カジュアルウェア
気温10度に適した服装とは?
コーディネートやアイテム選びのポイントを解説
2021.12.07(最終更新:2024.08.26)
天気予報で「気温10度」と聞いて、今日は寒いから暖かい服装で出かけようと考える方は多いのではないでしょうか。気温10度とひと口に言っても、最高気温10度と最低気温10度では適する服装が異なります。そこで今回は、気温10度に適したファッションについて、コーディネート例やアイテム選びのポイントを解説していきます。
気温10度とはどれくらいの寒さ?
気温10度と聞くと、どれくらいの寒さを想像するでしょうか。十分に寒いと感じる方がいれば、ひと桁ではないので比較的暖かいと感じる方もいるかもしれません。同じ気温10度でも、最低気温、平均気温、最高気温のうち、どれを指すのかによって寒さの度合いが全く異なります。
気象庁のデータによると、最低気温が10度前後になるのは4月下旬と11月上旬。この時期は最低気温が10度でも最高気温が20度近くまで上がるため、一日のなかで調節できるよう脱ぎ着できる服装が適しています。
平均気温が10度になるのは3月下旬と11月末。最高気温が10度になるのは年末年始と2月初めごろであり、まさに冬本番の寒さとなります。「最高気温10度」の日は、コートなどで防寒対策を万全にして出かける必要があります。
気温10度のコーディネート、アイテム選びのポイント
続いては最低気温10度、平均気温10度、最高気温10度それぞれに適したコーディネートの例を紹介。併せてアイテム選びのポイントも解説します。
キレイめジャケットスタイル
まずは、最低気温10度の日におすすめのコーディネートを3つ紹介していきます。最初に紹介するのは、ジャケットが主役のキレイめスタイル。
通常1日のなかで最低気温を記録するのは朝方であり、日中は気温が高くなっていきます。最低気温10度の季節は、日中になると20度前後まで気温が上昇することも多く、朝の気温を基準にして服を選んでしまうと日中は暑く感じるかもしれません。そのため、脱ぎ着しやすいファッションを意識したいものです。
おすすめのコーディネートはグレーのテーラードジャケットを主役として、全体をモノトーンでまとめます。インナーには黒無地の薄手ニット、パンツは同じく黒のスラックスをチョイス。黒い革靴で足元を締めれば、オン・オフどちらでも通用する鉄板ジャケットスタイルの完成です。
シンプルなコーディネートのなかでアクセントになるのが、ジャケットの襟元で存在感を放つピンズ。寒い朝にはワインレッドやネイビーなど、深みのある色合いのマフラーやストールを合わせるのもいいでしょう。
厚手のパーカでカジュアルに
最低気温10度の日に、冬物のコートを着てしまうと暑い思いをする可能性大。だからといってシャツ1枚では寒いかもしれません。そんな季節に活躍するのが、暖かく過ごせるパーカです。
2番目に紹介するコーディネートの主役はライトグレーのパーカです。パーカの生地の厚さはオンスで表されますが、12.4オンスというボリューム感ある生地が最適です。暖かい日中は袖をまくればよく、シンプルなデザインなので、ボトムスに何を合わせても違和感がありません。
こちらのコーディネートでは、ジャケットのときと同じくシンプルな黒のパンツを合わせるのがいいでしょう。また、トップスとボトムスがシンプルな組み合わせなので、ネイビーのニットキャップをかぶればいいアクセントに。家の中で過ごす日も、ちょっとしたお出かけの日も、幅広く対応できる肌寒い季節のカジュアルスタイルです。
深まる秋を感じさせるアーガイル柄カーディガン
最低気温10度の日におすすめの脱ぎ着できるトップスとして、もうひとつ外せないのがカーディガンです。シャツの上にカーディガンをはおるだけでコーディネートは完成しますが、それだけではシンプルで味気なく感じるかもしれません。
3つ目に紹介するコーディネートは、秋冬ファッションで人気のアーガイル柄が特徴のカーディガンが主役。オレンジとブラウンのアーガイルは深まっていく秋、その先の冬を感じさせ、表面は長い毛足のモヘアタッチでトレンド感を演出。ジャストサイズのシンプルな白シャツの上に、印象的な柄でオーバーサイズのカーディガンをはおることにより、上半身が絶妙なバランスでまとまっています。
足元はチャコールグレーのパンツに、同じくグレー系のオーソドックスなスニーカーを合わせ、カーディガンを引き立たせるコーディネートにするのがおすすめです。
カジュアルスタイルに欠かせないブルゾン
