調べ・見立て(見立て)

腕時計は男性の印象を左右する重要アイテム。
さて、何を選ぶのが正解か⁉
編集長の「見立て」。#37

2020.11.27

山本  晃弘 山本 晃弘

腕時計01

スマホが一般的になったので、腕時計は必要ないという論調があります。これには、いつも私は反対の意見を申し上げます。例えば、会議中に時間チェックでスマホをいじっていると、ほかのメールを見ているとビジネス相手から思われて、マナー違反のように勘違いされる可能性があるからです。手首にチラリと視線を落とすだけで時間がチェックできる腕時計は、ビジネスマンの必需品と言ってもいいでしょう。

アエラスタイルマガジンの「調べ」で、「腕時計を日常的に使っていますか?」と質問したところ、71%が「はい」と回答しました。このアンケート結果からも、「腕時計は必要ない」といった考え方が少数派であるのがわかります。

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昨今のトレンドから、スマートウォッチが幅を利かせている印象を抱いていましたが、アンケート結果を見ると、それほどでもないようです。「いま主に着用している腕時計はどのタイプ?」と「いま最も購入したい腕時計はどのタイプ?」のいずれの質問でも、「3針のドレスウォッチ」という回答が5割を超えました。

「時・分・秒」がパッとわかる視認性の高さは、3針の腕時計が群を抜いています。仕事でストップウォッチを活用する機会があるのならばクロノグラフも選択肢になりますが、そうでなければ、3針のドレスウォッチを選ぶのが正しい選択です。ダイバーズウォッチでも、40ミリ前後の小ぶりで上品なデザインのものであれば、ビジネスウエアに着用することもできます。ダイバーズはスポーティーなイメージとなるので、フットワークの軽さが身上の営業系ビジネスマンなどにおすすめです。

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腕時計のストラップについては、ドレッシーさを求めるならレザーストラップ、実用性を求めるならメタルブレスレットと考えてください。つまり、冠婚葬祭のシーンなどでの着用も考えるのであればレザーストラップを選ぶべきでしょう。ただし、高温多湿となる夏にレザーストラップの腕時計を着用していると、汗染みができる場合もあります。そうした体験に懲りた日本のビジネスマンにメタルブレスレットの人気が高いのは、当然と言えば当然の結果です。そして、昨今ではファブリック(布製)ベルトの人気もアップしています。ドレッシーなアンティーク腕時計にあえてファブリックベルトを合わせるスタイルは、ファッション感度の高い男性の間で流行中。今回の「しらべ」アンケートでも、12%のビジネスマンが「購入したい腕時計ストラップ」と回答しています。

結論。1本目には、3針ドレスウォッチにメタルブレスレット。次に購入するなら、ダイバーズウォッチをファブリックベルトで。これが、私のおすすめです。腕時計は、身に着ける男性のキャラクターを決めてしまうほどの重要アイテム。心して、セレクトしましょう。

プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE
WEB編集長 兼 エグゼクティブエディター

「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に編集長として「アエラスタイルマガジン」を創刊。ファッションやライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツを制作している。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。2019年4月にヤマモトカンパニーを設立し、現職に就任。執筆書籍に、「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」がある。

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