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『セックス・エデュケーション』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #44

2023.03.30

『セックス・エデュケーション』<br>いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #44

ただの青春ドラマとはひと味違う!

『セックス・エデュケーション』で確信するのは、多様性を描く時代はとうに過ぎ去り、日常として扱われるようになったということ。昔のようにゲイだからといって差別されるような描写は一瞬だけあったが「ゲイ差別なんて10年遅れてる、ダサい」とあしらわれる。そのシーンを意図的に入れることによって、もう時代はとっくに変わっているよ!という主張とも捉えることができる。そのせいか、エピソードのひとつひとつが、現代ならではの新しい発想であふれていて、ほかの青春ドラ マにはない「唯一無二」感が、このドラマにはある。

特に印象的だったのは、ノンバイナリーに恋をした、異性愛者のエピソード。ふたりはひかれ合っているのに、ノンバイナリーと付き合うということは、マイノリティーになるということを理解してもらわなければならない。ノンバイナリーを描いたドラマはまだ少なく、さまざまなセクシャリティーに対して、まだよくわかっていない人はぜひチェックしてほしい。

童貞の男子がセックスセラピーをするというだけでも興味深いが、彼を取り巻くキャラクターそれぞれを丁寧に描き、性以外のエピソードも見どころが絶えない。親からのプレッシャー、なじめない友人たちとの時間、人と違うことは悪なのか? 自分らしくいたいという願い、それらを子どもたちの目線、親からの目線と多方面から描き、ささいな出来事からも、誰もが誰かに感情移入することができるだろう。

かつてないほどに真剣に“性”を描いた『セックス・エデュケーション』はNetflixにてシーズン3まで 配信中。舞台は現代でありながら、80年代ライクな音楽、ファッションにも注目!

<<過去の「いま観るべき、おしゃれな海外ドラマ」はこちら

Text:Jun Ayukawa
Illustration:Mai Endo

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