カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ83
リモート会議、オンライン飲み会に最適の
ニットジャケットをユニクロで発見。コスパと着心地は世界一!?
2020.10.21
ニュースタンダードという言葉が最近よく使われていますが、ビジネスや飲み会、コンパなどで着るカジュアルウエアの分野において、徐々にではありますがその基準やスタイルが新しくなっています。
ビジネスウエアで言えば、自宅でのオンライン会議が定着してきたために、新しいファッションが生まれました。テレワークファッションとでも言えばいいでしょうか。具体的には、オンライン会議での服装です。特に上着がポイント。
いくら自宅とはいえ、使い込んだTシャツやトレーナーではユルユルすぎだし、清潔感を出したつもりの新品の白シャツは、カメラの露出がうまくできずシャツの色が飛んでしまい、顔が強調されて気持ち悪く見えた……といった失敗談は後を絶ちません。
秋冬を迎えるこれからは、夏の失敗を繰り返さないためにも、ニューノーマルな在宅ウエアの買い足しは必須。手持ちの服にこれだけ買い足せば完璧という万能アイテムが、今回取り上げるニットジャケット。
今秋から百貨店やファッション系EC サイトで人気がものすごく出ているので検索すればすぐに見つかるはず。ただし価格が1 万円以下のものからイタリアブランドの10 万円以上するものまであり、選び切れない方が多いのでは?
そこで、今回は私が購入し愛用している最強のニットジャケットをリコメンド。
まずは、いつものようにニットジャケットをトレンディーに着こなしたジェントルマンから。セーターと同じような編み込みがあり、前身頃にボタンがあるので一見カーディガンのように見えますが、間違いなくニットジャケットです。
ポケットが、外側についていますし前見頃のボタンは3 個。すそは、テーラードジャケットのようにラウンドしていますし、襟を立てて着ているのでわかりづらいのですが、間違いなく「くの字」に切り込みが入った正統派のノッチドラペル。
スタイリングに目をやると、インナーは首元に三角の汗止めがついたクラシックなトレーナー。下半身はブルージーンズ。そうなんです、普段着ている超普段着に、これをはおるだけでキチンと感が出せる魔法のニットだったのです!
このニットジャケットにはもうひとつのポイントが。それは大まかなサイズを合わせておけば、編み物なので誰でもフィットし、長時間着ていてもストレスがなくシワにもなりにくいのです。もし袖丈が長い場合は折り曲げればOK。
唯一の欠点が価格でした。いままでも海外ブランドから発売はされていましたが、ニットとしては破格の値段のものがほとんどでした。ところが、今季ユニクロからコスパ世界一と断言できるニットジャケットが発売されたのです!
ミラノリブジャケット¥6,990、クルーネックT シャツ(長袖)¥1,990/と
もにユニクロU、スマートアンクルパンツ(コーデュロイ・2 ウェイストレッチ)
¥2,990/ユニクロ(以上ユニクロ 0120-170-296)、靴¥33,000/ポルペッタ
(ビームス 六本木ヒルズ 03-5775-1620)
こちらが、スナップしたジェントルマンのスタイリングを私なりにアレンジしてコーディーネートしたもの。ニットジャケットはユニクロU のもので、コシがあり表面がフラットなミラノリブ編みでウール62%、ポリエステル38%。インナーをスナップのジェントルマンと同じにするとメリハリが出ないので、きれいめなT シャツにチェンジ。これなら、オンラインでの会議や友人とのコンパのとき、顔色をよくして好印象をアピールできるはずです。
これがニットジャケットのクローズアップ。襟がテーラードジャケットのように仕上がっています。なんと左側にはフラワーホールと言われるボタン穴までちゃんと開いています。
襟は着ると見事に首からバストにかけてフィットする完璧な立体パターン。海外の高級ニットジャケットのなかには、首の後が余ってヌケたり、もこもこして収まりが悪いものを見かけます(日本人と体形が違うから仕方ない?)が、ユニクロU のこれは日本人の体形を知り尽くしたこの会社ならではの完成度。
ウール100%じゃないのが気になるという、天然素材愛好者の方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的にはポリエステルを入れることで繰り返し着ても伸びにくく、型崩れが生じにくいという実用性のほうが勝っていると思います。
こちらのジェントルマンは、ニットのWブレストジャケットにネクタイでドレスアップ。そうなんです、ニットジャケットにネクタイをしてもさまになるのです!ただしネクタイは、シルク系のものは避けたほうが無難。素材がテカテカ光らないウール系やニットのものがベストです。
ネクタイとシャツは執筆者私物。
今回のユニクロU のニットジャケットにウールのチェック柄のネクタイを合わせたのがこちら。これなら、お堅い会社でない限り通勤着として通用しますね。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi