接待と手土産
万平ホテルの「アップルパイ」。
すべて実食! 自慢の手土産 #148
2025.05.29

信州リンゴがたっぷり。ジョン・レノンも愛した伝説のパイ。
いざという時に頼りになる一流ホテルの手土産だが、そこに誰かに語りたくなるようなストーリーが加われば、なおさらいい。第5弾は、そんな理想をかなえてくれる「万平ホテル」の「アップルパイ」だ。1894年創業の万平ホテルは、国内有数の避暑地、軽井沢の歴史と共に歩みつづけるクラシックホテルだ。国の登録有形文化財でもある貴重な歴史的建造物を守りながら、昨年10月に大規模なリニューアルを完了し、現代的な快適性も兼ね備えたホテルに生まれ変わった。
創業以来、室生犀星、堀 辰雄、池波正太郎、三島由紀夫など、数多くの著名人に愛されてきたことでも知られるが、特にジョン・レノンにまつわるエピソードは有名だ。オノ・ヨーコやショーンら家族と共に、毎年夏をこのホテルで過ごし、カフェテラスで提供されるアップルパイと自らスタッフにレシピを教えたというロイヤルミルクティーが大のお気に入りだったという。
ジョンが愛した伝説のメニューは、リニューアル後も相変わらずの大人気だ。ふんわりサクサクのパイ生地に信州産の紅玉がたっぷり。果物の風味を最大限に生かした穏やかな味わいに、ちょっぴり酸味の利いたレーズンとほのかに香るシナモンがいいアクセントだ。
そのアップルパイを手土産として持ち帰りたいという多くの声に応えて、自宅でもおいしく食べられるようにアレンジした。ほどよい大きさで、持ち運びしやすいスクエア型。パイ生地はしっとり柔らかく、信州産のふじをぜいたくに2個も使用したこだわりの逸品だ。年々、生産量が減って手に入りにくくなってしまった「紅玉」のパイはホテル限定で、テイクアウト用には信州リンゴの代表的銘柄「ふじ」を使用。どちらも特産のリンゴの風味を最大限に生かした絶品パイだ。
もちろんそのままでも十二分においしいが、ひと手間かけて200℃のオーブンで15分ほど加熱すると最高の味わいになる。実は、土産用のアップルパイは、持ち帰る間にパイが崩れないように、カフェで食べるものよりしっとりと仕上げてある。オーブンで焼き直すと、焼きたてのようなサクサク感が戻り、バターの風味が驚くほどがよみがえる。ぜひお試しを。ほんのり温められたリンゴと合わさって最高の味わいになるのだ。
これからベストシーズンを迎える軽井沢の自然を思わせる淡いグリーンのクラシックなボックスもいい感じだ。ホテルのカフェテラスで味わうアップルパイも捨てがたいが、ジョン・レノンがお決まりの席に腰かけて、毎回注文したというエピソードを語りながら、ぜひ大切な人とも楽しんでほしい逸品だ。

万平ホテル
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925
営業時間/8:00~20:00
定休日/不定休
価格/アップルパイ3300円 ※税込み・送料別
問/0267-42-1234
https://www.mampei.co.jp/