週末の過ごし方

[南を目指す旅。]
町田啓太、沖縄にて。
沖縄No.1リゾートで、心が躍る癒やしのひとときを──

2023.03.27

[南を目指す旅。]<br>町田啓太、沖縄にて。<br>沖縄No.1リゾートで、心が躍る癒やしのひとときを──
グスクウォールは豊かな滞在を守るシンボル。

那覇空港に降り立ち、車で約1時間──。
中頭郡読谷村に位置する「星のや沖縄」は、各方面から沖縄ナンバー1のラグジュアリーリゾートとささやかれる。
刻々と変化する海辺の景色に癒やされるひとときを、町田啓太と過ごす。

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海底のイメージを表現するレセプション。非日常空間への入り口となる。
ジャケット¥462,000、シャツ¥79,200、パンツ¥167,200、タイ¥27,500、チーフ¥29,700、ベルト¥72,600/すべてブルネロ クチネリ(ブルネロ クチネリ ジャパン 03-5276-8300

海を間近に感じながら、南国の豊かな自然と、沖縄の史跡「グスク」から着想を得た「グスクウォール」に囲まれた秘密の集落の趣きがある「星のや沖縄」。伸び伸びと育ったガジュマルの並木道で、町田啓太は「木登りしてぇ〜」と心の声を漏らした。

「山っ子の心がくすぐられます。沖縄はだいぶ前の家族旅行以来、たぶん2回目。やっぱり最高ですね。いきなり晴れたり、バーッと雨が降ったり。ああ自然の中にいるなと思える。こういう時間って必要だよなと思いました。ぜいたくに時間を使ってゆったり撮影できたこともうれしい。マイペースな時間が僕には合っているように思うので、その感じが写真に表れているんじゃないかな」

旅は自分の中にも発見がある

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ホテルに面する海辺にて。
スカーフ(カレ)¥132,000、ジャケット¥451,000、シャツ¥110,000/すべてエルメス(エルメスジャポン 03-3569-3300

今回の沖縄の旅で、町田のさまざまな表情が発見できた。オーシャンフロントの部屋で黙々と、本誌ウェブ版の連載「俳優・町田啓太と考える、装う美学。」の題字書きに取り組む町田。その集中力と妥協のなさには驚かされた。海に溶け込むようなロマンチックなインフィニティプールでの撮影では、冬でも24時間泳ぐことができる温水だと知るや否や、大会出場経験のあるガチスイマーの目になった。馬との撮影では、慈しむように優しくなで歩み寄った。

「旅は発見だらけですよね。外部に発見することがあれば、自分の内面に発見することもある。一緒に行った人に対して『こういう人なんだな』という発見もある。いつもと違う環境で話すからこそ、関係性がより『きづける』。『気づく』というのもあるし、『築き上げる』こともできると思う。だから定期的に旅をしたいですね」

パブリックイメージを裏切らず、何ごとにもまじめで一生懸命、そして謙虚。さらに、作り手としての視点を忘れない。撮影時、「フリーで動いてほしい」とリクエストすると、持ち前の身体能力を生かしてしなやかに動く。

「ほかのモデルさんのポージングを学ぼうと思ったことはないけれど、写真を見るのは好きなので、頭のどこかにそれが残っているのかもしれないですね。ダンスをしていたときは自分で選曲や振り付けをしてショーに出ていたから、その経験が役立っているのかもしれない。服やシチュエーションによって『こうしたらおもしろいかな』とその時々で考えています。(スタイリストの)石川さんに、服のポイントを教えてもらって、それをヒントに計算式を解くように、さまざまなアプローチを試している感覚です」

海風にあおられても何度でも動く。「もうこれくらいでいいんじゃないか」といった言葉は町田からは出てこない。スタッフ一同「ここまでやってくれるモデルはなかなかいない」と驚くが、町田自身は「人によってスタイルはさまざま。僕はこういう方法でしかできないから」と、やはり謙虚。

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赤瓦の屋根と開放的な窓が印象的な道場では、伝統の「ぶくぶく茶」が振る舞われる。

興味深かったのは、沖縄の恵みをふんだんに生かした星のや沖縄自慢のコース料理(琉球シチリアーナ)を味わったとき。料理の写真をスマホで撮る人は多いが、町田はパシャパシャとぞんざいにシャッターを切らない。芸術作品のように美しいひと皿、ひと皿を、自分の心の動きや味も含めて記録するかのように、スマホを近づけたり斜めにアングルを変えたりしながら丁寧に写していた。「後で見たときにちゃんと思い出せるようにしたい」と言う。

