靴
日本の“侘(わ)び寂び”が染み入る、
カンペールのルームシューズ
2022.03.07
“おしゃれは足元から”なんてありふれた言葉を持ち出すまでもなく、重いアウターを脱いで、より幅広い着こなしを楽しめるこれからの季節には、シューズ選びこそがスタイリングの肝となる。そこで、春の装いをぐっと洒脱に仕上げてくれるおすすめの一足を日替わりで紹介しよう。今回、ピックアップしたのは、ワンランク上のルームシューズ。新しい生活様式がすっかり浸透し、自宅で過ごす時間が増えた昨今。ヨレヨレのパジャマにくたびれたスリッパでは、テレワークもはかどらないばかりか、優雅な“おうち時間”にはほど遠い。そこで、履くだけで気分をぐっと高揚させる特別な逸品を集めてみた
スペインのマヨルカ島生まれのブランド「カンペール」で見つけたのは、日本のミニマリズムに着想を得た、その名も「WABI(ワビ)」。人間工学に基づいてデザインされた足型にフィットする形状と、畳を用いたインソールの組み合わせが斬新。畳自体が柔軟性や吸湿性を備えているため、サンダルに応用されてもなんら不思議ではないのだが、そのアイデアが実にさえている。履き心地は快適そのもので、室内、屋外問わず履けるのもポイント。さらに、一足全てがひとつの原料から作られており、原料廃棄をゼロにすることで生産時の二酸化炭素排出量を大幅に削減できるという。清澄な空間や物事に趣を見いだす“侘び寂び”の精神と、現代的なサステイナビリティの巡り合いが、シューズへと結実したのである。
問/カンペールジャパン 03-5412-1844
掲載した商品は税込み価格です。
Photograph: Ryohei Oizumi
Styling: Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO)
Text: Tetsuya Sato