接待と手土産
「おつな」のツナのオイル漬。
すべて実食! 自慢の手土産 #140
2024.11.14
素材にこだわり、ひとつひとつ手作業で丁寧に作るツナの逸品。
ホリデーシーズンに向けて重宝しそうなギフトを発見した。ふらりと立ち寄った六本木ヒルズのギフトショップで見つけた「おつな」のツナの瓶詰だ。通常の缶詰とはひと味違うしゃれた外見に加えて、プレーンやジェノベーゼ、実山椒入りなどたくさんのバリエーションがあり、これはギフトに使えそうと、早々に試してみたところ、大当たりだった。
主役のツナは柔らかくてジューシーで口溶けもよく、素材の良さが伝わってくる。シンプルな「プレーン」にしても、それだけで一品料理になるほどの存在感があり、サラダ、サンドイッチやパスタの素材としてもいい味を出してくれる。和風のテイストをイメージしそうな「実山椒」は、意外にも和洋どちらにも合う万能な味で、朝食用に、塩ゆでしたブロッコリーに、オイルと共にあえただけで絶品だった。
ほかにも青森産のニンニク、オーガニックのオレガノにケッパーで酸味を加えた「ガーリック&オレガノ」やドライトマトのうま味にバジルの風味を合わせた「ドライトマト&バジル」、青臭さと強烈な辛さがクセになる八丈島の青島とうがらしを使った「島唐辛子」など、どれも興味を引くレシピのツナ瓶が12種類もラインアップされている。
代表の関根 仁さんは、今もおつなの店舗がある池尻で和食店を経営していたが、あるときに店で出したツナが評判になった。そこで、おいしいツナの作り方をあれこれと研究しているうちに、その魅力にはまってしまい専門店を開くことに。そんな関根さんの作るツナ瓶には、ツナのおいしさを引き出す工夫が詰まっている。県内の港で水揚げされた、刺身でも十分においしい新鮮なビンチョウマグロを仕入れ、ミネラル豊富な駿河湾の海洋深層水と、利尻昆布や国産乾燥シイタケなどのだしで作った深みのあるスープで煮る。驚くのは、塩分は海洋深層水のみで最後まで精製塩は一切加えない。そうすることで角の取れたやさしい味わいに仕上がっている。
煮上がったら、ひとつひとつ手作業でほぐしてゆく。瓶の殺菌や瓶詰めは機械のほうが優秀だが、骨を丁寧に取り除き、ちょうどいい具合に身をほぐす作業は、人の手にはかなわない。機械でほぐすと、どうしてもツナが細かくなりすぎるのだそうだ。
それをこだわりのオメガ9のオイル、高オレイン酸の紅花油をベースに、国産の米油と太白のごま油を独自にブレンドしたオイルに漬ける。油ひとつにしても、魚と相性がいいのはもちろん、熱を加えても酸化しない、冷蔵庫で固まらない、そして何よりも食べる人の健康にいいものを、調べ尽くして決めたものだ。たまにホンマグロは使わないのかと聞かれることもあるが、鉄分が多く、色も黒くなるので実はツナには向いていない。一からスープを作って味付けをすることも珍しいそうだが、おいしくなるならと手間暇を惜しまない。
ツナの美しい色合いも楽しめるようにと瓶詰にしているが、光を浴びると油が酸化しやすいために、七宝柄の和紙のボックスを開発。上品さを併せ持ちつつ、商品自体も守ってくれるのだ。味付けごとに和紙の色が異なり、華やかで品格もある。開けるまでは常温保存も可能で、扱いやすい。皿に取り出してそのままつまめる気軽さもあって、ギフトには最適だ。「たいせツナ人への贈り物として、皆さまの“おツナがり”に想いを込めた逸品」というキャッチフレーズのとおり、これからの季節に大活躍しそうな逸品だ。
おつな
東京都世田谷区池尻3-5-22
営業時間/金曜11:00~16:00・土曜11:00~15:00
価格/プレーン1458円、ガーリック&オレガノ1512円、実山椒1566円など(袋は別売)、2個入ギフトセット3132円、3個入ギフトセット4644円など ※税込み、送料別
問/03-6426-8178
https://otuna.tokyo/