次に、平均気温10度の時期におすすめのコーディネートを3つ紹介します。平均気温10度のシーズンは、最高気温も15度前後と低め。冬物コートの出番ではありませんが、重ね着したりアウターを着たりするのが基本です。
平均気温10度くらいの時期のカジュアルスタイルに欠かせないのが、暖かさと手軽さのバランスがいいブルゾン。ジャケットのように手軽にはおれて脱ぎ着しやすいブルゾンですが、生地がしっかりしたものを選べば朝晩の冷えにも十分対応できます。
平均気温10度のコーディネートでは、ウール素材のブルゾンを着用。ブルゾンはコートほど着込んでいる印象を与えないので、初冬や冬の終わりにもぴったりです。インナーには、ブルゾンと丈のバランスがいいダークグレーのコットンニットを着用。ブルゾンは丈が短めなので、合わせるインナーの丈とのバランスに気をつけたいものです。ジャストサイズな上半身に対して、パンツは少しワイドなものをチョイス。カッチリすぎず、ゆるすぎず、サイズ感のバランスがいいコーディネートを目指します。
ハリスツイードのジャケットにニットを合わせて
平均気温10度ともなると、通常のテーラードジャケットをはおるだけではやや寒く感じるかもしれません。初冬や冬の終わりに採り入れたいのがツイードのジャケットです。ツイードとは、短い羊毛を紡いで製造される生地のこと。羊毛をふんだんに使用しているため、生地が厚く保温性に優れています。
コーディネートを特徴づける厚手のジャケットは、世界三大ツイードのひとつとして人気のハリスツイードのジャケットが最適。厚手とはいえ、スッキリとした着こなしで着膨れする心配がありません。インナーにはトラディショナルな印象のケーブル編みニットを合わせているので、室内でジャケットを脱いでも様になります。
ボトムスは、いまや定番となったブラックスキニーをセレクトします。ロールアップすることでトレンド感を演出し、甲がポニーヘアーになっているパラブーツを履くことで足元とジャケットの質感を合わせるのがポイントです。全体的にスッキリとまとめつつ、季節感をしっかりと感じさせるコーディネートになります。
パーカにデニムジャケットで寒さ対策
最低気温10度の日であればパーカ単体でも十分過ごせますが、朝晩がさらに冷え込む平均気温10度の日だと上に1枚はおりたくなります。
冬物のコートを着るほどではないけれど、パーカの上から何か気軽にはおりたいというときにおすすめなのがデニムジャケット。厚手でしっかりとした生地のデニムジャケットは、少し肌寒く感じるときのプラスワンとしてもってこいです。おすすめのコーディネートとしては、厚手のホワイトパーカにデニムジャケットを合わせます。冷え込む朝晩と比較的暖かくなる日中のどちらにも対応できる組み合わせになります。
丈の短いデニムジャケットの裾から、パーカの裾を少し出すのがポイント。季節を感じるダークブラウンのパンツと合わせ、後ろから見た際のレイヤーが見事に計算されています。こちらのコーディネートもジャストサイズの上半身とゆったりめの下半身でバランスをうまく取るのが重要です。
冬アウターの定番、ダウンジャケット
最低気温10度・平均気温10度の日のコーディネートを見てきましたが、最高気温10度ともなれば冬本番です。おしゃれであることはもちろん、何よりも暖かく過ごせる服装であることが大切。そんな冬本番の参考にしたいコーディネートを4例紹介していきましょう。
最高気温10度のおすすめコーディネートひとつ目は、黒のダウンジャケットを採り入れたシンプルコーデです。冬のアウターの定番であるダウンジャケットは防寒対策として優れものですが、ともすると着膨れしてしまうのが難点。インナーをジャストサイズのものにするなど、スッキリとしたサイズ感になるよう着こなしを工夫する必要があります。
最高気温10度のコーディネートにおいて、インナーに合わせたいのは、シンプルな白のタートルネックTシャツです。タートルネックで首元を暖かくしつつ、着膨れしないように計算。ダウンジャケットは単体で十分に暖かいので、インナーはスタイリッシュにまとめるのがいいでしょう。外と室内の温度差が大きい場合でも、ダウンジャケットを脱げば快適に過ごせます。
全体的にモノトーンでシックにまとめつつ、ライトブラウンのソックスを履くことで、差し色がチラリと見えてしゃれ感を演出します。
スタイリッシュにまとめるならチェスターフィールドコート
着丈が長めのチェスターフィールドコートは、スタイリッシュな冬のコーディネートに欠かせないアウター。上襟が付いており、スーツのようなフォーマル感を演出できるアイテムです。通常膝上あたりまで着丈があるため、足元の寒さ対策にもなります。
