カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ93
スーツにちょい足しで見栄えを激変させるカーディガン。
日本代表ユニクロかイタリア代表グランサッソ、どちらを選ぶ?
2021.02.02
今年はビジネスの環境が昨年に増してどんどん変わっていく予感がします。ネットではテレワーク等の影響でスーツが売れなくなったというニュースをよく目にするようになりました。
もちろんスーツが日本のビジネスシーンからなくなるわけではないのですが、新品を買わないで手持ちのスーツで今年は乗り切ろう!と考えている方が多いはず。そこで今回は、手持ちのスーツに1点プラスしただけでガラッと雰囲気が変わるコスパの高いおすすめアイテムを取り上げてみました。
今回はカーディガンです。それもグレー。スナップのジェントルマンは、パッと見はスリーピースを着ているように見えますが、よく見るとスーツに似た色のカーディガン(またはニットベスト)を着ることでそれっぽく見せていたのです。このテクニックを使えば、手持ちのスーツもジェントルマンのような雰囲気に化けることができるかも!?
カーディガン購入ポイントは以下の3点。
①色はどのような色のスーツとも相性のいいライトグレー。
②生地は、ジャケットを着てもかさばらず動きやすいハイゲージと呼ばれる薄手ニット。
③ウエスト部分にポケットのないスッキリデザイン。
一番手は日本代表選手のユニクロのカーディガン。素材は、エクストラファインメリノウールという通常のウールよりも細い糸を使い、薄くしなやかな仕上がり。そのうえネットに入れれば洗濯機で洗えるという万能選手。
デザインは、ポケットがなく身幅や袖幅はやや細め。前ボタンは5個。ここは案外大切なポイントで、小柄な方にはボタンが少ないほうが似合いますね。留め方はスナップのジェントルマンのように、いちばん上と下側2つを開けています。こうすることで、スポーティーでリラックスした感じをプラス。
ちなみにユニクロにはカシミヤで同じようなデザインのカーディガンもありますが、少しふっくら編まれているのでスーツの下に着るとモコモコしてしまいます。そのため、今回は補欠扱い。
対するは、イタリア代表選手のグランサッソのカーディガン。素材はコットン100%。ハイゲージと呼ばれる細かな編み方なので、コットンといえど高級感がきちっと出ています。色めは、日本のカーディガンではあまり見られない美しい青みがかったグレー。こうした染色はイタリアのお家芸、日本のものではこうした色はなかなか見つけられません。
パンツを定番のチノパンにしたり、ブラウン系スーツにしてもマッチする汎用性の広さがグレーカーディガンのもうひとつの魅力。
こちらもポケットなしで、細すぎず太すぎずのほどよいシルエット。前ボタンは定番の6個。クラシックな着こなしのルールで、いちばん下のボタンははずしています。スリーピースのベストのときも同じです。ボタンが多く縦の線が強調されるので、おなかまわりがぽっちゃり気味の方もスマートに見える視覚効果も期待できます。
最後に、ユニクロのエクストラファインメリノVネックカーディガンをグレースーツにコーディネートしたのがこちら。スーツとカーディガンの色を限りなく近くして、靴を黒にするとモードなテイストに仕上がります。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに
通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こな
しを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi