カジュアルウェア
原宿「Marvin’s」
古着はやっぱり面白い 第3回
2020.09.23
店内をぎっしり埋め尽くす膨大な数の古着。ガラスケースの中に積み重ねられたジーンズには、7桁の数字が並んだ値札が下がる。ここは、原宿・明治通り沿いの地下に店を構える『マービンズ』。91年の創業以来、常にビンテージシーンの中心に存在した名店だ。
「昔からとにかくカッコいいものが好きでした。それを追求していたら、結果的に古いものであり、アメリカのものであっただけです」と語るのは代表の半沢和彦氏。店内に置かれているのは、そんな彼の感性に響いたものばかりだ。アイテムの振り幅の広さにも驚かされる。数百万円のスーパービンテージを多数ストックしている一方、数千円で買えるアイテムも取りそろえている。
「基本的に穴あきなどダメージのあるものは置きません。ちゃんと服として着られるコンディションのものを厳選しています」
ハンガーをぎっしり詰めて陳列しているのも半沢氏のこだわりだ。膨大なストックが好奇心を刺激するだけでなく、服をかき分けながら一枚一枚じっくり見ていくことで意外な掘り出し物に出合えることもある。まるで宝探しのような感覚を味わえるのだ。そのため、なかには何時間も滞在する人もいるとのこと。心ゆくまでビンテージの世界にどっぷり浸ることができる場所なのだ。
1950年代製のリーバイスの501XX。ダメージもなく、インディゴが色濃く残る良コンディションだ。サイズもW34×L29.5と良好。「革ラベルの破片が残っていること、ダメージが少ないこと、色が濃いこと、サイズがいいことから高値がついています。同じ年代の同じモデルでも、もっと色落ちしていると値段が安くなります」と半沢氏。
1950年代に作られたリーバイスのデニムジャケット、517XX。両胸についたフラップポケットが特徴で、通称“セカンド”と呼ばれる。こちらは起毛したライニングがついた防寒性の高いモデル。「織りキズがあり、ラベルが切り取られていることから、当時、B級品として扱われたものだと推測されますが、デッドストックなのでコンディションは抜群です」。
1992年製のアメリカ軍のミリタリーコート。 “モッズコート”として知られている。アクリルファーのついたフードは着脱式になっている。「ここ3年くらいでモッズコートの人気が高まっていて、相場もどんどん上がっています。年代は新しめですが、やはり本物ならではの魅力があります」。
Marvin’s
住所/東京都渋谷区神宮前6-12-15 ハイネスト原宿 地下1階
営業時間/13:00~19:00(時間短縮営業のため、通常は12:00〜20:00)
定休日:無し
問/03-5466-2390
Photographer:Norihiko Fujisawa
Text:Tetsu Takasuka