週末の過ごし方

こと足りてないのがこれからのぜいたく。
気鋭建築家ふたりが語る
新たな価値としての“別荘”とは?【前編】

2021.06.16

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計画中のプロジェクト。岩の傾斜に合わせて立ち並ぶ別荘にはそれぞれ見晴らしのいい眺望が付いてくる。たき火やプールで、くつろいだ時間を過ごせる。

これからの別荘はどのように変わるのか? 新規プロジェクトを模索する建築家に聞きました。


基本的に別荘とは、都会に家を持つ人が所有するものです。ここでは味わえない体験があるから、別荘に行きたくなるのであって、それが都会と同じ機能の「森バージョン」なら、僕はあえて行こうとは思いません。

僕にとっての別荘は「こと足りてない」ってこと。都会にいると常に何かに満たされ、足されていく感覚があります。でも、照明の明るさや便利なサービスも、じつは足りていないってことが必要なのではないか。だからこそ、人は頭を使い工夫して、能動的に何かを体験しようとするのでは。

この2月に「ネイチャーデベロップメント」というキーワードを掲げ、「DAICHI」という会社を立ち上げました。建築家の僕以外は、プロジェクトマネージメント、ランドスケープ、アートディレクションといったエキスパートの集団で、代表の馬屋原 竜とともに、今後、ブランド構築していきます。将来は上場するところまで会社をもっていきたい。

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計画中の別荘。コンテナの三面に設置された開口によって、屋内で雨風をしのぎながら自然と一体化できる。DAICHI(https://daichijapan.jp)

「DAICHI」は、別荘以外にも商業施設やランドスケープの開発など、さまざまな価値を創造し事業化していきます。すでに仕掛けているプロジェクトもいくつかあって、ひとつがコンテナによる別荘です。キッチン、トイレ、シャワー付きのコンテナを1棟約600万円、土地は数百万円、計約1000万円で販売予定。友人とふたりで10年ローンだと、月8万円台です。使わないときは宿泊客に1泊2万円で提供すれば、月に5泊で元が取れます。たとえ宿泊客がゼロでも、ふたりで月約4万円の負担で済む。これまで別荘と言えば、軽井沢なら億超えが当たり前でしたが、このくらいカジュアルならセカンドプレイス的に使えます。場所も都内から1、2時間。日常の中に自然があるライフスタイルをイメージして、今後は都会も自然もいろんな場所で交ざり合いながら楽しく働けるようにしていきたい。何より、別荘をもっと手の届きやすいものにしていきたいと考えています。

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谷尻 誠
1974年、広島生まれ。建築家、起業家。SUPPOSE DESIGN OFFICE代表。2014年より吉田 愛と共同主宰。穴吹デザイン専門学校特任講師、広島女学院大学客員教授、大阪芸術大学准教授。社食堂、絶景不動産、21世紀工務店、Tecture、CAMP.TECTS、(株)社外取締役などの法人を経営。

Edit&Text:Satoshi Miyashita

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