週末の過ごし方
腸は超大切! 料理べたでも味がキマる
発酵料理のきほん「醤」をマスターしよう
2022.04.26
肉をたくさん取る、遅い時間に夕食や夜食を食べる、加齢や病気で消化能力が落ちてきた、体にいい食生活を送りたいが作るのは面倒……。でも、「漬ける」「和える」「味つける」、この3つの使い方だけで、簡単においしい料理ができるとしたら?
それをかなえるのが、発酵調味料を使った「発酵料理」なのです。一見、手間がかかり、意識が高い人だけが作る料理じゃないの?と思われるかもしれませんが、じつはこれが超簡単! 時短にもなり、体調管理までできてしまう万能な料理なのです。
『発酵料理のきほん』(朝日新聞出版)の著者で、神楽坂発酵美人堂を営む清水紫織さんによると、「発酵料理はおいしいうえにおなかにもいいので、働き盛りの男性にぜひ採り入れてもらいたい。発酵によって生まれたうま味がたっぷりあるので、お酒のおつまみとしても最高ですよ」とのこと。
発酵料理を作るには、まず発酵調味料を仕込むところから始まります。大丈夫、基本は材料を混ぜて発酵するのを待つのみ、いたってシンプルなのでご安心を。
今回は、清水さんに著書からアエラスタイルマガジン読者におすすめのレシピを3つ選んでいただきました。これから紹介する醤(ひしお)を作り、その醤を使った簡単料理を作ってみて、まずは手応えを感じてください。
万能発酵調味料「醤」
まずは、しょうゆよりもまろやかで、何にでも使える万能発酵調味料「醤」を仕込みましょう。
材料は、ひしお麹300g、昆布(5cm角)1枚、しょうゆ300ml、水150ml。すべての材料を清潔な容器に入れよく混ぜる。ふたをして常温に10〜14日置く。
1日1回、清潔なスプーンで下からよくかき混ぜると、10〜14日後には味わい深い醤ができあがります。
酒のつまみにも! 漬けるだけ「醤卵」
ふたつ目は、醤をつかった「醤卵」。
ご飯のおかずにもなり、酒のつまみにもうってつけな「醤卵」は、ゆで卵を作り、殻をむき、卵1個につき大さじ1弱の醤をまぶして冷蔵庫で数時間からひと晩、発酵漬け置きをするとできあがりです。ゆで卵をジッパー付きの袋に入れてまぶすとより簡単なのでお試しを。
醤のアレンジレシピとして、おなかもいっぱいになる「醤ペペロンチーノ」もぜひ。
材料は、ゆでほたるいか1パック(250g)、菜の花4本、スナップえんどう6本、にんにく1かけ、醤 小さじ1、ごま油 大さじ1、三升漬け 小さじ1/2(お好みで)。
ほたるいかは目玉、口ばし、軟骨を取り除き、醤を混ぜる。スナップえんどうは筋を取る。菜の花は1分ほど塩ゆでしザルに上げ、余分な水分を拭き、食べやすい長さに切る。にんにくは薄切りにする。フライパンにごま油を熱し、スナップえんどうを入れて焼き目をつける。にんにく、菜の花、ほたるいかを加え、2〜3分炒めて三升漬けで辛味を足せば完成です。
簡単でおいしく健やかに
今回紹介した3つは、いずれも手間がかかっていないのに、うま味たっぷり。いつもの調味料を発酵調味料に替えるだけで料理の味がキマるので、失敗がないのです。さらに、発酵調味料は第2の脳ともいわれる「腸」を整えられるので、おいしく食べているうちに健やかになれるという大きなメリットも。消化機能が未発達なお子さんも安心して食べられるので、ご家族みんなで腸活、食育をするのにもひと役かってくれます。
「発酵調味料を季節の野菜と和えたり、炒めたりするだけで、普段のお料理が格段にアップします。料理教室に通うのはちょっと……という方、『発酵料理のきほん』を参考にしてくださいね」と清水さん。
まずは、『発酵料理のきほん』をお手本に、醤、塩麹、甘酒を仕込み、料理に加えていくのがおすすめ。新年度の新習慣として始めてはいかがでしょうか。
発酵料理のきほん
著者:清水紫織
出版社 : 朝日新聞出版
価格:1430円(税込)
仕様:単行本、128ページ
Text:Tomoko Komiyama