靴
この春欲しい! 大人の“クラシック”スニーカー 3選。
【vol.1 コート系スニーカー】
2025.03.11

どこか加熱気味だったハイテクスニーカーブームの揺り戻しなのか、近年はローテクタイプや定番モデルの復権が目覚ましい。希少性やコラボレーションの話題性ではなく、トレンドに左右されないスタンダードの良さが改めて再認識されたと言ってもいいだろう。そこで、アエラスタイルマガジンでは、“クラシック”をキーワードに、普遍的かつスタイルに採り入れやすい、この春おすすめのスニーカーをタイプ別に厳選。全3回にわたって紹介する。
第1回は、コート系スニーカーをピックアップ。一般的にテニスやハンドボールなど、競技用「コート」でのプレーを想定したスニーカーを指すもので、シンプルなアッパーとフラットソールがその特徴である。
“薄底”スニーカー人気に火を付けた、近年最大のヒット作。

2024年、最もトレンドをにぎわしたスニーカーと言えば、アディダス オリジナルスの「サンバ」をおいてほかにはないだろう。アラウンド40の読者にとっては、ボブ・マーリーが愛用した定番モデルという認識が一般的かもしれない。
ところが、2022年ごろからリアーナや人気モデルのベラ・ハディッドといったスタイルアイコンたちがコーディネートに採り入れると、ファッション感度の高い女性たちが注目。その後、イギリスのブランド「ウェールズ・ボナー」とのコラボモデルが人気を後押し、2024年になると男性からも厚い支持を集めて爆発的なヒットを記録した。
人気の理由は、“薄底”ソールに象徴されるシャープなシルエット。やや甲が低く、すっきりとしたトウも含めて、ワイドパンツやスラックスとの相性も抜群。コンテンポラリーなセットアップやジャケットスタイルと合わせてもバランス良く収まるので、スタイルの外しとしても重宝する。
写真のモデルは、柔らかなフルグレインレザーをメインにトウをスエードで切り替え、ガムソールを合わせたオリジナルに忠実な現行モデル。ホワイト×ブラックのストイックなカラーウェイが“クラシカル”な雰囲気を醸す。全13色そろえた豊富なカラーバリエーションも魅力で、飽きのこないデザインは、2025年も引き続き人気が衰えそうにない。
今年、誕生40周年を迎える、リーボックの“隠れ定番”。

リーボックの名作と言えば、1983年に誕生した「クラシックレザー」や、ビョークが雑誌のカバーで着用した「インスタポンプフューリー」などが挙げられる。ただ、現在、圧倒的な支持を集めているのが、コートシューズの「クラブ C」である。
1985年に誕生したテニス専用のコートシューズ「クラブ チャンピオン」をルーツに持つ同モデルは、長らくブランドの“ウラ定番”的な位置付けであった。ところが、近年、若手のファッション・ディレクターやスタイリストがフェイバリットに挙げたことから人気が再燃。

誕生40周年を迎える今年は、コラボモデルも相次いでリリースされている。写真はオリジナルのフォルムそのままに、軽量かつクッション性に優れたEVAミッドソールを採用したジャパンエクスクルーシブモデル。
“ヴィンテージ”と名が付くように、レッドとイエローに関しては、退色したようなクリーム色のレザーアッパーが、味わい深い雰囲気を醸す。丸みのあるポテっとしたシルエットは、リジットデニムや素材感のあるパンツとの相性もよく、パンツの裾を少しためると、ぐっと今っぽい着こなしに仕上がる。
スエードアッパー&ガムソールの“黄金比”的バランスの一足。

アレクサンドル・マテュッシが手がけるフレンチブランド、AMI(アミ)。上質なマテリアルやファブリックにこだわった、シンプルでクリーンなコレクションが人気だが、フットウエアも充実している。

写真の「STEP ロートップスニーカー」は、素材に革の製造過程で廃棄される床革(とこがわ)に樹脂を塗って強度を高めたスプリットレザーを採用。環境に配慮した素材使いだが、スエードの優しい表情はデザイン面にも寄与する。ステッチで意匠を表現した横顔やヒールカウンターにあしらった控えめなロゴなど、抑制を利かせることで品の良さが際立つ。スケートシューズのようなアッパーのフォルムと独自開発したガムソールも好相性。
キレイめなスタイルからカジュアルな装いまで調和する汎用性の高さは、これからのシーズン大活躍するに違いない。
掲載した商品は税込み価格です。
Text: Tetsuya Sato