調べ・見立て

いまどきビジネスマンが望んでいる働き方や、
理想の会社像とは、どんなものでしょうか。
編集長の「見立て」。#36

2020.10.20

写真・図版 山本 晃弘

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ひとつの会社でずっと働きつづける。そういった仕事の仕方が当たり前であったのは、すでに過去のことです。アエラスタイルマガジンの「調べ」で、「あなたは転職を考えていますか?」とストレートに質問したアンケートの回答にも、それが表れています。転職を考えていると回答したビジネスマンは55%。「条件のいいチャンスがあれば」と答えた32%を加えると、87%が転職を視野に入れています。

転職をする場合に、これまでは同業種の大手企業を候補に考えるビジネスマンが多かったように思いますが、昨今ではこうした考え方は多数派ではないようです。理想の会社像にも、キャリアの積み上げ方にも、変化が見られます。

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「あなたが最も働きたいと思うのはどんな会社ですか?」という質問に対して、「規模が大きく名の通った会社」と回答した人は10%、「給料が高い会社」と回答した人は13%。いずれもそれほど大きな数字ではなく、大手志向ではないのがわかります。「一人一人の裁量が大きい会社」が18%と、会社の規模や給料よりも、やりがいを求めているようです。そして、36%と抜きん出て高い割合になったのは、「ワークライフバランスの取れた会社」。家族との時間を大切にしたり、自分自身の趣味をエンジョイしたり。自己実現や人生の幸せは、仕事だけに求めるものではありません。コロナ禍が通り過ぎた後には、更にこの傾向は強くなることが予想されます。

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「あなたが仕事をするうえで最も重視していることは?」というアンケートの結果も見てみましょう。「儲けの最大化」という回答は、わずか10%。「仕事のスピード」という回答は18%。早く儲けるというイケイケの回答を、「顧客の満足度」という誠実な回答が44%と大きく上回っています。こうした丁寧な仕事ぶりに対する態度を、「ビジネスの潮目が変わってきている」と見るか、「これが日本のビジネスマンが持っていたそもそもの資質」と見るかは、人によって意見が分かれるところでしょう。

「早いばかりがいいわけではない」。「損して得とれ」。私自身も、先輩からいろいろな教えをいただいてきました。なかには、「三方よし」という近江商人の格言を引用して指導してくれた上司もいます。売り手、買い手がいいのは当たり前。社会に貢献してこその商売だという「三方よし」の発想は、SDG‘s的な視点が重視される現代にも通じるものだと思うのです。そういった意味では、「仕事で最も重視することは?」の問いに、「社会的な責任」と回答したビジネスマンが15%いた今回のアンケート結果は、とても心強く感じました。

プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE WEB編集長 兼 エグゼクティブエディター

「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に編集長として「アエラスタイルマガジン」を創刊。ファッションやライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツを制作している。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。2019年4月にヤマモトカンパニーを設立し、現職に就任。執筆書籍に、「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」がある。

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