週末の過ごし方
Mr.バーニーズ ニューヨーク、
谷口勝彦氏の“粋”な仕事。
2022.03.24
日本のバーニーズ ニューヨークにおけるすべてのクリエイティブを統括する谷口勝彦氏。彼の仕事のなかでもひときわ特別な輝きを放つのが、「ウインドードレッサー」としての顔。ひらたく言えば、同店のショーウインドーの制作責任者だ。
日本ではあまり聞き慣れない職種かもしれないが、米国バーニーズ ニューヨークのアーティスティックな象徴であり、特にクリスマスシーズンのショーウインドーはNYの歳時記として地元メディアはもちろん、世界的にも注目をされていた。
残念ながらNYではもうそれを見ることはできないが、実は遠い憧憬ではない。谷口氏は、米国バーニーズ ニューヨークのウインドーのクリエイティビティを確立したサイモン・ドゥーナン氏の愛弟子。バーニーズ ニューヨークが掲げる、「TASTE, LUXURY, HUMOR」の精神の正統な継承者なのだ。
さて、そんな谷口氏が手がけた新しいウインドーのひとつが、日産アリアをモチーフにしたもの(一番下の写真)。最新のクロスオーバーEVを、デジタルとは真逆にあるプリミティブな手法をベースに表現。人の手によるスケッチ画や写真をつるすセンチュリースタンドとポニークランプが、まるで撮影スタジオのワンシーンのような世界観を演出。日産の技術や英知を継承するアリアと、そんなクルマにふさわしい大人の“粋”なスタイルが浮き彫りになる。
ウインドーは写真の銀座本店のほか六本木店と横浜店でも観覧可能で、各店舗には連動する特別コーナーが設けられ、アエラスタイルマガジン編集部が制作したスタイリングブックも無料配布中。ぜひ足を運んで、その“粋”に触れていただきたい。
プロフィール
谷口勝彦(たにぐち・かつひこ)
バーニーズ ジャパン取締役 クリエイティブディレクター。1990年にバーニーズ ジャパン入社。米国バーニーズ ニューヨークでウインドードレッサーとしての修業を経て、現在は日本のバーニーズ ニューヨークのウインドーからフロアディスプレー全般、店舗デザイン、広告ビジュアルなどのストアイメージに関わるすべてを統括している。
Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Text:AERA STYLE MAGAZINE