特別インタビュー

伊勢丹新宿店 メンズ館7階
バブアー伊勢丹新宿店 店長 竹居 初さん
この人から買いたい、この一品

2021.03.12

写真・図版

東京の下町散歩に似合う服と音楽をご紹介します。

伊勢丹新宿店に立つようになって1年、バブアーショップのオープンに合わせて、こちらに就任しました。定番のワックスジャケットのイメージが強いブランドですが、シャツやニット、カットソーやTシャツまでフルコレクションあるんです。レディスもこちらで取り扱っています。女性でも、こういったイギリスのアウトドアウェアにご興味ある方、結構いらっしゃるんですよ。

いい意味で頑なにローテクというか、先進的な機能性素材を一切使用しない、こだわりというか矜持があります。着込んでいくほどに着る人に馴染んで味が出てくる。まるで道具のような服なんです。だからこそ長く着ていただきたいし、長く着ることでバブアーの良さが、わかるようになるはずです。生活に必要なギアであって、パートナーと言ってもいい一生モノ。メンテナンスも承りますので、気軽にご相談ください。

前職の勤務先は上野でした。私は東京・練馬の生まれですが、父は赤羽、母は堀切と下町のDNAを継いでいます。だからというわけじゃないのですが、休日は下町散策が趣味なんです。内田百聞や池波正太郎のエッセーや紀行文に出てくる店を訪ねて浅草から神田・日本橋へ抜ける道を歩いたり、地下鉄に通って駅と街の成りたちを想像したりするのは楽しいですね。

上野から神田末広町、秋葉原へ抜けるルートは、雑多な昔の東京とインテリジェントな最新の東京が両方見られるのでおすすめです。途中にはいい蕎麦屋もあります。そんなときはバブアーを着て、音楽は昔のザ・キンクスとかザ・バンドなんかを聞きながら。モッズとかスワンプっぽい音が好きなのは、なんかバブアーと雰囲気が似ているからかもしれません。

今日の服ですか? コートはバブアーですが、シャツはアイクベーハー、ほかはエンジニアードガーメンツです。バブアーは英国ブランドですが、アメリカンワークとの相性がいいんですよ。デニムやBDシャツも似合います。帽子はバブアーのものですが、アメカジテイストで気に入っています。でも普段、店頭では帽子は被っていません。これは撮影用ということで(笑)。

写真・図版
フーデッドコート¥40,000/バブアー

竹居さんおすすめの一品
バブアーのオーバーサイズフーデッドビデイル

バブアーといえばワックス(オイル)コットンのイメージが強いですが、こちらはアウドドアウェアなどにも使われているリップストップクロスで、定番のビデイルをベースにオーバーサイズアレンジを施したモデルです。ワックスを使っていないので、あの特有のオイル感はありません。

シルエットはたっぷりとしているので、ジャケットの上から羽織ったり、Tシャツ1枚の上から羽織るだけでも今っぽい見た目になりますし、僕のような中年体型でも気にせずにガバッと着るだけでサマになります。どことなくミリタリーテイストかつストリートのテイストが漂う点でもオススメです。

一体型のフードのデザインと、フロントからバックまで配されたポケットは、従来のものよりも大きいので便利で大活躍してくれます。外出時、手ぶらで出かけたいという男性も多いと思いますので是非お勧めです。週末の街歩きや、日帰りでちょっと遠出するぐらいでも十分な大容量です。

問/伊勢丹新宿店 03−3352−1111

Photograph:Hiroyuki Matsuzaki (INTO THE LIGHT)
Text:Yasuyuki Ikeda

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