週末の過ごし方
GO! GO!! 郷ひろみ!!!
止まらない男と、味わいが増すレザーアイテム。
【BOTTEGA VENETA】
2026.05.01
1971年に初めてステージに立ち、ファンクラブが発足してから55年。郷ひろみは止まらない。身体からにじむ円熟した魅力は、ますます深まる。その味わいは、まるで極上のレザーのよう。希代のスターが魅せる、〝いま〟のスタイルと言葉。
55年間のすごみとでも言えばいいのだろうか。積み重ねてきた圧倒的な経験がその身体から、言葉の端々からにじみ出る。
1971年にデビューしてからというもの、昭和、平成、令和と止まることなく走りつづけてきた唯一無二のスター。70歳の誕生日を迎えた昨秋、2日間超満員の武道館ライブを敢行した。両日のセットリストを変えて70曲を披露するという難題を自らに突き付けて。
「挑戦的な気持ちはいつも変わらず持っています。70曲の打ち込みを用意したスタッフは大変だったと思うけど、僕自身は覚悟を決めていたし、自信もありました。ただ、2日間の違うショーをつくるわけで、完全な通しリハーサルはできなくて……。基本、僕の性格から言うと、リハーサルはやってもやってもキリがないんです。持論としては、60%しかリハーサルをやらなければ、本番でも60%しかやれないと思っている。100%やったときに初めてアドレナリンが生まれて、110、120になるということをある時期に気づいたんです。だから、リハーサルはすごく大事なんですね」
何事にも手を抜かず、万全の準備をし、全力で挑む郷だが、10代20代の舵取りは難しかった。
「テレビに出ていることが一線で活躍しているというふうに思われていた時代で、基本的に生放送だったから、いくつもの番組やステージをこなしてひたすら現場を渡り歩いていた。正直、当時のことは過酷すぎてまったく覚えてないんです。ダブルブッキングがあったり、ヘリコプターで移動したりと、綱渡りしたこととかはなんとなく覚えているんですけど(笑)」
しかし、そんな過密スケジュールの中にあっても、郷は、自身の立ち位置を次第に俯瞰(ふかん)しはじめる。
「3年ぐらいたってだんだん見えてくるんですよ、自分の置かれているポジションとか仕事のこととか。ああ、歌えてないな、踊れてないな、しゃべれてないな、ナイナイ尽くしだということが。それで、20代の終わり頃、アメリカに行くことにした。80年代のアメリカの文化はとにかくすごくて吸収すべきことがいっぱいあったから」
以来、郷は1年に1回渡米し、自身を客観的に見つめ直した。そして、「ゴールドフィンガー99」が大ヒットした40代半ばには、歌唱力を含めて「まだまだ足りない」となり、再びのニューヨーク行きを決断することになる。
「このときは年数を決めずに行った。自分の声を見つけるため、毎日ヴォイストレーニングのレッスンに通い、結局、3年かかりましたね。自分を変えたいなという意識は漠然とあったし、このままだと思い描いた60代ってないな、という思いもあったんだと思います」
40代後半の異国での体験は、間違いなくその後の血肉となった。
「40代をどう生きたかで50代は決まり、60代もまたそれまでの生き方で決まる。結局は、どの時点でもいまを一生懸命生きることが大事だということです。何かを吸収しようと思ったら、飛び込んでいかなきゃいけない。ただ、そこには当然リスクもあるわけですが」
21世紀を迎えてから、郷はいくつかのロックフェスティバルにも出演している。ジャンルの違う場にあえて身をさらしたのだ。
「確かに、オーディエンスは違うし、本当に僕でいいのかっていうのはありましたよ。でも、確固たる自信みたいなものもあった。それはもう、長年やってきているから。どんなステージでも怖気づくということが僕にはないんです」
来年デビュー55周年を迎えるスターは、こんなふうにあまたの現場を歩き、時代時代で自身に足りないものを探し出しては身にまとってきた。最後に「いま、70歳の郷ひろみに足りないもの、欲しいものはなんですか」と聞いてみた。
「いまも、決して満足しているわけじゃないんです。だから新しい挑戦ができる。僕が郷 ひろみでいる限り、歌っている限り、パフォーマンスをしている限りは、永遠にその欲する気持ちを持っていたい。甘んじることなくチャレンジを続けていくということです」
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郷ひろみ(ごう・ひろみ)
1955年生まれ、歌手。言わずと知れた「大スター」のキャリアは、1971年にフォーリーブスのバックダンサーとしてスタート。同年にファンクラブが発足し、今年はその55周年。2027年はドラマ、およびレコードデビュー55周年。大成功を収めた昨年の武道館コンサートの熱気は、発売中のDVD&Blu-rayHiromi Go at Nippon Budokan 2025 “THE GREATEST 70 SONGS”』で。5月からは新たなコンサートツアーが控える。
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Photograph: Satoshi Kuronuma(aosora)
Styling: Masami Tanaka
Hair & Make-up: Yusuke Igari(TreepEACE)
Direction: Yoshifumi Aoki