週末の過ごし方

日本庭園の歴史を引き受けた
ラグジュアリーホテルの勇気
【センスの因数分解】

2022.01.28

1050_Park-Hyatt-Kyoto-Kohaku1
全シートから東山の景色が一望できるバー「琥珀」はぜひ黄昏時に訪れたい。地元の日本酒を使ったオリジナルカクテルも。
  • 600_park_hyatt_kyoto_003
    京都のオーガニックスキンケアブランド「KOTOSHINA」を使用した「ザ スパ」のトリートメントは男女問わず人気。
  • 600_L1006849
    「KOTOSHINA」のプロダクトは購入も可能。
  • 600_4A3943
    予約制の「バスハウス」ではジャグジー、ドライ&スチームサウナが無料で利用できる。

実は北山さんとパーク ハイアットには、もうひとつユニークな縁があります。ハイアットホテルズグループの創業者であるトーマス・プリツカー会長の別荘にある日本庭園も、彼は過去に手がけているのです。叡心庭に置かれた31個の石は、そのプリツカー邸より京都に運ばれたもの。約3億年以上前の石といわれている貴重なもので、建仁寺にも奉納されました。

京都・南禅寺にある野村コンツェルンや松下電器の松下幸之助の別邸など、ビジネス界の雄たちも、庭に魅せられ、少なくない時間を名勝とともに過ごしています。北山さんは「財界人たちも、最終的に他者でなく自分との対話へと還(かえ)るのではないでしょうか。自然を通して自分自身と語り合うために、庭へたどり着くのだと思います」と言います。

偉人たちが魅せられた日本の庭園。いま、その有り様を、海外のラグジュアリーホテルブランドが実現させようとしています。しかも、あらかじめ完成されているものを引き継ぐのではなく、ゼロから作り上げるという形で。そこには並々ならぬ覚悟があったでしょう。しかしその覚悟の場所は、ホテルのアプローチという誰もが比較的訪れやすいところにあるのです。

日本経済を動かしてきた財界人のように自己を見つめるために、または完成途中という“これからの庭園”の経年変化を楽しむためにPHKに訪れる。現代ビジネスパーソンにとって、大変有意義な時間のように思います。

次ページ庭園だけでなく食へのこだわりも。

1 2 3 Next

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. ためらわない美のホテル<br>パーク ハイアット 東京が選んだ<br>全く新しいリニューアルの姿【前編】

    ためらわない美のホテル
    パーク ハイアット 東京が選んだ
    全く新しいリニューアルの姿【前編】

    週末の過ごし方

    2025.12.16

  2. 豊洲「やじ満」は餃子でなく、なぜ焼売?<br> 市場で働く人の胃袋を支える名物にマッチがガブリ!<br> マッチと町中華。【第28回】

    豊洲「やじ満」は餃子でなく、なぜ焼売?
    市場で働く人の胃袋を支える名物にマッチがガブリ!
    マッチと町中華。【第28回】

    週末の過ごし方

    2025.11.21

  3. 俳優・本田響矢。26歳の“今”を刻んだ写真集『ECHOES』

    俳優・本田響矢。26歳の“今”を刻んだ写真集『ECHOES』

    特別インタビュー

    2025.12.08

  4. 星のや富士にて、自身を顧みて、未来を見据える<br>町田啓太と過ごす、豊かな森の時間。[後編]

    星のや富士にて、自身を顧みて、未来を見据える
    町田啓太と過ごす、豊かな森の時間。[後編]

    特別インタビュー

    2025.12.15

  5. ラムダッシュ パームイン × フラグメント<br>唯一無二の限定モデル、解禁。<br>新しいシェービング体験を日常へ。

    ラムダッシュ パームイン × フラグメント
    唯一無二の限定モデル、解禁。
    新しいシェービング体験を日常へ。

    週末の過ごし方

    2025.12.03

紳士の雑学