最高気温10度の2つ目に紹介するコーディネートは、ダークグレーのシンプルなチェスターフィールドコートを採り入れた大人のキレイめ冬コーデです。質感あるチェスターフィールドコートに合わせるのは、同じく存在感のある質感が特徴のローゲージニット。明るさの異なる6色のグレーの糸を使って編み上げているニットは、室内でコートを脱いだときでもコーディネートをキレイにまとめてくれます。白のパンツに黒のベルトを垂らせば、全身の統一感は申し分なしです。
モノトーンで地味になりがちな冬のファッションにおいて、差し色をどこに入れるかは大きなポイント。こちらのコーディネートでは、首元からのぞくサックスブルーのシャツをプラスすることでコーディネートに華やかさが加わります。
オン・オフ使えるステンカラーコート(バルマカーンコート)
チェスターフィールドコートと並んでスタイリッシュな冬のコーディネートに採り入れたいのがステンカラーコート。似たような印象のアイテムですが、襟の形とシルエットに違いがあります。一般的にチェスターフィールドコートはテーラードジャケットのような襟で、Aラインに近い締まったシルエットであるのに対し、ステンカラーコートは襟の後ろ側が高くなっており、シルエットはゆったりとした作り。
ビジネスシーンでも着用されることの多いステンカラーコートですが、オフのシーンでも重宝します。おすすめのコーディネートは、オーソドックスなキャメルのステンカラーコートに、ケーブル編みのクルーネックニットを合わせます。ステンカラーコートは後ろ襟を立ててスタイリッシュに着こなすこともできますが、最高気温10度の寒い日にはマフラーやストールで首元を彩ってもOK。
ここに合わせたいボトムスは、主張しすぎないストライプの入ったパンツ。テーパードシルエットのパンツであれば、足元までスタイリッシュに見せてくれます。
ムートンコートが主役の大人の冬コーデ
最高気温10度の日ともなれば、朝夕は氷点下近くまで冷え込むこともあります。そんな寒い日は、見た目にも暖かいムートンコートを採り入れてみてはいかがでしょうか。「羊の毛皮」の意味を持つムートンは、フワフワと手触りがよく保温性にも優れています。
最後に紹介するコーデの主役はダークブラウンのムートンコート。丈の長いムートンコートは存在感があり、着るだけでスタイルがまとまる優れものです。シルエットに重厚感のあるコートですが、ダッフルコート風のトグルがあるタイプのものであれば抜け感を演出することができます。ちょっとした遊び心が大人の余裕を感じさせます。
パンツとハットは目立ちすぎないベージュブラウンで統一することでコーディネートの主役であるコートを引き立てます。トレンドのロングコートを採り入れる場合は、コートをいかに引き立てるかに主眼を置いてコーディネートを考えてみるのがいいでしょう。
寒い季節に活躍するアウター5ブランド
気温10度のコーディネート例を紹介してきましたが、寒い季節になるとどうしてもアウターが主役になります。アウター選びこそが冬のスタイルを決める、と言っても過言ではありません。続いては、寒い季節に活躍するおすすめのアウターブランドを5つ紹介します。
MACKINTOSH LONDON(マッキントッシュ ロンドン)
1823年にチャールズ・マッキントッシュが発明した世界初の防水布「マッキントッシュ・クロス」を起源とする、イギリスを代表とするアウターブランド「マッキントッシュ」。防水アウターの元祖とも言うべき、ゴム引きコートを発明したブランドとしても有名です。ゴム引きコートとは、生地の間に天然ゴムを塗って圧着した防水生地で製造されたコートのこと。そんな歴史あるマッキントッシュから派生し、2015年三陽商会によってスタートしたメインラインが「マッキントッシュ ロンドン」です。
マッキントッシュ ロンドンのコートのなかでも代表格といえるのが「ダンケルト」。ブランドスタート以来のベストセラーであるゴム引きコートをルーツとするダンケルトは、マッキントッシュならではの洗練されたデザインが特徴です。オーソドックスでありながら上品さを感じさせるコートは、オン・オフ問わず大人のコーディネートによくマッチします。
イギリスの有名ブランドの伝統を受け継ぎつつ、マッキントッシュ ロンドンの製品の縫製は基本的に日本国内で行われます。イギリスブランドの洗練されたデザインと日本の巧みな職人技術が合わさったコートは、大人の男性なら1着は持っておきたい定番アイテムです。
Paul Stuart(ポール・スチュアート)
