カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ82
ライダースジャケットの常識を一変させる、
品よくモードに見えるテク発見!
2020.10.14
ライダースジャケットは名前が示すように、もともとはバイクに乗る人のために考えられた革ブルゾン。バイクに乗っていて転んでもケガをしにくくするために、分厚い革で汚れを気にしない黒が王道です。
映画では黒のライダースを着た俳優がハーレーダビッドソンなどの大型バイクに乗ってたびたび登場していますし、年に何回か強面(こわおもて)のバイク愛好家が集まるお祭りがテレビのニュースで流れたりするので、ライダースジャケット=ワイルドとか、ちょっと不良!? アウトサイダーといったイメージをお持ちの方が多いのでは。
ミラノのガーデンパーティーでお会いしたジェントルマンの、そうした概念を吹き飛ばす斬新なスタイリングに打ちのめされました!
なんと白みがかったベージュ(写真では光の関係で白っぽく見えますが)だったのです。
それに黒Tシャツ×黒デニムで足元は白スニーカー。ライダースジャケットの色を変えるとガラッと雰囲気が一変。モノトーンでまとめたことでモードなイメージが強く出て、ワイルドな感じがまったくしません。優しくラグジュアリーなムードもほんのり漂っています。
こうした淡色ライダースは、実は昨年くらいから少しずつ日本でも見かけるようになっていました。ただし、入荷数量が少なかったので、目にした方はほとんどいなかったのでは……。
イタリアでは、こうした淡色レザーブルゾンは最近のトレンドで、ブルネロ クチネリやイレブンティといった人気ブランドから毎年発売されています。
ブルゾン¥110,000/チンクワンタ(チンクワンタ 050-5218-3859)、Tシャツ¥15,000/エース(にしのや 03-6434-0983)、デニム¥34,000/カンタータ(カルネ 03-6407-1847)、スニーカー¥49,000/カメルレンゴ(伊勢丹新宿店 03-3352-1111)
今回のスタイリングを再現したのがこちら。ライダースはスエード素材の淡色ベージュ。こうした色を女性誌では、カフェラテ色クリーミーカラーなどとおしゃれに表現していますが、こうした色は女性の評判がすこぶるいいとか。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi