週末の過ごし方

進化を続ける老舗ホテル
「帝国ホテル 東京」のダイニングエリアがさらに魅力的に

2021.12.27

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帝国ホテル 寅黒

昨年、開業130年の節目を迎えた「帝国ホテル 東京」の進化が止まらない。タワー館の地下1階にあるダイニングエリアが大きく変わった。まずひとつめが、直営店日本料理店「帝国ホテル 寅黒」のオープン。ミシュランガイド東京で三つ星を獲得しつづける「神楽坂 石かわ」や「虎白」を運営する石かわグループと、帝国ホテルがタッグを組んで開いた店である。カウンターに立つ調理責任者の鷹見将志氏は「虎白」で長年研鑽(けんさん)を積んだ精鋭。その奥の厨房に控えるのは、帝国ホテルの洋食出身の料理人という本当の意味でのコラボレーションである。

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なぜ、改めて和食の直営店をと考えたのか理由を聞くと、「海外からの賓客をもてなす“迎賓館”の役割を担って誕生した創業時の精神を受け継ぎ、いまの時代は日本の文化を発信することこそが、迎賓館の役目を果たすという考え方から、直営の日本料理店のオープンにつながりました」とのことである。木が呼吸する数寄屋造りの内装には陶芸家 高仲健一氏の水墨画や、つくばい、掛け軸などがアクセントになり、しっとりと心落ち着く空間を作り出している。「虎白」のスタイルを受け継ぎながら、旬の素材にひと工夫を加えた、洗練された料理の数々が訪れる人を魅了する。

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ラ ブラスリー

もうひとつ、1983年にオープンした40年近い歴史を誇る「ラ ブラスリー」が原点に立ち返ってメニューを一新したことだ。店舗の一部は、「ホテルバル」というこれまでになかった新業態になっている。グラス1杯のお酒と小皿料理1品から気軽に楽しめる、本物のバルがホテルの中に出現したという、なんとも楽しいコンセプトだ。しかもメニューは和洋両方の小皿料理が食べられる。

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ホテルバル
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店舗は“Bleu Bar”をコンセプトに、インテリアデザイナーの森田恭通氏が改装。帝国ホテルのシンボルカラーであるインペリアルブルーを彷彿(ほうふつ)とさせる青一色に塗られた壁やドアの上には、デザイナーのSHOGO SEKINE氏が縦横無尽にタイポグラフィーやイラストを描き、ワンダーランドのような雰囲気を作り上げている。「ラ ブラスリー」と同じアールヌーボーのシャンデリアにペイントを施したシェードをかぶせた照明など、さすが森田氏と感心させられる。廊下を挟んだ向かい側には白い麻ののれんが下がった和空間のカウンターもあり、どちらのスペースでも酒と和洋の美食がシームレスに楽しめる。

「ラ ブラスリー」のミュシャのタイル画があしらわれたエレガントなアールヌーボーの店内は健在で、年月を経て、さらにその魅力を増している。料理は、“ビアホールのような気軽な食堂”という本来のブラッスリーの意味に立ち返り、東京料理長の杉本 雄氏が、フランス色満載の内容に一新した。

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ワゴンから好みで選ぶテリーヌや、丸ごとのアーティチョークにいんげんとマッシュルームを詰めたサラダ、またテーブルサイドで仕上げてくれる低温調理したイチボ肉のタルタル仕立てなど、フランス料理好きならたまらないようなメニューがそろっている。同時に、環境に配慮して養殖された鯛や経産牛をあえて積極的に使用しておいしく美しく仕上げるなど、帝国ホテルならではのラグジュアリーとサステイナブルの共存に配慮しているところも見どころのひとつだ。

2036年の完成を目指し、2024年からタワー館に続いて本館が建て替えられることが発表された。設計を担うのは、フランスを拠点に活動する若き精鋭・建築家、田根 剛氏。12年という長いスパンでのプロジェクトだが、帝国ホテルの進化がどこまでも止まらないことの象徴のようでもある。その進化を堪能しつづけたいものだ。

帝国ホテル 東京
東京都千代田区内幸町1-1-1

ラ ブラスリー
営業日/火~土 11:30~14:00(L.O.17:00~20:30(L.O.
日・祝 11:30~19:00(L.O.
定休日/月(祝日の場合は翌火曜日)
電話/03-3539-8073

帝国ホテル 寅黒
営業日/火~土 17:00~20:30(L.O.
定休日/日、月、祝
電話/03-3539-8224

ホテルバル
営業日/火~土 17:00~21:30(L.O.
日・祝 11:30~19:00(L.O.
定休日/月(祝日の場合は火曜日)
※日・祝はフランス料理のみ
電話/03-3539-8073(ラ ブラスリーに同じ)

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