カジュアルウェア
ブルックス ブラザーズのフェアアイルセーター。
かわいいこの柄がリバイバルヒット中、どう着る男子?
ファッショントレンドスナップ160
2022.10.12
エリザベス2世が亡くなってから、世界中の目が一気に英国王室に向けられるようになりました。SNSでは若かりしころのスナップが拡散していて、いかに王室が昔から英国国民に愛されていたか、そして彼女の一挙一動が幼いころから話題になっていたことが読み取れます。
実は、エリザベス2世以前から英国王室は、さまざまな分野において影響力があり、数々のトレンドを生み出していました。
有名なところでは、ヴィクトリア女王の夫のアルバート公が、クリスマスにドイツ流にツリーを部屋の中に飾ったことが話題になり、世界に広まる一因になった話。
メンズファッションにおいては、チャールズ3世(現国王)の継ぎはぎをした革靴や長く愛用しているオーダースーツなどが取り上げられていましたが、彼以上に影響力があり、いまだにメンズファッションを語るうえで必ず名前が出るのが、エドワード8世。エリザベス2世の伯父で、1936年に国王になった方(同年に退位しウインザー公と名乗る)なのですが、皇太子時代はいまでいうところのファッションインフルエンサー的な存在でした。
今回フォーカスしたものは、英国王室きっての伊達男だった彼が愛用したことで世界に広まり、いまでも男女を問わずファンがいるという名品。
今回のジェントルマンは、独特のフェアアイル柄のセーターを着てご登場。
「私が着ているものは、ブルックス ブラザーズのアーカイブデザインにあったもので、一般的な幾何学模様が横に細かく並ぶものとはひと味違い、首元から胸あたりまで円形状に広がっていくオリジナルパターンです」と語っていただいたのは、ブルックス ブラザーズ表参道店の大平洋一さん。なんと勤続32年というアメトラの生き字引的な方。
大平さんいわく、フェアアイルセーターのオリジナルは、英国本土から北上したところにある小さな島で編まれたもので、その島(フェア島)の名前からこの呼び名になり、昔々は地元の漁師が着ていたというかなりの地域限定のレアなアイテム。それに目をつけたのが、エドワード皇太子(後のウインザー公)。
エドワード皇太子は、そのセーターを着てよくゴルフをしていたようで、画像検索するとすぐに見つかりますが、いま見るとかなりクラシックなゴルフスタイルですが、当時としてはかなりやんちゃなゴルフスタイルだったとか。
そうした英国のトレンドをいち早くアメリカに採り入れたのが、ブルックス ブラザーズ。日本でのフェアアイルセーターやシェットランドセーターの流行は、どちらかというと英国から直接ではなく、ブルックス ブラザーズ経由で広まったと言ってもいいくらいです。
そんなフェアアイルセーターが、突如若い女性を中心にブームになっていて、その勢いがメンズファッションにまで飛び火しています。
こちらが、大平さんが着ていたブルックス ブラザーズのフェアアイルセーター。素材は、アルパカ50%、ウール50%。アルパカは、シルクのようなしっとりとしたなめらかさがあり、保温性も非常に高い高級繊維。それにウールをプラスすることで、日常使いしても傷みにくくなり、価格も抑えられています。
とはいえ初めて見る方には、かなりインパクトがある柄なので、どのようにコーディネートしたらよいかわからない人も多いのでは。