カジュアルウェア

ファッショントレンドスナップ112
夏の定番白シャツはディテールで遊ぶ。
イチオシは南イタリア生まれのカプリシャツ!

2021.07.21

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「ナポリを見てから死ね」とのことわざでも称される、南イタリアを代表する景勝地ナポリ。美しい湾にベスビオ火山を望む景色を見ないで一生を終わるのは、生きたかいがないとまで言われました。

イタリア観光に憧れる知人には「ナポリはスリが多くて街中はゴミゴミしているから、わざわざ死ぬまでに見なくてもいいんじゃない? 観光だったらカプリ中心にした方がいいよ」と知ったかぶってアドバイスすることも(注:あくまで個人の見解です)。ナポリの魅力はいまだに不滅であることは認めます。かわいさ余って憎さ百倍といった心情であることをご察しください。

このカプリ島がなぜ個人的に推しなのかというと、日本では体験できないイタリアの伝統的なリゾート感がいまも感じられるから。日本では「青の洞窟」が有名ですが、それよりも夏だけオープンするレストランや小さなジェラート屋、自家用のヨットでやって来るヨーロッパのセレブを見ているだけでもかなり気分が上がり、訪れたかいがあったなと感じてもらえると思うからです。

またまた前置きが長くなりましたね……。今回お伝えしたかったのは、カプリの夏を過ごす人たちのお約束スタイルで、日本の夏に採り入れたいものがあったから。それはカプリシャツと呼ばれるかぶり式(前身頃の合わせが途中でなくなる)のシャツです。

デザイン的にはプルオーバーシャツと呼ばれるもので、裾は真っすぐにカットされ、襟はオープンカラーやスタンドカラー、カッタウェイカラーなどカジュアル感の強いもので、素材はリネンかコットンとのミックスというのがお約束。

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今回のジェントルマンは、カプリシャツをリゾートではなく街中で着用しているのですが、これなら日本でもトライできるはず。彼のカプリシャツは、Vゾーンの部分に独特のボタンが付き、カッティングもユニーク。これは、アラブ系のシャツの代名詞「カフタンシャツ」によく見られるディテールで、ボタンはシャツ生地で玉を作り、そのもう片方のループに通すというもの。

このデザインは、カプリシャツによく用いられるもので、カプリやナポリが昔からアフリカ大陸やトルコなどの地中海沿岸の地域と深く交流していた証し。そう思うとこの髭男ジェントルマン、ちょっとそうした国のニュアンスも感じられます。

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全身は、このような感じで至ってシンプルなコーディネート。これが、カプリ島ならパンツはショートパンツで足元はサンダル。ただし、サンダルといっても日本のビーサン(ゴム草履)のようなEVA(エチレン酢酸ビニル)などの合成樹脂ではなくレザーです。カプリにはカラフルなレザーサンダルを売るお店が結構あり、お土産品としても有名です。

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カプリシャツ¥49,500 /チリエッロ、パンツ¥41,800/インコテックス、スニーカー¥132,000/ ジョンロブ(以上和光 03-3562-2111

今回の再現コーディネートは、カプリのようなリゾート寄りではなくタウン向きに仕上げてみました。カプリシャツは、ナポリのシャツブランドのチリエッロのもの。このブランドは、1982年にナポリで創業したシャツ工房で、昔ながらの味のある手縫いと細かなミシンワークをミックスした仕立ての美しさで人気が高まり、2006年には自社ブランドを立ち上げたという注目株。

このシャツの着こなしポイントは、見ていただいたようにシャツの裾を出して着てもだらしなく見えないところ。それと、襟元と裾から風がうまく逃げるので涼しさも格別。

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Vゾーンの仕上げ方は、代表的なカプリシャツそのもの。ボタンは1個でVゾーンの先は手縫いで補強されています。よくよくその周りを見ると、カフタンシャツによく見られるクサビ型のステッチが入っていますね。素材は麻100%で、生地はヨーロッパ産ならではの独特の織り感があり、肌触りはドライタッチ。
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袖は七分丈でサイドにスリットが入っています。これもカプリシャツの特徴で、このスリットがあることで、ほどよいリラックス&カジュアル感を出しています。

スナップのジェントルマンは腕まくりをしていましたが(7分丈ではない通常の長さなので)、このシャツの場合は腕まくりはせずスリットを見せるように。ここが意外と重要なので、お忘れなく!

トレンドスナップのまとめはこちら

Photograph & Text:Yoichi Onishi

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