週末の過ごし方
『AND JUST LIKE THAT…/セックス・アンド・ザ・シティ新章』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #11
2022.02.03

パンデミック後のNYではなにが変わったのか。
SATCにとってNYという街は大切な舞台。とにかくNYで撮影することにこだわってきたが、続編でもそのスタイルは保たれている。NYの変化を劇中に粋な方法でちりばめて、遠くにいるわれわれにも感じさせてくれる。
オープニングで毎回見ていたワールドトレードセンターが、9.11直後の回(シーズン4の13話)からエンパイアステートビルになっていた衝撃はいまでも忘れられない。その後に撮影されたシーズン5の第1話では、キャリーにとってNYは特別な場所だということを再認識する回になっていた。
「だってここはNY! なんだって叶う街よ」とたびたびキャリーは口にしていた。いつだってSATCはNYと共に在る。そして今回の続編では、パンデミック後のNYをリアルに描写。もうあのバーニーズ ニューヨークはない。若い世代から「バーニーズ? なにそれ?」と冗談を言われるシーンもある。時代の変化を思い知るばかりだ。
パンデミックの影響でトレードマークだった名店が続々と閉店してゆき、これからもまだまだその変化は止まらないだろう。これはアメリカだけの話ではない、日本でもそう言えそう。変わってゆくなかで、50代になったキャリーらがどう人生と向き合ってゆくのか――?
SATCをどの世代で観てきたかによって、感じ方はそれぞれ違うだろう。NYの街の変化を感じながら10話見届けたい、見届けなければならない。U-NEXTにて毎週水曜日1話ずつ配信中。
Text:Jun Ayukawa
Illustration:Mai Endo