カジュアルウェア
ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソンの
新作Tシャツで春夏トレンドを手に入れる
ファッショントレンドスナップ198
2024.04.30
ユニクロの2024年春夏コレクションのひとつである、ロンドンを基点に世界で活躍するデザイナーのジョナサン・ アンダーソンとのコラボアイテム。4月19日(金)に発売されましたが、すでにユニクロのECサイトでは完売しているもの(一部のカラー)も数々あり、改めて人気の高さがうかがえます。
ブランド名は言わずと知れたユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン。なんとこのコラボは、今年の春で6年目(2017年秋冬スタート)というロングランながら、このデザイナーがどのくらいすごい人かを知っているユニクロ愛好者は少ないのでは!?
ユニクロのホームページには、彼の写真や経歴が掲載され才能あふれる若手デザイナーという感じがそこから読み取れますが、もう少し深掘りすると彼のデザイナーとしての才能が半端ないことがよくわかります。
その一例が下積み時代なしでいきなり自身のブランドを2008年に立ち上げた後、29歳のときにスペインで創業したラグジュアリーブランド、ロエベのクリエイティブディレクターに就任したこと。個人的な私観ですが、彼が就任するまでのロエベはレザーを中心とした老舗ブランドで、上品でクラシックなものが中心で知る人ぞ知るスペインの名門的な感じでした。
ところが彼が入ってからはいきなりモードブランドの仲間入り。若いファッションインフルエンサーにも絶大な支持を受けて、そのファンは世界中に一気に広がることに。度肝を抜いたのは、就任してすぐにブランドの顔(魂)とも言えるロゴマークや書体デザインを新しくしたこと。それも、それまでのロエベの伝統的なスタイルを残しつつ、見事にリデザインしてみせたのです。そして、ブランドの新アイコンとなるバッグを発表し世界的に大ヒット。
現在は、毎シーズンごとに自身のコレクション、ロエベ、ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソンなど軽く見積もっても年間600ルック以上を発表するというスーパーデザイナーなのです。
ここまで聞くと、さぞかしワーカホリックな人で気難しい人ではと思いがちですが、YouTubeのインタビューを見る限りではそのような雰囲気はまったく感じられません。着ているモノもクルーネックの無地のセーターにデニムといったスタイルが多く、ヘアスタイルもパっと見寝起き? と思うようなラフな感じです。
彼のロンドンの行きつけの老舗カフェ「MAISON BERTAUX(メゾン バトゥー)」で好物のケーキを食べている彼の姿は店に溶け込み、超有名デザイナーだと気づく人はほんのわずかだとか。
またまた、前置きが長くなってしまいました。
ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソンのモデルカット(ユニクロ提供)のなかで個人的にいちばん刺さったのがこれ。上下おそろいの生地でできたジャケットとショートパンツにボーダーのTシャツというコーディネート。
何げないシンプルな着こなしに見えますが、このカジュアルアイテムのセットアップ コーディネートは、SNSでもさまざまな組み合わせ(Gジャン&ジーンズが有名)が最新トレンドとして取り上げられています。
そうしたトレンドをデザイナーのジョナサン・ アンダーソンはユニクロらしく採り入れています。シンプルなデザインながら、ベースにはビンテージのワークウエアのエッセンスがほどよくミックスされています。
そして、彼の定番であり彼ならではの存在感を放つボーダーのTシャツは、今回も完璧。シルエットも、やや緩めで、モードブランドのようなオーバーサイズでないのもポイント。
※大きいサイズを選べばもちろんオーバーサイズで着られます。
商品名にまで記載されているカノコとは、生地の織り方のことで、一般的なTシャツに使われるような、生地の織り方がフラットでなめらかなものとは違い、凹凸感があり張り感もあるのが特徴。初めて手にする人は「ちょっと生地が厚いのでは」「蒸れないかな」と早合点するかもしれませんが、着用するとまったくストレスなし。
カノコならではの通気性のよさにプラスして、ユニクロならではのドライ機能がプラスされていますのでまったく不快感はありません。それに生地に張り感があるので、身体のラインをほどよくカモフラージュしてくれます。
前身頃のウエストあたりにはさりげなくデザイナーのイニシャルであるJWAの刺しゅうが入っています。ボーダーの間隔や色のチョイスは、デザイナーセンスが問われるところ。今期は、ボーダー初心者にも着やすい配色。
この配色なら、ビジネス用のテーラードジャケットの下に着て通勤着にしてしまうことも! トレンド感を増し増しにしたいなら、写真のように首元にバンダナを巻いてみてください。
※もちろんこれを通勤着にできる職種は限られますが……。
こちらは、ドライカノコTシャツのナチュラルを使ったコーディネート例。オフホワイトのGジャンとライトグレーのパンツを合わせることで、クリーンで上品なイメージが完成。これならパートナーや家族とのお出かけのときに、好印象を与えるはず!?
Photograph & Text:Yoichi Onishi