小物
革新的な編地設計で
これまでの常識を打ち破った、
ナイガイのソックス
2022.03.16
まったくの私感ではあるが“おしゃれは足元から”という言葉は、何も靴だけに限った話ではない。ボトムスとのバランスやソックスとの組み合わせなど、装いを楽しむうえでの足まわりの重要性を説いたものだと考える。なかでもソックスは、靴と共に足元の印象を決める名脇役であり、ときにはアクセントを添えて主役顔負けの存在感を発揮する、いわば、いぶし銀の名バイプレイヤーといったところだろうか。そこで普段は脇役に徹するソックスにスポットを当て、選りすぐりのアイテムを紹介しよう。歴史ある専業ブランドの定番から足を通しただけで違いがわかる最新の機能派まで、とくとご覧あれ。
1920年創業の老舗レッグウエアブランド「ナイガイ」の、ビジネスパーソンに贈る2つのモデルを紹介。写真左の「スーペリオール」は、ぜいたくなコットン・シルク・ウール(海島綿)100%のクルーソックス。なめらかで肌にやさしい上質な天然素材を使い、薄手でありながら通気性や保温性も併せ持つ。なにより、コットン・シルク・ウールならではの光沢感がいつものスーツスタイルをぐっと格上げしてくれる。もう一方の「F&H(エフアンドエイチ)」は、1965年から展開するロングホーズのベストセラー。“ずれない・落ちない・心地よい”をテーマに、足の部位に合わせてパール編みとリブ編み、平編みを使い分ける編地設計で、ずれにくいだけでなく最良のフィッティングを実現。ニットの三原組織のなかでも、最も難しいと言われるパール編みをソックスに採用した革新的な設計は、なんと60年以上前に開発されたもの。当時は、社内でも懐疑的に見られていたが、技術者たちが手作業で試作を繰り返し完成させた結果、見事に大ヒットを記録。そんなストーリー性も含めて、まさにブランドの歴史と伝統が堆積した永遠の定番と言えるだろう。
問/ナイガイお客様相談室 03-3634-0781
掲載した商品は税込み価格です。
Photograph: Ryohei Oizumi
Styling: Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO)
Text: Tetsuya Sato