スーツ

ネイビースーツに合うネクタイの色とは?
凡庸さを回避するために覚えておきたいこと

2022.10.12

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グレーと並び、ネイビーはスーツの定番カラーです。合わせやすい色ですが、一方でその安定感ゆえにコーディネートも無難になりがち。Vゾーンはビジネスパーソンだからこそできる胸元の演出です。自身のパーソナリティーや気分、シチュエーションに合わせた変化、そして仕事に取り組む姿勢を表現するショーウィンドー。今回は簡単なようで奥が深い、ネイビースーツならではネクタイ選びのコツをお教えします。

ネイビースーツはシーンや季節を選ばず着用

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ネイビースーツは若々しさ、堅実さ、信頼性を担保する色と言われます。リクルートスーツの定番ですが、それには色彩学的な裏付けがあります。

色には進出色/後退色、膨張色/収縮色の2つのカテゴリーの区分けがあり、それぞれ相手に与える印象に関わってきます。進出色は前に出てアピールする赤や黄色、膨張色の代表は白になります。これらに対してネイビーは後退色で収縮色。その名のとおり、後ろに下がり、引き締まったニュアンスを感じさせます。つまり節制を求められるスーツには最適な色であり、同時にカラーコーディネートの面からもシャツとネクタイを引き立てる効果があります。

ネイビースーツに合わせやすい定番のネクタイ柄

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ネイビーはスーツのように面積が多いアイテムでも主張しすぎず、バリエーションのある色や柄を受け入れるフレキシビリティーがあります。ソリッドと呼ばれる無地のもの、またレジメンタルやチェック、ドットや小紋柄などもOK。ただし、派手なプリントなど「遊び感覚」のものは、ビジネスウエアという性格上、マッチしないことはご留意を。

シンプルゆえに質の良さが問われるソリッドタイ

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ソリッドタイというのは無地で単色のタイプを指します。合わせやすく、TPOを選びません。またスーツやシャツにストライプなどの柄が入っていても、ネクタイが無地であれば締まった印象を与えます。ネイビースーツと相性のいい赤系や茶系はもちろん、あえてネイビーのソリッドタイを合わせるのもおしゃれ。節制が逆にスタイリッシュに見える好例です。ただ見た目がシンプルなだけに、素材感と織りにはこだわりたいもの。薄い素材や雑な縫製は安っぽく見えるので注意してください。

スーツやシャツは無地なものを選んでも、ネクタイはなんとなく柄ものを合わせる人が多いはず。ぜひ一度ソリッドタイの実力を試してください。

ストライプタイは色数と幅のバランスに配慮する

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ストライプタイ、特に斜めにラインが走るレジメンタルタイはビジネススーツの基本。恐らく新人でもベテランでも、ワードローブに数本は持っているアイテムでしょう。もともとイギリスで自分が所属する連隊(レジメント)を示す印として着用したことが由来と言われており、正対する側から見て右上から左下に線が流れるデザインです。逆に左上から右下に流れるストライプも存在はするものの少数派。軍隊に由来するとはいえ、現代のビジネスシーンでそれを意識することは海外においてもまずないので、着用にあたって特に気にする必要はありません。

ストライプの印象は配色、色数に加え、幅によって印象は変わります。あまり多くの色を使っていると落ち着きに欠けるので、ビジネスでは2~3色に抑えるのがおすすめ。ただしネイビーや赤などの反対色が等間隔に並ぶとコントラストの差がはっきりと出るため、やや主張が強すぎるきらいがあります。なるべくストライプの幅に差をつけ、反対色を脇役として使うほうが合わせやすいと言えます。

さりげなくおしゃれ、ドットと小紋のタイ

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ドットや小紋柄のタイを選ぶポイントは大きさ。柄が大きいものはカジュアルに、小さいほどドレッシーです。落ち着いた印象を醸し出す後者が、当然ビジネスに向いています。またもともと家や学校などの紋章に由来するクレストはさらに格式の高い印象。ストライプと組み合わさったロイヤルクレストもありますが、ビジネスではややトゥーマッチかもしれません。

アウトドアに由来するチェックのタイ

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タイに使われるチェックは、タータンチェックやハウンドトゥースなどがよく知られています。タータンはスコットランドのハイランド地方で愛用されていた生地であり、ハウンドトゥースはその名のとおり「猟犬の歯」に由来するなど、もともとアウトドアのニュアンスがあります。それだけにややフォーマルさには欠けますが、アクセントとして使うのなら効果的。ただビジネスシーンでの着用では、柄は小さめ、色数も少ないほうが無難です。

ネイビースーツとネクタイの色別で相手に与える印象

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最初に書いたとおり、ネイビースーツはフレッシュな印象を与えながら目立ちすぎることはなく、Vゾーンからのぞくシャツとタイそれぞれの色を引き立てる効果があります。自分の属性や立場を示しつつ、その日の気分や仕事に取り組む姿勢まで表現できます。

どんなネクタイを選ぶべきか、色別に見てみましょう。

ネイビースーツ×グレー ネクタイ(灰色)

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グレーはネイビー同様にスーツに使われるように、アンダーステートメントなカラーです。ただ素材はシルクなので、ウール以上に発色がいい傾向があり、エレガントな雰囲気が醸し出されます。特に光沢のあるグレーはドレッシーな雰囲気で、結婚式やパーティーのシーンでの活躍が期待できます。

パワーVゾーンを演出するレッドタイ

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進出色の代表と言っていいレッドは、ネイビーとの相性も申し分なし。お互いを引き立て合う組み合わせです。パワーを感じさせるVゾーンで、遠くからでもハッキリとした印象を与えられるため、プレゼンなど大人数の前で話す際にもおすすめです。

相手に安心感を与えるならグリーンを選ぶ

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森林を思わせるグリーンは、レッドのように強いアピール力はないものの、ネイビーとなじみやすく、落ち着いたニュアンスを感じさせます。強い自己主張ではなく、相手に親密さを抱かせるため、顧客を相手にすることが多い営業の方にもおすすめです。

イタリア人が愛するブラウンタイのコーディネート

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ネイビーとブラウンはイタリアで「アズーロ・エ・マローネ」と呼ばれ、共に海と大地をほうふつとさせることから、思いのほか相性がよく、おしゃれな組み合わせと言われます。ネイビーが持つ若々しさに大人の落ち着きをプラスアルファするため、新人でもベテランでも、仕事のキャリアに関わらずマッチします。

ネイビー×ネイビー ストイックな極意

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ほかの色だけでなく、同系色でもまとまりやすいこと。ネイビーが万能色とされるゆえんです。ネイビースーツにあえてネイビーのソリッドタイでまとめるモード感覚のストイックさもいいですし、ストライプやドットなどを組み合わせれば、柄自体が浮き出る“映え”も期待できます。

ネイビースーツのフレキシビリティーを味方にする

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Vゾーンはビジネスシーンで自分を表現する大切な窓であり、ネイビーはフレームとして中を引き立たせるのに最適な色。印象が大きく変わるネクタイの選び方にはもっと留意したいところです。自らを鼓舞し、アピールするなら赤、控えめに見せるなら小さめの小紋柄や色数を抑えたストライプもいいでしょう。相手に威圧感を与えないように、グリーンやブラウンなどの自然由来の色を採り入れるのも賢明です。

ネイビースーツ、シャツ、ネクタイの三位一体を成功させるために、意思と意図をもってネクタイの色とパターンを選ぶようにしましょう。

Text:Mitsuhide Sako(KATANA)

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