「実は会食はそんなに得意ではなく気を張っちゃうタイプなんですが、肩肘張らない空気を作ってくださって楽しかったです」とスタッフを立てるが、実際は、さりげなく話題を振ってムードメーカーに徹していたのは町田である。

そんな町田は役者としてももちろん誠実で妥協を許さない。

「現場ではずっと考えてますね。監督からOKが出ても考えちゃうんです。パパッと判断できるタイプではないので、自分なりに『こういうのもありかな』とか『凝り固まりすぎてるから一回捨てようかな』とか。家に帰って風呂に入っているときや寝る前に反芻(はんすう)することも多い。ボーッとしているように見えるかもしれないけど、実はいろんなことを考えています。ほかの役者さんとのシーンでは、『僕がこうしたら相手はこうなるかな』と考える要素も増える。そうしたことが積み重なって演技に表れ出てくるものだと思うので、ずっと考えています」

最近では「似たベクトルの価値観や感性を持つ方と一緒にできることが増えてきた」と言う。

「そこで任せてもらえることも多くなってきて、やりがいを感じます。感謝しています」

人生は旅だ。

「ゴールはわかりませんし、もう一度もと来た道を戻ることもあると思う。でも今、ようやく少しずつ歩みはじめることができたように思います。もともと自信家ではなく、逆に自信を持ちたいと思って生きてきました。30代に入って賞をいただいたり出演した作品が評価されたりして、皆さんのおかげで、なんというか『役者をやってていいんだな、今やってることはあながち間違いじゃないのかもな』と勇気がわいて自信もだんだんと芽生えはじめてきたかな。そんなことを言って、10年後に今の自分を『なんて浅はかだったんだ』と振り返るかもしれないけど(笑)、それはそれで、丁寧に、でも思いっきり、今までどおり思うようにやってみようと考えています」

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タートルニット¥270,600、パンツ¥162,800、サンダル¥126,500/すべてエルメス(エルメスジャポン 03-3569-3300

ここには載せきれなかった町田啓太さんの写真はアエラススタイルマガジン Vol.54にてお楽しみください!
「アエラスタイルマガジンVOL.54 SPRING/SUMMER 2023」の予約・購入はこちらから

町田啓太(まちだ・けいた)
1990年生まれ。俳優、劇団EXILEメンバー。映画『チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』『太陽とボレロ』、テレビドラマ『テッパチ!』(フジテレビ系)、『ダメな男じゃダメですか?』(テレビ東京)、『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』(NHK)など話題作に多数出演。連続ドラマW『フィクサー』が2023年4月23日(日)22:00放送・配信スタート。

星のや沖縄

1050_【星のや沖縄】客室_土間ダイニング(夕)
客室に簡単な調理ができる機能を備えできたての料理を楽しめる。

白砂の浜辺とサンゴ礁の海、そして鮮やかな花や緑に囲まれた「星のや沖縄」は、沖縄を代表するラグジュアリーリゾート。客室には大きなダイニングテーブルと広々としたベッドルームがあり、窓からは太陽の動きに合わせて色を変えてゆく海を独占できる。夕食はメインダイニングで琉球シチリアーナを。おいしさだけでなく新鮮な驚きにあふれ、ここにしかない体験を味わうことができる。敷地内の道場では三線や空手の体験や伝統のぶくぶく茶が楽しめ、浜辺では朝凪よんなー乗馬などさまざまなアクティビティで沖縄文化に触れることができる。日帰り施設「星野リゾート バンタカフェ」も隣接。ゆっくりと暮らすように滞在して隅々まで味わいつくしたい。

  • 600_【星のや沖縄】琉球シチリアーナ_ドルチェ
    シークヮーサーをはじめ南国が育んだ食材の魅力を引き出す「琉球シチリアーナ」。
  • 600_【星のや沖縄】ダイニング_窓席_正面_人あり
    メインダイニングを含め、どこにいても海の青に包まれる。

星のや沖縄
沖縄県中頭郡読谷村儀間474
050-3134-8091
https://hoshinoya.com/okinawa/

1050_【星のや沖縄】海からの客室_メイン
読谷村の穏やかな海岸に面して低層の客室棟が並ぶ。

JAL A350で行く、「星のや沖縄」の特別な旅。>>

「アエラスタイルマガジンVOL.54 SPRING/SUMMER 2023」より転載

Photograph: Sunao Ohmori(TABLE ROCK.INC)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: KOHEY
Text: Yukiko Anraku

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