、胸元にはイェール大学のものであることを示すレターがプリントされている。「イェール大学ものにはファンが多く、ここ最近で相場も急上昇しています。サイズはやや大きめですが、数が少ないうえコンディションが良好なので、コレクターからの注目度は高いでしょう」
90年代に作られたJ.クルーのアノラック。フロントの切り替えや横開きのジップポケットなどのディテールがユニークだ。「ビンテージではなく、上質なレギュラーという位置付けのアイテムです。90年代のJ.クルーは面白いアイテムを作っており、現代の着こなしや大人にも似合うデザインのものも多いですね。こちらのアノラックはカラバリが豊富で人気のアイテムです」
Pigsty
住所/東京都渋谷区神宮前5-25-1 原宿MOEビル 地下1階
営業時間/12:00~20:00
定休日:無し
問/03-6427-3392
Photographer:Norihiko Fujisawa
Text:Tetsu Takasuka