週末の過ごし方

俳優・町田啓太と考える、装う美学。
「師走」のタキシードは高揚と洗練を

2022.12.27

俳優・町田啓太と考える、装う美学。<br>「師走」のタキシードは高揚と洗練を
着用アイテムはすべてラルフ ローレン パープル レーベル(ラルフ ローレン 0120-3274-20)のもの。

日本には四季折々に豊かな表情があり、それぞれにふさわしい「装い」がある。それは単に体感的な暑さや寒さをしのぐといった「機能」を追求するだけのものではなく、Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)、つまりはTPOにそぐうものであるべき。そして、そのことに通底するストーリーを理解し装うことは、正しい「大人のたしなみ」と言えるだろう。

本連載は、年の12カ月それぞれに季節を意識したテーマを掲げ、大人の男にふさわしいスタイルを模索しようというもの。小誌が培ってきたTPOに合うトラッドスタイルの知見と、現代を代表するファッションアイコン=町田啓太の表現力とのコラボレートにより、アエラスタイルマガジン流現代版「服飾歳時記」としてつづっていく。

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年の瀬にタキシードをまとうということ。

粋でありたい――。そう語る俳優・町田啓太が求める理想のスタイルとは、移ろいゆく時代の気分を楽しみながらも、決してそこだけにとどまらないもの。いわゆる「側(がわ)」からは伝わりにくいかもしれないが、内面の魅力の奥深さをさりげなくも確かに醸すものでなければならない。

松尾芭蕉が提唱した「不易流行」のごとく、その解釈は一様ではない。だがしかし、時代に消費されるだけのペラペラなものを彼は好まない。きちんと「軸」があり、それでいて軽やかに時代を超えて輝くスタイルこそ、いまの町田啓太にふさわしい。

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一年の締めくくりを祝し、そして新年の訪れを喜ぶこの時期に、上記のような思いを込めわれわれが用意したのは、ラルフ ローレン パープル レーベルのタキシードスタイル。袖を通し、ボウタイをキリリと締め、カメラ前に立つ。

「気分がいい。このタキシードには力がある。先入観もあるかもしれないけど、緻密(ちみつ)に考え抜かれ、構築された様式美と品性を感じます」

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ディナージャケットとも呼ばれるこの夜の準礼服は、ブラックもしくはミッドナイトブルーが基本。そのつややかな仕立ては、今も昔も社交の場でアンダーステイトメントでありながらも華やぐ。

「師走は一年の締めくくり。振り返ればここ数年、文字どおり師が走り回るほど忙しいのですが、不思議と忙しければ忙しいほど研ぎ澄まされ、高揚する感覚があります」

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来年のことを言うと「鬼が笑う」そうだが、2023年の今頃も町田啓太は変わらず忙しく、高揚と洗練と共にタキシードをまとっているはずだ。

From Editor
編集者の仕事の領域は多岐にわたります。紙かデジタルかで右往左往したのは今や昔。最近ではイベントや動画の制作、商品開発に携わることも増えました。それでも、変わらず大切にしたい編集者の職責があります。「人を育てる」こと。おこがましい物言いであることは承知のうえ、輝く新しい才能を「雑誌」を通して応援したいのです。2019年の初夏、スタイリストの石川英治さんと町田啓太さんの事務所を訪ねたのもそんな理由から。以後、お会いするたびに輝きは増し、それでいて謙虚さは相変わらず。開花した才能を、まだまだ応援したいと思います。
アエラスタイルマガジン編集長[雑誌・タブロイド] 藤岡信吾

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町田啓太(まちだ・けいた)
1990
年生まれ。俳優、劇団EXILEメンバー。映画『チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』『太陽とボレロ』、テレビドラマ『テッパチ!』(フジテレビ系)、『ダメな男じゃダメですか?』(テレビ東京)、『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』(NHK)など話題作に多数出演。正月時代劇『いちげき』(NHK総合/BS4K)にも期待が高まる。

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Photograph: Sunao Ohmori(TABLE ROCK.INC)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: KOHEY
Edit & Text: Shingo Fujioka(AERA STYLE MAGAZINE)

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