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マセラティ・ジャパン
週末の過ごし方
時代の風を切れ――。
マセラティ110年、レースで鍛えたDNAをたどって
2024.10.25
イタリアの名門自動車ブランド「マセラティ」が誕生し、12月で110年になる。今回は、創業家3兄弟からはじまる冒険のような物語をたどってみたい。あのトライデント(三又の銛)のエンブレムに込められた思いや、進化しながらも今日へと受け継がれているものとは――。それに触れたとき、マセラティは、これまでとはひと味違った「格別な一台」に映るに違いない。
エンブレムに込められた兄弟の思い
マセラティをよりマセラティらしく魅せるもの。そのひとつが、フロントグリルで銀色に輝くトライデントのエンブレムである。クルマ好きには言わずとも知れたデザインだが、その由来まで熟知している人はどれだけいるだろうか。
1914年、イタリア北部の町・ボローニャ。商業や産業で栄えるこの町に、一軒のワークショップ(工房)が開かれた。その名も「ソシエータ・アノニーマ・オフィチーネ・アルフィエーリ・マセラティ」(アルフィエーリ・マセラティ工房株式会社)」。
社屋前で撮影されたとされるモノクロ写真には、コートに身を包んだ4人が並んで立っている。彼らこそ、創業家のマセラティ兄弟である。
マセラティ家は、男ばかりの7人兄弟だった(三男は生後まもなく死去)。エンジニアで、若くして亡くなった長男に影響を受け、ほかの兄弟たちも自動車業界へと続いた。そして四男アルフィエーリを中心に、兄弟たちで立ち上げた工房こそ、名門マセラティのはじまりである。
あのエンブレムは、兄弟で唯一美術の道へと進んだ五男マリオがデザインした。
創業の地・ボローニャの中心にあるマッジョーレ広場の噴水。そこにある神話のネプチューン像(海の神)が構えているトライデントから着想した。ネプチューンは強さと活力の象徴であり、馬の神としても知られる。そのストーリーは、馬力のあるエンジン開発に情熱を注ぐ兄弟に贈るにぴったりだった。
ちなみに、先の写真に3兄弟と共に写っているのは、次男ビンドだ。旗揚げした当初は別の自動車会社に勤めていたが、創業から18年後に大黒柱だったアルフィエーリが早世すると、ビンドもマセラティに合流した。兄弟の死を乗り越えて団結する。マセラティ兄弟の絆の強さがうかがい知れるエピソードである。
マセラティが世界の名だたるブランドへと成長した大元をたどれば、兄弟がモーターレース好きだったことが大きいだろう。
創業当初は市販車をレース用にチューニングすることが主な仕事だったが、第一次世界大戦後の1926年には、最初のオリジナルレーシングカー「ティーポ26」を製造。同年のデビュー戦でクラス優勝を飾り、その名を世界にとどろかせた。
挑戦を恐れない。史上初、若き女性F1レーサーの誕生
「レースのマセラティ」を語る上で、忘れられないドライバーがいる。
マリア・テレーザ・デ・フィリップス
1958年に開催されたフォーミュラワン世界選手権ベルギーグランプリ。サーキット場に深紅の「マセラティ250F」が姿を見せた。
男性ドライバーたちに混じってステアリングを握った彼女は、予選を19位で通過した。F1史上初の女性ドライバー誕生の瞬間であった。決勝は10位で完走した。
男性の世界とされてきたモータースポーツ界。マリア・テレーザは、1959年に引退するまで逆境をもチャンスに変えようと、粘り強くチャレンジし続けた。
変化を恐れず新風を吹き込むその姿は、今までにないレーシングカーを求めて開発に情熱を注ぎ続けたマセラティ兄弟とも重なる。実にマセラティにふさわしいドライバーだった。
レースを主戦場としてきたマセラティだったが、経営の道のりは平坦ではなかった。
創業24年目にはイタリアの実業家アドルフォ・オルシに経営を譲り、本社工場はモデナへ。ロングドライブを可能にする高性能車の販売に力を入れたいオルシと、マセラティ兄弟は意見が合わず、第二次世界大戦後まもなく、兄弟はマセラティを去った。
それでも「レースのマセラティ」は健在だった。1957年には、マリア・テレーザも駆った「マセラティ250F」でF1世界選手権に出場し、優勝を獲得。その後、レースから遠ざかった時代もあったが、2004年には「マセラティ MC12」で37年ぶりにレースに復帰。今年3月には、日本初開催となった、電気自動車(EV)のF1とも言われるフォーミュラE世界選手権「東京E-Prix」に参戦。市街地コースを走行し、初優勝の栄冠に輝いた。
受け継がれるマセラティDNA。ファンを魅了する革新との融合体
マセラティは、レースで培った技術力を生かし、長距離を快適に移動するという「グランドツアラー」のカテゴリーで成長し続けてきた。2023年に日本導入が始まったSUV「マセラティ グレカーレ」も、その開発の延長線上から生まれた至高の一台である。