ポール・スチュアートは、1938年にアメリカのニューヨークで創業した紳士服店をルーツとするメンズ、レディスブランド。多くのアメリカ紳士服店と同様に当初はアイビールックをメインとしていましたが、徐々に独自のスタイルを確立していきました。現在では自社ブランドの製品のみならず、世界各国の優れたブランドから選び抜いたアイテムを販売するセレクトショップとしても広く支持されています。
ポール・スチュアートは、紳士服仕立ての本場として知られるイギリスのロンドンにある「サヴィル・ロウ」に集まるビスポークに共通する、流行に左右されないエレガントで洗練されたスタイルを踏襲。ブリティッシュの伝統的なスタイルとニューヨークのモダンなテイストをミックスした、バランスのよさが特徴です。
このポール・スチュアートのコートは、どれも世界有数の品質を誇るメーカーの生地を用いたこだわりの逸品。洗練されたデザインのコートを採り入れれば、たちまち大人の冬のコーディネートが完成します。デザイン性もさることながら、撥水性や花粉プロテクトといった高い機能性を誇るアイテムが多い点も特徴です。
Aquascutum(アクアスキュータム)
1851年、仕立て職人のジョン・エマリーによってロンドンで創業したアクアスキュータム。アクアとはラテン語で「水」、スキュータムとは「盾」のこと。「水の盾=防水」という意味を持つアクアスキュータムは、ブランド設立のわずか2年後に世界初の防水ウールを開発した世界的な老舗ブランドです。
アクアスキュータムのコートの代名詞が、高い防水性を誇るトレンチコート。このためアクアスキュータムは、同じくトレンチコートで有名なバーバリーと並んで、ブリティッシュ・トラッドの2大コートブランドとして知られています。
アクアスキュータムのトレンチコートは、1914年からの第一次世界大戦で戦うイギリス軍兵士のために開発されました。前線で戦う兵士のために作られただけあって、高い実用性と機能性に定評があります。しっかりした生地ながら柔軟性も兼ね備えていて動きやすく、オン・オフ両方で活躍するオールラウンダーのコートです。薄くて軽やかであるにもかかわらず保温性が高いのも特長で、寒い時期でもスタイリッシュに着こなせます。
LARDINI(ラルディーニ)
高品質でおしゃれな大人のブランドとして人気を博すラルディーニは、1978年にイタリアのアンコーナという町の小さな仕立て工房からスタートしました。プラダ、ドルチェ&ガッバーナをはじめとする世界の名だたるメゾンの製品を製造してきた高い技術力を誇り、いまではオリジナルブランドとしても多くの人に愛されています。
屈指の技術力を誇る職人たちの手作業で作られるアイテムはどれも、素材のよさと丁寧な縫製に支えられた逸品ばかり。製造工程の一部を海外の拠点に置くブランドが多いなか、ラルディーニは最初から最後までイタリア国内で製造する、完全なメイド・イン・イタリーにこだわっているのが特徴です。
ラルディーニのアイテムの特徴といえば、ラペルに付いている花形のブートニエール。ブートニエールというとジャケットのイメージが強いかもしれませんが、スタイリッシュなシルエットが特徴のチェスターフィールドコートでもブートニエールがワンポイントとして存在感を示しています。
SEALUP(シーラップ)
ラルディーニ同様、メイド・イン・イタリーにこだわるファクトリーブランドのシーラップ。1935年にミラノで創業した当初は撥水性の高いレインウエアを中心に製造していましたが、1950年代からはデザイン性の高いアウターウエアの製造をスタートし、現在では世界有数のアウターウエアブランドとして知られています。
シーラップのコートは高品質でありつつも、決して主張が強くありません。コート本来の素材や作りのよさで勝負しているため、見た目はあくまでも上品でシンプル。ブランドロゴを大きく見せたり、ビッグシルエットにしたりといったトレンドに流されず、どこまでもミニマルなデザインを提供しつづける姿勢が大人の男性に支持される理由です。
ミラノの自社工場において製造されるコートは、クラシカルでエレガントなデザインと最新技術を融合しているのが特徴。モダンクラシックなコートを探しているのであれば、シーラップのコートを検討するのもいいでしょう。
まとめ
気温10度とひと口に言っても、最低気温10度であれば秋の終わりや春の始まりごろ、最高気温10度であれば冬本番ということになります。最低気温10度の日は脱ぎ着しやすい服装を、最高気温10度の日は防寒性を備えた服装を意識しましょう。寒くてもスタイリッシュに見せたいなら、今回紹介したアウターブランドのコートを参考にしてください。