特別インタビュー

「iPhoneがアップデートするように」革靴業界に一石を投じる、
新鋭・ボードイン アンド ランジのベルジャンシューズ

2023.02.21

「iPhoneがアップデートするように」革靴業界に一石を投じる、<br>新鋭・ボードイン アンド ランジのベルジャンシューズ
ボードイン アンド ランジの2人。左がアップル出身のアラン・ボードイン。右が投資銀行出身のボー・ヴァン・ランジヴェベルド。

薄いソールに広い履き口、柔らかい素材……、肩の力が抜けた今の時代の気分にぴったりなベルジャンシューズが、しゃれ者たちのあいだですでに定番となりつつある。なかでもロンドン生まれの「Baudoin & Lange(ボードイン アンド ランジ)」のベルジャンシューズは、“最も美しい”と評されるほど。

Baudoin & Langeは、アップル社のクリエイティブ部門で働いていたアラン・ボードイン(Allan Baudoin)と、投資銀行でファイナンシャルコンサルタントだったボー・ヴァン・ランジヴェルト(Bo van Langeveld)によって、2016年に誕生した。アイコンの3つのドット(飾り釘)は、「エレガント」「クラフトマンシップ」「コンフォート」の3つのポリシーを意味する。ビスポークシューズから影響を受けたベルジャンシューズを中心に、そこから派生したブーツやスニーカーというラインアップで、存在感を高めている。

ランジヴェルトは、ブランド設立前を振り返りこう語る。

「金融業界に入って最初に気付いたのは、みんなスーツにタイドアップをしているのに、足元はランニングシューズだったこと。革靴を履いていても、履き心地があまりよくないので、オフィスに着いたらすぐに脱いでしまう。なぜ、お金はあるはずなのに、靴への意識が低いのかと疑問を感じていた。だけど、そうせざるを得ない革靴の問題があった。だから誰でも快適に履ける靴を作りたいと思ったんだ」

ランジヴェルトは名門、ロンドンビジネススクールの出身だ。そして、同じ卒業生のなかに、ひとりだけビスポークの道に進んだ人物がいることがわかった。それがパートナーのボードインだった。ランジヴェルトは、ボードインが作った最初の靴のサンプルを見た瞬間、「これこそが探し求めていたものだ」と、翌日、勤め先の投資銀行を辞めた。

 一方ボードインは、故スティーブ・ジョブズに影響を受け、卒業後はアップル社に入社。ジョブズの“世の中にないものを作る”精神に惹(ひ)かれたのだという。「2〜3年後に人々が何を必要としているかを想像する。ジョブズが亡くなり、アップルを辞め、シューメーカーになった今も、2〜3年後にどんな靴が人々に求められるかを常に考えている」と語る。

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右はボードイン アンド ランジの代表モデル。エレガントでありながら、履き心地も良い(¥93,000)。中は、独自に開発したラバーソールを採用したモデル(¥77,000)。左は、秋冬に展開予定のスリップオン型のスニーカー(¥73,000)。

ふたりの生み出すベルジャンシューズは、エレガントな見た目とそれを実現するクラフトマンシップ、そしてコンフォートな履き心地をどこまでも追求する。「これまでの革靴は、履きはじめから足になじむのに、1〜2カ月を要した。だがそれでは、コンフォートとは言えない。履いた初日から足にフィットする革靴でなければいけない」とボードイン。足の前の部分のみアンライニングにし、柔らかいラムスキンを採用。パッドを入れ、インソールを埋め込むことで衝撃吸収の役割を持たせた。パッドには、湿気を取り除き、足が蒸れない効果もある。近年では、レザーソールに加えて、ラバーソールもオリジナルで開発した。更なる履き心地の向上を図っている。

また、新コレクションのスニーカーは、1970年代のスニーカーからインスパイアを受けた。エラスティックをタンの内側に配し、表側から見えないように配慮したのは、それこそが、彼らが考えるエレガントであるからだ。

ふたりは、「半分の時間で新しいものを生み出し、もう半分の時間は、現状のモデルをアップデートするために使う。iPhoneがアップデートしていくように、既存の商品よりもより良くしたい。2年前に買った商品よりも良い商品を届けたい」と、革靴業界を未来へ推し進めていく。

問/コロネット 03-5216-6521

Photograph:Hiroyuki Matsuzaki (INTO THE LIGHT)
Text:Yuki Koike(VINYL)

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