お酒

美酒誕生。
中務裕太(GENERATIONS)、赤武酒造と再び。

2025.06.04

美酒誕生。<br>中務裕太(GENERATIONS)、赤武酒造と再び。

GENERATIONSのパフォーマーとして精力的に活動しながら、2月には自身がプロデュースした『True or Doubt』を配信リリースするなど、多方面で才能を発揮する中務裕太。そんな彼が、いつか人生を懸けてみたいと言うほど魅了されているのが日本酒だ。昨年、岩手・盛岡市の赤武酒造とタッグを組み、オリジナルの日本酒「AKABU 中務 純米大吟醸」をリリース。造り手としての第一歩を踏み出した。今年も赤武とのコラボ第2弾の発売が決定。仕込みを終えたばかりの2月上旬に、改めて日本酒への思いを聞いた。

日本酒に出合ったのは、LDHの先輩にあたる橘 ケンチに勧められたのが最初。実際に飲んでみたら、あまりのおいしさに驚いたと言う。「正直なところ、それまで“オジサンの酒”としか思っていなかったから、これほど味わい深くてスッキリと飲みやすい酒なのかと感動して、一気にハマってしまいました」。それ以来、日本酒の専門店を巡ったり、気になる酒を取り寄せたり、自宅に日本酒専用のセラーを置くまでに。日本酒好きの母親の存在も、それに拍車をかけた。「母はめちゃくちゃ日本酒好きで、自分が日本酒に目覚めたと知って、いろんな酒を大量に送ってきました」。最初に赤武を勧めたのも母親だという。

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赤武酒造は、1896年に岩手県大槌町で創業した老舗だが、東日本大震災で甚大な被害を受けた。再起をかけて移転した盛岡市で醸した新銘柄「AKABU」が評判に。成功へと導いたのが6代目、古舘龍之介だ。

「最初はスタイリッシュな甲冑(かっちゅう)のラベルにひかれて、飲んでみたらこれまでにないフルーティーな味わいに驚きました」。それから毎年リリースされる新作のほとんどを自宅に常備。橘ケンチに赤武愛を力説したら、仙台でのライブを終えた日に、明日、赤武酒造に行ってみようと誘ってくれた。そのときに古舘氏と初めて会い、1歳違いの同世代ということもあって、すぐに意気投合した。ジャンルは異なるものの、たくさんの人に喜びを届けたいという共通の思いを知って、自らコラボを提案。古舘氏も二つ返事でOKしてくれた。

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「いや龍之介さんはすごいですよ。並々ならぬ努力もそうですが、何をするにも常に芯に日本酒があって、とにかくブレない。日本酒を通して人を幸せにしたい。その思いが人を動かすんです」。熱のこもった口調に、古舘氏へのリスペクトがひしひしと伝わってくる。

酒造りの面白さ、大変さは、すべてが秒刻みで行われているところだという。最初の「洗米」の段階では、「ストップウォッチで計って、何秒たったら洗って、何秒たったらすすいで、あと2秒だけ水に浸けてとか。また、酒母に麹、蒸米、水を加えて発酵させる『仕込み』の工程では、大きなタンクを手作業でかき混ぜるのだけど、それはもう肉体労働で。でも、あのときのあの作業が、この味につながるのかと、手の感触とか香りとか、いろいろな記憶が蘇(よみがえ)ります」

日本酒は人と人をつなぎ自分の世界を広げていく。

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酒造りにあたっては、きれいな甘みに、味わいスッキリという赤武らしさを生かしながら、早々に完売した第1弾ではフルーティーさを重視し、第2弾では少し厚みを持たせて飲みごたえも意識した。

日本酒は飲んでおいしいというだけでなく、人と人をつなげるもの。自分が関わることで新たな層に日本酒のよさを伝えられるとうれしいし、自分にとっても世界を広げてくれるとても大切な存在だという。「本気で好きなので長く続けたいし、子どもができたら伝えていきたい。いつか子どもと乾杯できたら最高ですね」

中務裕太(なかつか・ゆうた)
1993年、大阪府出身。GENERATIONSのパフォーマー。24年4月よりEXPG高等学院の2代目学長を務める。

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赤武酒造×中務裕太コラボ日本酒第2弾
『AKABU 中務 純米大吟醸』(720ml) ¥4,950
4月5日より全国の赤武酒造一部特約店(サイト保有店はEC対応)ほかにて発売。
※価格や開始時期ほか変更の可能性がありますのであらかじめご了承ください。販売店舗含む詳細は酒造会社の公式HP等をご覧ください。飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

「アエラスタイルマガジンVOL.58 SPRING/SUMMER 2025」より転載

Photograph: Norihito Suzuki
Text: Yuka Kumano

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