週末の過ごし方
東をどり初配信!
伝統の革新は紳士の嗜(たしな)みへの大好機
【センスの因数分解】
2022.02.04
パーク ハイアット 京都の日本庭園が西の伝統と革新ならば、東を代表するそれは新橋の花柳界。100年近い歴史を持つ「東をどり」が、今年初めてオンライン配信をするのです。
東をどりは花柳界で最も格が高いといわれる新橋の芸者衆が、年に一度新橋演舞場で披露する舞台です。普段は一見(いちげん)さんお断りの名料亭でしか見ることのできない芸を、多くの人が楽しめる貴重な機会となっています。
演出を手がけるのは舞踊家の尾上菊之丞。初のオンラインということで心構えに変化があるのでしょうか。
「芸者衆の思いはもっと純粋で、(昨年できなかった)芸の披露がかなうということを素直に喜び、精進しています。私もそんな思いとともに、せっかくオンラインという新たなチャレンジをするのですから、これをひとつの好機と考えています」
また今回映像を手がけるのは、宇多田ヒカルのPVでMTVをはじめとした受賞歴もある気鋭の映像クリエーター集団・ノベンバー社。演舞場の舞台では決して見られないような、支度の風景やアップの映像なども組み込みながら、花柳界最高峰の芸をその気品や色香とともに伝えています。
注目すべきはそれだけではありません。今回の東をどりは、新喜楽や金田中といった実際に芸者衆が芸を披露する名料亭が舞台を提供。あの芥川賞の選考会が行われる間や、横山大観の超大作の襖絵がある大広間など、格式ある空間で繰り広げられる唄や踊り、演奏を楽しむことができるのです。