カジュアルウェア
ビームスFの別注ダッフルコートは、トレンドとこだわりが満載。
大人が着るためのポイントは?
ファッショントレンドスナップ169
2022.12.23

ファッションのプロが選んだダッフルコートは、実はありそうでなかなかない絶妙なグレー。そのうえ、生地がまた特別。
「この生地は、イギリスの名門ファブリックメーカーのジョシュアエリスのピュアニューウールを使っていて、肉厚で温かみがありながら、軽くやわらかな風合いが特徴です。昔ながらの大柄のヘリンボーン織りになっているのも見逃せません。ビームスFの別注のポイントは、袖幅と袖口幅を少し大きくして時代に合ったリラックス感をプラスしたところです」と白井さんの熱い解説。
確かに、白井さんが着用しているのを見てみると、二の腕から袖口にかけてがほどよくゆとりがあり、手をポケットに入れたときにできるしわと、そこに光が当たると生地の質感が強調されることが合わさり、エレガントな雰囲気がマシマシになっています。

これぞダッフルコートと呼べる、王道感あるデザイン。ビジネスで着ても違和感ないよう、着丈はやや長め。実は、それ以外の部分も日本人の体形に合わせて細かくスペックを修正しているとか。そうしたこだわり方は、ビームスFならでは。
余談ですが、インバーティア × ビームスFの別注ダッフルコートのなかには、かつて藤原ひろしさんが愛用していたモノに近い色(デザインは若干違う)のダッフルコートも発売しています。こうした傾向を、昭和レトロブームと結び付けようとする私は、ちょっと強引でしょうか……。

インバーティアは、1904年に創業したコートブランド。世界で初めてリバーシブルコートを開発し、その革新的技術でいくつもの特許を取得しています。一時期ブランドが閉鎖されされていましたが、2013年に復活。昔と変わらないモノづくりを守りつづけています。

ダッフルコートの顔とも言える前見頃には、レザーループにリアルホーンのトグルが使われています。生地のアップを見ると、かなり大きなヘリンボーン織りになっているのがわかります。実は、この生地が織れる織り機は、世界に数台しか残っていないとか。
掲載した商品はすべて税込み価格です。
Photograph & Text:Yoichi Onishi