靴
京都の老舗履物匠によって草履をモダナイズさせた、
ジョジョナイトウのサンダル。
2023.08.15
“おしゃれは足元から”というクリシェ(決まり文句)は現代においても有用だが、高温多湿な日本の夏にレザーのドレスシューズはやや不向き。かといって、スニーカーはありきたりすぎてどこか物足りない。そこで、選択肢に挙がるのがサンダルだ。素材やデザインに気を配れば、大人っぽく上品にも装える。何より優れた通気性と解放感は涼やかなだけでなく、Tシャツやショーツといった夏の軽装にまとまりを生む。「でも何を選べばいいの?」とお悩みの貴方のために、今シーズンのおすすめを日替わりで紹介。この夏を共に過ごす気に入りの一足を見つけてはいかがだろう。
創業148年を数える京都・祇園にある老舗履物匠「ない藤」が手がけるブランド、ジョジョナイトウ。日本で生まれた“履きもの”を現代的にアップデートしたサンダルは、至る所に機能性と構造美に裏打ちされたこだわりが見て取れる。鼻緒にはフィット感を高める伸縮性に優れた素材を、鼻緒を支える前ツボには哺乳瓶の乳首部分に用いられる特殊シリコンゴムを採用し、長時間履いても疲れにくい仕様に。タイヤにも使用されるSBRというゴムと反発製の強いEVA素材を組み合わせたハイテクスニーカー顔負けのソールは、硬いアスファルトの上でも足に負担をかけることがない。日本庭園の美しさや茶文化を想起させるような色使いはイセタンメンズ別注のカラー。すべてのパーツは修理・交換可能で自宅で丸洗いができるのもうれしい。ルーツをたどっていけば、元々農作業を行う際に親指に力を伝え、地面をしっかりとつかむために現在の形に行き着いたとされる日本独自の“履きもの”。先人の労働力を支えたフットウエアが現代版に進化したとなれば、その実力に疑いの余地はない。
問/伊勢丹新宿店 03-3352-1111
掲載した商品は税込み価格です。
Photograph: Koto Sato
Styling: Tomohiro Saito(GLOVE)
Text: Tetsuya Sato