特筆すべきは、最上級モデル「トロフェオ」に搭載されている、完全自社開発のエンジン「ネットゥーノ」だ。スーパーカー「MC20」にも積まれているレース由来のエンジンは、プレチャンバー燃焼システムを搭載。従来の燃焼室とは別に「プレチャンバー(副燃焼室)」を設けることで、瞬発的なパワーを生み出すと同時に圧倒的に高い燃焼効率を実現。どんな環境下でも高いパフォーマンスと、ノイズ、運転の快適性が体感できる。
ルックスには、マセラティならではのタイムレスなデザインが息づく。
流れるようなラインで描き出されたサイドビュー。低く堂々としたフロントグリル。ブーメラン型のテールライトは、イタリアを代表する自動車デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが手がけた高級スポーツクーペ「マセラティ 3200GT」からインスピレーションを得たものだ。
ボディサイズは、これまでのマセラティに比べると使い勝手が良く、集合住宅の立体駐車場にも収まる。
シートやダッシュボードには、イタリアンラグジュアリーの真骨頂ともいえる天然レザーシートを採用。ドアの内側に施したレザーのステッチにも、秀逸な職人技がにじみでている。フロントシートはもちろん、後部座席にも空間にゆとりがあり、長距離ドライブにもってこいだ。
運転席は、引き算の発想でシンプルにまとめた最先端の機能が取り囲む。ダッシュボードのTFTフル液晶モニターは、マセラティ史上最大の12.3インチ。センターコンソールには、タッチパネル式のディスプレーが縦に二つ設置され、その間には、旧来のレバーに代わる「シフトスイッチ」が並ぶ。
センターコンソール上では、マセラティのアイデンティティを象徴する円時計が存在感を放つ。アナログの文字盤は、スマートウオッチのモードに切り替えることもできる。イタリアの「音の工房」ことソナス・ファベールが手がけた、臨場感あふれる3Dサウンドシステムも、格別な時間を提供してくれる。
ADAS(先進運転支援システム)のほか、路面の状態に合わせて牽引力を最大化する「ビークル・ドメイン・コントロール・モジュール(VDCM)」も搭載。(※)ドライブを楽しむ余裕が生まれる。
※運転支援機能のため、検知範囲、作動速度には限界があります
※路面の状況や天候などによっては、システムが正しく作動しない場合があります
※ADASは運転を支援する機能あり、機能を過信せず、安全運転を心がけてください
※詳しくは各販売店または取扱説明書でご確認ください
ここまでの細部へのこだわり。グレカーレが「2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー」で「10ベストカー」にマセラティブランドとして初めて選出されたというのもうなずける。
無限の旅へ――。マセラティの冒険、これからも
日本では、この秋から新型「マセラティ グランカブリオ(2024年発表)」が順次導入されていく。100%イタリア製はマセラティの誇りであり、こちらはグレカーレ(カッシーノ工場)とは異なり、トリノにあるミラフィオーリ工場において製造されている。
グランカブリオも、マセラティ渾身のネットゥーノ・エンジンを携えたグランドツアラーのオープンカーモデル。電動格納式ソフトトップ(幌)は開閉時間がわずか14秒という速さだ。
フロントシートには、オープンエアドライブ時に、ドライバーと助手席のパッセンジャーの首まわりを温めるネックウォーマーを装備。ウインドストッパーを使えば、オープン時も乱流の発生を軽減し、開放感あふれるドライブが楽しめる。
マセラティには、守り続けている「ブランド価値」がある。
生まれつきの革新性。情熱による動力。そしてデザインで紡ぐ個性だ。
これまで幾度となく親会社が変わるなど、数奇な運命に翻弄されてきたマセラティだが、それでもファンを魅了してやまないのは、これらの価値を動力に最高のラグジュアリーとパフォーマンスを表現しているからにほかならない。
ボローニャ中心部のワークショップ(工房)からレース参戦をめざしたマセラティ兄弟の冒険は、今もブランドのDNAとして宿り続けている。
創業110年から始まる新たな歴史の1ページも、多様性や環境を重んじ、胸がわくわくする驚きと感動で、私たちの毎日を格別なものにしてくれるに違いない。
※敬称略
グレカーレは、【Trofeo(1713万円~)】【Modena(1138万円~) 】【GT(1027万円~)】の3グレードを用意しており、スペックや価格に違いがあります。
※2024年9月末日現在の参考価格。いずれも消費税込み
※上記は、メーカー希望小売価格です。詳しくは各販売店にお問合せ下さい
※税金(消費税を除く)、保険料、登録などに伴う費用は含まれません。リサイクル料金が別途必要になります
問/マセラティ コールセンター 0120-965-120
(9:00~18:30/年末年始を除き無休)
https://www.maserati.com/jp/ja/models/grancabrio
Text:Haruhiko Ito (office cars)