カジュアルウェア
知る人ぞ知る福島発のハンドメイドバッグ「FUKURAFT」。
老若男女を引きつける魅力を探る。
ファッショントレンドスナップ146
2022.06.23
今回は、赤坂のアークヒルズで毎月第4日曜日に開催されている蚤の市「赤坂蚤の市 in ARK HILLS」に、FUKURAFTが出店していたので、アポなし突撃取材をさせていただきました。
写真のように大きさもデザインもさまざまで個性的なキャンバスバッグが並んでいました。実際に手に取り肩がけすると、シンプルなデザインながら使い勝手をよくする工夫が随所に。
「忘れられようとしている昔ながらの製法と普遍的なデザインをもとに、オリジナルを感じさせるバッグ作りを心がけています。出展するイベントや信頼する卸先のショップさんを通して、2018年にスタートしてから徐々にファンが増えてきている手応えを感じています。今年は、地元や東京のイベントにも積極的に出展する予定です。インスタグラムなどのSNSの出展スケジュールを確認して、ぜひ遊びに来ていただきたいです」と語るのは、オーナーで職人の園田倫也さん。
イタリアにはスローフードという考えが根付いますが、これは地元の固有の食材を守りそれを昔ながらの味で提供したり、いまの時代に合う料理にアレンジして広めながら、地域の食文化を継承して新しい価値を生み出すという運動。(注)個人的な解釈ですが……。
日本でもスローフードの考え方は浸透してきていますが、工芸品にも同じように日本の古来のもモノづくりをリスペクトしつつ、現代の生活にフィットするデザインに仕上げているクラフトマンが増えています。
今回、園田さんのお話をお聞きしていると、日本にもイタリアのような新しい発想が根付いてきているのを実感しました。
園田さんが手にされていたのがこちらのバッグ。素材は倉敷の9号パラフィンキャンバスを使っています。マチ幅を広く取っているので、見た目以上に収納力があります。ユニークなのは開口部分についてあるスナップボタンを留めるとトートバッグのようにも見えるという工夫が。画像はホームページ参照https://fukuraft.com/items/623eb3cd047a9d6e9be38f03
こちらは、FUKURAFTのバッグに付けられている金属のブランドタグ。実はこれはわざわざアメリカから取り寄せているとか。小さなパーツですが、デザインを引き締める重要なポイント。ビンテージのワークウエアが好きな人には、刺さる仕様に。
こうしたデザインのバッグも作られています。持ち手には別売りのリネン製ハンドルバンダナが巻かれています。こうした使い方をするとすぐさま女性向きのバッグにイメチェンします。こうした提案もこのブランドの腕の見せどころ。
Photograph & Text:Yoichi Onishi