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『THIS IS US /36歳、これから』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #7

2021.10.07

『THIS IS US /36歳、これから』<br>いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #7

自分自身を見つめ直すヒントが隠されている

登場人物がどんな影響を受け現在に至ったかが、過去、未来とエピソードを重ねていくにつれ謎解きのようにわかっていく。大げさな問題が次々に現れるわけではないが、ささいなシチュエーションまでをも繊細に描く。誰もに起こり得る困難や失敗に自分を重ね合わせては共感し、そしていつも誰かが自分を支えてくれていたり、導いてくれていたことに気付き、涙を禁じ得ない。

これは、よくある家族の物語。36歳という人生の転機に始まり、80年代から現代までを描いていて、主人公たちと同世代も、その上のどの世代でも楽しめるドラマだ。ここには、自分と向き合える数々のヒントが隠されている。親を持つ子は親の気持ちを理解するきっかけに、もちろんその逆もしかりだ。

ふと「もしかしたら親はこう思っていたのかもしれない……」と、多感で衝突の多かった思春期を思い出してしまった。「あのときこうしていれば……」と後悔してももう遅い。今はただ、これから過ごせる時間と向き合ってゆけたらと思いたい。

誰かの大切な人になれたら、自分の存在はその誰かの中で永遠に生き続けることができる。自分もそんな人になりたいと思わせてくれる素晴らしい作品。『THIS IS US』はAmazon prime videoで現在シーズン4まで配信中。この作品はシーズン6にて終了することが決まっている。

パズルのピースはすべて埋まるのだろうか? 5年間見守ってきただけに、期待に胸が躍る。

Text:Jun Ayukawa
Illustration:Mai Endo

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